この男がレイザー。

 Tシャツに半パン・・・なんか想像してたのと全然違うけど、

 でも、凄味は感じる。

 

 

 俺でもわかる。

 この男の強さ。

 

 

 

 めちゃ、恐い。

 

 

 

 

 

 どうするんだよぉ? ルージュ。

 

 

 

 「・・・またあんた?

  どこにでも現れるのね。

 

 

 「・・・お前のようなプレイヤーのいるところには、どこにでもな。

 

  覚えてるぞ。

  3年くらい前だったか・・・島外から侵入したお前を排除したのは。

 

 「あのときは随分な対応だったわね。

  こっちの苦労も知らずに。

 

 「外法にはそれ相応の対処をする。

  最近になってまたそういう輩が出てきたが・・・、

  同じようにお帰り願った。

 

 最近島外から進入したやつがいるのか・・・?

 

 

 「で、今回は何?

  入れない場所に入ろうとして何が悪いの?

 

 

 「城壁を壊して進むRPGがどこにあるんだ?

 

  G・I内にいる限り、ルールに従ってもらわなければ困る。

  お前のようなやつがいれば、ゲームがゲームでなくなる。

 

 

 「また島外に飛ばされるわけ?

  困るのよね。戻ってくるまでに時間がか 

 甘い!

  

  一度忠告したはずだ!

  悪いがお前には・・・

  死んでもらう。

 「

 

 

 ゴッ!!

 

 ビリビリビリ!!

 

 

 ヒィ!!?

 

 す、すさまじいオーラ!!!

 

 

 

 ヤバイ!!

 

 

 「・・・まだ死ぬわけにはいかない。

 

 どうするんだよ!?  戦うのか?

 

 「この世界ではそれを決めるのは我々だ。

 

 

 だ、ダメだ。

 

 だから危険だって言ったんだ!!

 なんとかして、なんとかしてルージュを助けないと!!

 

 でもどうすれば!?

 

 くそ!!

 

 

 「離脱!!(リーブ!!)

 

 バシュ! 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・?

 

 

 

 

 

 

 

 

 えええええええ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜(;´Д`)!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 え、えええ〜〜〜〜〜(;´Д`)

 

 

 

  

 囮になるって言っといて、、、

 離脱って、、

 で? 俺が今からレイザーを尾行するの? え〜〜〜〜〜〜〜(;´Д`)

 

 どこがイーブンだよ。

 

 俺のほうが断然ヤバイじゃん。

 

 

 

 

 「バインダーを出してなかったから油断したな。

  俺が来る前に、離脱(リーブ)を抜いておいたか。

  頭のいい女だ。

 

 そういや・・・俺も気付かなかった。

 

 う〜ん、めちゃくちゃやってるように見えて、でも結構考えてるな。

 

 

 

 

 

 しかし・・・とんでもないぞ、今回の尾行は。

 

 目の前にいるレイザーを観察して改めて実感した。

 

 ヤバすぎる。

 

 オーラは緩めたけど、それでも波打つような余韻が周りの空気を重く振るわせる。

 

 

 俺に気付いてないだろうなぁ。(;´Д`)

 

 

 『レイザー?

  終わった?

 

 (ハ、ハウァ(;´Д`)!!

 

 

 ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ・・・ハァ。

 

 こ交信(コンタクト)か。。。

 びっくりした。声の主はイータか

 

 「ああ、逃げられたよ。

  まぁ排除したことには変わりない。

  どうした?

 

 でも・・・あれ? おかしいな。

 レイザーはバインダー持ってないぞ。

 

 『今、同行(アカンパニー)で15人をソウフラビへ飛ばしたわ。

  お仕事よ、海賊のボスさん。

  フフフ、最近忙しいわね。

 

 ? ソウフラビ? 海賊のボス?

 

 「そうか。早かったな。

  もう仲間を揃えてきたか。

 

 

 ・・・まさか、

 

 レイザーは『海の番人』も兼任してるのか。

 ということは・・・今から『一坪の海岸線』のイベントが始まるのか?

 

 面白いぞ。

 SSランクカードの入手難度とはどれほどのものか、確認するチャンスだ。

 

 レイザーは移動する気か?

 よし! 尾行開始だ!

 

 「灯台の座標を教えてくれないか。

 

 『N9567 E7251。

  いい加減覚えてよね。

 

 「ハハハ、悪い。

  では行くか。

  -002

 

 ブン!

 

 !?

 手に! カードが現れた!?

 

 

 

 -002 空門(スカイゲート) -

 

 RULER ONLY 

 

 G・I内の指定した座標へ移動する。(近)

 

 

 

 

 な、なんだ?

 あのカード。

 俺の知ってる呪文じゃない。

 

 そうだ。ジェイトサリが言ってた。

 支配者のみが使用可能な呪文。

 排除(エリミネイト)と同じ種類の呪文か。

 

 なるほど、ゲームマスターはトラブル対処のため島のあらゆる場所へ急行できなければならない。

 それを可能にするスペルか。

 ヤバイな。逃げられるぞ。

 

 いや・・・待てよ。

 あの呪文・・・周囲のプレイヤーすべてを移動させるんじゃないか。

 じゃないと、ゲームマスターがバグプレイヤーを捕獲して連行する方法が無い。

 

 賭けだな。

 

 よし! レイザーの20m以内に!

 

 

 

 空門(スカイゲート) オン!!

  N9567 E7251!!

 

 

 

 ブウウウウウウウウウウウウン・・・・・バシュゥ!!

 

 

 

 

 

  next  ストーキング51「侵入! 灯台の要塞」の巻 絶対見ろよな!ъ( ゚ー^)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ストーキング51

 

 

 

 

 (うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおーーーーー!!)

 

 

 ギャン!!

 

 

 

 うひぃぃ、

 なんか普通の呪文と違って、

 真上にぶっ飛んで、

 遥か上空から急降下、

 ひぃぃ。

 

 

 「間に合ったな。

  さてどんな仲間を連れてきたかな。

 

 ゴゴゴゴゴ・・・

 

 大きな鉄の扉がゆっくりと開く。

 

 ここは?

 潮の香り。切立った岬に立つ灯台。

 いや灯台というよりは砦、そう、要塞に立つ物見の塔という感じ。

 

 

 出迎えたのは同じ衣装を着込んだ人物達・・・

 

 一言二言レイザーと会話したが、

 あとは無言で廊下を歩く。

 

 仲間・・・じゃないな。

 レイザーの部下といった印象をうける。

 

 そしてこいつらは具現化されたキャラクターじゃない。

 人間だ。

 でもレイザーとのやり取りを見る限り、彼らはゲームマスターじゃない。

 恐らく「一坪の海岸線」のイベントの役者達だろう。

 雇われたのか?

 

 カーブした廊下の先、大きな扉を開くと、

 驚いたことに中は・・・体育館?

 

 なんだこれ?

 

 「この前来たプレイヤーが仲間を揃えて再びやってきた。

  出迎えに行ってやれ。

 

 

 この前?

 ということは再挑戦できるイベントってことか。

 この空間を見る限り、どうやらスポーツで勝負するみたい。

 なんか安心。

 殺し合いとか、マジバトルじゃないわけね。

 

 

 しかしここまで辿り着いたプレイヤーって誰だろう。

 『一坪の海岸線』はまだ誰も手に入れたことの無いカードのはず。

 

 クリアに近いプレイヤー、かなりの実力者に違いない。

 

 ・・・いやな顔がちらつく。

 光るインテリメガネ。

 

 

 う〜ん・・・思い出しただけで胃が痛い(;´ー`)

 

 

 廊下を歩く音が近づいてくる。

 大人数だ。

 

 誰だ?  どんなプレイヤー達がやってくる!?

 

 

 

 ガラガラ・・・

 

 

 !!

 

 

 扉を開け入ってきたプレイヤー達を見て、ビックリした。。。

 

 ヒソカ!!

 少年・・・ゴン!

 キルア!

 ゴンと一緒にいた少女!

 

 マジかよ。

 

 なんだよこれ。

 

 

 ・・・ヒソカの言葉を思い出す。

 

 運命。

 

 本当に因縁を感じる。

 

 

 さて! ゲームの説明をしよう!

 

 「いや、いいよ。

  ここにいる全員にルールは話してある。

  ツェズゲラ達も、いいよね?

 

 「ああ。かまわん。

  早速始めよう。

 

 ツェズゲラ?

 

 「ふふふ。大した自信だな。

  よし!

  では初めはボクシング対決だ!

  プレイヤーを一人選べ!

  

 あいつがツェズゲラ・・・

 ニッケスの組織で話題になっていた最もクリアに近いプレイヤー。

 ということは、お揃いの服を着ている3人はツェズゲラの仲間か。

 いよいよクリアに王手というわけだ。

 

 「よし。俺が行こう。

 

 ・・・。

 

 今からゲームが始まる。

 

 レイザーもその部下達も、全員がこの部屋に揃っている。

 

 

 

 チャンスだ。

 

 本当はゲームを見ていたいけどなぁ。。。

 でも、この要塞を調べるにはこれ以上のシチュエーションはない!

 

 扉は開いたままになってるし。

 脱け出すぞ。

 そーっと。

 そーっとね。

 

 

 

 

 

 

 よし。

 

 廊下に脱け出したぞ。

 

 

 

 

 レイザーは一坪の海岸線のイベントを担当している。

 だからこの要塞を拠点に行動しているはず。

 通常はこの要塞で過ごし、バグが出現したとき、空門(スカイゲート)で急行し対処する。

 俺の考えでは、この要塞にはレイザーのプライベートルームがあるはず!

 そこに何かしらG.Iの手掛かりがある!

 

 

 

 よし! 片っ端から調べてやる!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 おいおい。

 

 

 

 どこにあるんだよ。

 

 

 

 一通り調べたけど・・・

 

 部屋は約30。

 どうやら仲間達は共同で部屋を使ってる。

 寝室、キッチン、浴場、トイレ・・・

 そして鍵がかかっていて入れない部屋が3つ。

 恐らくそれのどれかがレイザーの部屋に違いない。

 

 

 扉を壊して開けるわけにもいかないしなぁ。

 

 流石の俺でもピッキングの技術はない!

 身に付けようと思ったことはあるけど、挫折したんだよね。

 

 

 

 「ったく、勝手なことしやがって!

 

 ドキィ(;´Д`)

 

 「自業自得だ。注意したのに。

 

 びっくりした。

 レイザーの仲間か。会場を脱け出してきたのか?

 

 ズリズリ・・

 

 なんか抱えて引きずってるぞ。

 

 なんだ?

 

 

 

 

 う!!

 

 

 あ、あ、頭の中が・・・からっぽだ。

 頭が割れてて・・・中に何も無い。

 死んでる。

 うぇぇ。

 

 こいつはレレレイザーの仲間の太いやつだよな。

 

 

 だだだ誰が殺したんだよ〜。

 

 スポーツじゃなかったのかよ〜。

 

 やベー(;´Д`)

 

 

 「確かにこいつはバカだった。殺されても仕方ない。

  でも・・・もう耐えられない!

  何とかしてここから脱出するしかない!

 

 「おい! バカなこと言うんじゃない!

  お前もボスに、・・レイザーに殺されるぞ!

 

 

 

 

 

 え!?

 

 

 

 

  next  ストーキング52「ルーラー」の巻 絶対見ろよな!ъ( ゚ー^)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ストーキング52

 

 

 ちょっと・・・

 あのデブの人、レイザーに殺されたのか!?

 何で? レイザーの部下だろ? 仲間だろ!?

 

 「そりゃやつに聞こえれば殺されるさ。

  でもこのままじゃ・・・死んでるも同じじゃないか!

  俺達が収容されていた刑務所の方がまだマシだ!

 

 刑務所?

 

 「バカか、何言ってるんだ!?

  ここにいれば逃げるチャンスだってある!

  それまでは辛抱だ!

 

 「バカはお前だ。

  俺達がこの島に来た時のことを覚えているか?

  ゲーム機の前で発を行い、次の瞬間にはこの島にワープした。

  わかるか?

  俺達はこの島がどこにあるかすらわからないんだぞ。

 

 「それはそうだが・・・。

  

  だからといって、お前はどうやって逃れる気だ?

  レイザーはこの島のどこへでも自由に移動ができるんだぞ!?

  追跡を振り切れるワケがない。

 

 「それは・・・

          」

 

 「ほらみろ。

  結局は従うしかないんだ。

  死刑囚の俺達には、もともと人権は・・・無い。

 

  さっさとこいつを片付けて戻るぞ。

 

 「・・・ああ。

 

 

 

 読めたぞ。

  

 こいつらは全員死刑囚。

 プロハンターは死刑囚を雇用できるということを聞いたことがある。

 かなり面倒な手続きと、雇用後の報告義務を負わなければならないとのことだけど・・・。

 

 つまりレイザーはプロハンター、そしてこいつらはゲームマスターではなくレイザーに雇用された死刑囚。

 恐らくデブのやつは命令に反することをやらかしたんだろうな。

 

 にしてもむごい。

 頭蓋骨割れてて脳みそ空っぽだもんな。

 おぇ。

 

 死体は布を被せて放置するみたい。

 多分イベントが終わってから埋葬するんだろう。

 

 

 

 よし。

 扉の鍵を壊して部屋に入るわけにもいかないし。

 この2人の後をつけて、イベントの体育館へ戻るか。

 

 

 

 

 

 

 ・・・イベントの間に近づくにつれて、周囲の雰囲気の異変に気付いた。

 

 

 重く震える空気。

 

 この感じは・・・レイザー。

 

 「スゴイな。

  ここまでボスを本気にさせるなんて・・・。

 

 「あぁ。

  だがボスを倒すことは不可能だ。

  あれは・・・化け物だ。

 

 

 

  

 

 

 

 

 ガラガラガラ

 

 

 

 ん? 

 

 これは・・・ドッジボール?

 

 あれ? レイザーの部下が増えてるな。

 さっきはいなかったぞ。

 ナンバーがふられてある。

 

 

 パチン!

 

 指を鳴らすレイザー。

 

 シュゥー・・・

 あ!?

 消えた!?

 いや、レイザーが吸収した!? 

 そうかレイザーが具現化していたんだ。

 

 

 

  ゴ ゴ ゴ

 

 

 

 ひぃいぃ(;´Д`)

 

 レイザーのオーラが!!!

 

 

 

 ボールを投げて・・・・・・スパイク!!

 打つ気だ!?

 ヒソカ達は? 

 えーーーーー!?? 合体して受ける気満々?

 ヤバイ!!

 死ぬ!!

 ヒソカはともかく少年達・・ゴンとキルアは絶対死ぬって!!

 

 

 逃げてーーーーーー!

 

 

 

 ドゴン!!

 

 

 

 

 ぎゃーーーーーーーーー ノ(;´Д`)ノ

 

 

 

 

 

 

 

 

   next  ストーキング53「ジン」の巻 絶対見ろよな!ъ( ゚ー^)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ストーキング53

 

 

 

 

 

 

 ゲーム終了

 

 勝者  ゴンチーム

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あ・・・

 

 

 見てたこっちが放心状態。

 

 

 

 え〜っと結論から言うと・・

 レイザーヤバ過ぎ。

 ゴン、キルア、強くなり過ぎ。

 ヨークシンの頃よりずっと強くなってる。

 ヒソカの言葉を思い出す。

 「真正面から物事に向き合い、壁にぶち当たると、それを壊せる力をつけ、

  乗り越える!!

  そして彼は強くなる。

  みるみる・・・育つ! 光を浴びて大きく育つ・・・南国の果実のように

 ハハ・・・こそこそ逃げてるだけの俺とは大違いだ。

 

 

 そしてこのイベントのクリア難度の高さに驚いた。

 死んでもおかしくない、こんなイカれたゲームに勝たないと手に入らないカード。

 「一坪の海岸線」・・・

 これがSSカードの入手難度か。

  

 でもよくよく考えるとレイザー1人でこれだけの念能力者を相手に戦っていたわけだよな。

 今までに俺が見た念能力者の誰よりも強く感じた。

 ヒソカより、爆弾魔より、クロロ=ルシルフルより・・・

 これが、、、ゲームマスターのレベルなんだ。

 

 

 尾行・・・見つかったら、即死亡。

 

 頭をかち割られて、即死亡・・・。

 

 

 (;´ - `)

 

 

 

 「負けたよ。

  約束通りオレ達は街を出て行く。

  

 

  その前に、

  ジンについて質問に答えよう。

 

 

 ああ、イベントの会話か。

 ジン?

 ゲームキャラ?

 

 「そっちで話そうか。

 

 ん? ゴンにだけ?

 グリードアイランドのイベントとは関係がないのか?

 

 

 

 

 よし。

 接近して盗み聞きだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「結論からいうと、ジンはここにはいない。

  どこにいるかもわからない。

 

 「そお・・・

  ま、だとは思ってたけど。」

 

 「ただ、昔話でよければ少し話そうか。

 

 

 「うん! ぜひ!!」

 

 

 

 「実はオレも死刑囚だ。

 

 !

 

 「ボポボと同じくらい人も殺めている。

 

 ボポボ?

 

 「ジンに捕まってム所に入り刑が確定し、

  ジンに雇われてここに来た。

  その過程で、

  世界中にたった1人、1人だけでも自分を信じてくれる人間がいれば救われる・・・と、

  ジンが教えてくれた。

 

 おいおい・・・どういうことだ。

 死刑囚・・・雇われた?

 

 「お前の親父はイカレてると思ったぜ。

  死刑囚を前に自分が作るゲームの話を何時間もガキみたいに夢中で話したかと思えば、

  その死刑囚を雇い自分の息子と戦わせるなんてな・・・

 

 親父? ゴンの? 自分が作るゲーム?

 え? えぇ!?

 

 「だが・・・うらやましかった。

  生まれて初めて自分の名前を呼んでもらえた気がしたよ。

  

  ジンがお前の力を信じ、オレにお前を任せてくれたように、

  オレもお前の力を信じた。

  だから全力で撃ったぜ?

 

 「うん。

  みんながいなかったら全然かなわなかったもん。」

 

 「ああ。

  いいチームワークだったな。

 

 

  ゴン、

  ジンに会えよ!

 

 「うん!!」

 

 

 色んな情報が一気に手に入って、

 うう・・・

 混乱する。

 でも・・・

 でも、これは凄い情報だぞ!!

 すごい成果だ!!

 

 

 

 

 

 その後、ゴン一行はイベントの灯台へ・・・

 そしてカードをゲット。

 

 2 一坪の海岸線 SS-3

 「海神の棲み家」と呼ばれる

 海底洞窟の入口

 この洞窟は入る度に姿を

 変え侵入者を迷わせる

 

 

 そのカード、まぶしいっす(;´ー`)

 

 

 

 ゴン達はヒソカとここで別れた。

 

 

 今回は多分、ヒソカは俺の存在に気付いてない。

 精神は高ぶってるけど、バトルで発散してる直後だからスッキリしてるはず。

 多分だけど。

 

 

 さて、俺もとりあえずここから離れるか。

 

 

 

 『他プレイヤーがあなたに対して交信(コンタクト)を使用しました。』

 

 ! ツェズゲラのブックが!!

 

 

 

 

 「久しぶりだな・・・

 

  誰かわかるか?

  

 

 

 

 イ、

 インテリメガネーーー!!(;´Д`)

 

 

 う、うわぁ〜。

 早い。

 どこかでこっちをチェックしてたのか。

 

 さてはこの近くにいるな。

 

 

 ん?

 

 あ!

 ヒソカ! 今はいないけど、このパーティーと一緒にいるところを爆弾魔に見られてる!

 クロロ=ルシルフルがツェズゲラやゴンに手助け?

 あ、あ、ありえね〜(;´ー`)

 

 俺が蜘蛛じゃないこと、バレたかな?

 

 やばい。

 

 

 

 爆弾魔はツェズゲラにカードの引渡しを要求。

 奪い取る気だ。

 

 きったねー。

 

 

 「ゲンスルー!!」

 

 あ。

 

 

 「・・・誰だ?

  

  お前。

 

 

 「ゴン=フリークスだ!!

  オレが相手になってやる!!」

 

 

 

 

 

 

 えええーーーーー!!(;´Д`)

 

 あ、あほやー。この子あほやーーー(;´Д`)

 

 

 

 

  

 

 

   next  ストーキング54「もう一人の生存者」の巻 絶対見ろよな!ъ( ゚ー^)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ストーキング54

 

 

 

 

 

 ゴン、話にならない。

 

 

 強いかもしれない、まだまだ潜在能力を秘めているかもしれない。

 でもあんな挑発でキレるようじゃダメだ。

 もし爆弾魔3人組みが攻めてきたら・・・

 ゴン自身は当然、負傷した仲間まで危険に巻き込むところだった。

 ツェズゲラの言うとおりだ。

 

 青すぎる。

 

 ここまで生きてこられたのも、周囲の仲間達のおかげだろうな。

 ・・・

 ・・いや、

 そういう仲間を集める不思議な魅力があるのかもしれない。

 それもゴンの強さ・・・素質かも。

 

 

 

 

 運良く爆弾魔は退いた。

 

 遠くからの目視では、ツェズゲラの負傷がどれほどのものかは見抜けなかったのだろう。

 絶好のチャンスだったのにね。

 

 そしてツェズゲラチーム、ゴンチームは協力関係を結ぶ。

 爆弾魔チームに抵抗するために。

 

 いよいよゲームも最終局面だ。

 クリアも近いな。

 

 

 ま、勝手にやってくれ。

 

 

 俺はあんたらとは別の手段でこのゲームを攻略する。

 

 

 

 

 

 

 消える男(サイレントキラー)を解除。

 

 

 ふーーーーーーーー。

 疲れたーーーーーーーー。

 

 

 やっぱし長時間消えるのはきついな。

 

 精度を保って消え続けるのは、これくらいの時間が精一杯だ。

 修行が足りない・・・か。

 

 

 

 さて、ルージュと落合うか。

 とりあえず交信(コンタクト)、

 

 えーーーっと、、、

 

 ルージュ、

 

 ルージュ、、、

 

 あ、

 

 黒い。

 

 

 なんだよ、まだ戻ってきてないのか。

 

 ったく。

 せっかくスゴイ情報を手に入れたのに。。。

 

 

 

 それにしても・・・

 改めて気付いた。

 俺のバインダーって真っ黒。

 全員、ニッケスの組織にいたプレイヤー達だ。

 

 あのクソ爆弾魔に殺された。

 

 恐ろしくて思い出したくもない。

 俺だって紙一重だった。

 ひとつ間違えば死んでいた。

 むしろ今生きてるのが不思議なくらいだ。

 

 

 

 

 

 ?

 

 

 あれ? 

 

 

 

 

 

 黒い画面に墓石のように並ぶ灰色の●と名前・・・。

 

 

 

 

 その中に・・・

 

 

 まるで光。

 

 真夜中の満月。

 

 

 

 

 その光を、

 

 

 命の火を灯すプレイヤー・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

      ●アベンガネ

 

 

 

 

 

 こいつの周りは全員真っ黒。

 時期的にはニッケスの組織で出会ったプレイヤーに間違いない。

 なんで?

 俺以外に生存者がいたのか?

 

 

 ・・・

 

 !

 

 そうか!

 

 わかったぞ!

 

 あの時の、

 俺に衝突(コリジョン)をくれた黒人のプレイヤーだ!

 うん、

 そうだ。間違いない!

 

 あの時の余裕は、やはり解除方法を知ってたからだ。

 しかも、俺みたいに命を賭けたギリギリの解除法じゃない。

 危険を冒さずに、しかし確実に解除できる方法を知ってたんだ。

 

 

 

 

 

 でも待てよ。

 

 

 

 

 俺が気付いたように、

 むこうだって俺が解除に成功し生き残ったことに気付いているってことだよな。

 

 俺が気付いたんだ。

 相手がまだ気付いてないってことはないな。

 だって俺、まともにプレイしてないし。

 バインダー出したのだって久しぶりだもん。

 

 

 

 

 じゃぁ、なんで交信(コンタクト)してこないんだろ。

 

 

 

 俺なら交信(コンタクト)する?

 

 

 ・・・。

 

 

 しないな(´ー`)

 

 

 ゲームの目的が違うし。

 仲間は見つけたし。

 

 

 

 

 ピンポーン

 『他プレイヤーがあなたに対して交信(コンタクト)を使用しました。』

 

 

 

 

 ビクゥ!!(;´Д`)

 

 

 

 「久しぶりだな。

  覚えているか? 組織の洞窟を一緒に脱け出したアベンガネという者だ。

  どうやって爆弾を解除したかは知らないが、

  大したものだ。

 

  とりあえずおめでとう。

 

 な、なんだよ、こいつ。

 なんつータイミング。

 尾行中に交信(コンタクト)されてたら死んでたな(;´ー`)

 

 

 「あ、どうも。

  あの時は衝突(コリジョン)くれてありがとう。

  でも人が悪いっすね。

  あんたは、あの時すでに解除方法を知ってたわけだ。」

 

 「どう思われようが俺はかまわないが、

  俺の解除方法は多人数同時に行うことが不可能だからな。

  ひとり組織から離れるしかなかった。

 

 「まぁ、いいですよ。

  俺だって似たようなもんだし。

  でも今さら交信(コンタクト)してきた理由は?」

 

 「たった今、誰も手に入れていなかった指定ポケットカード、一坪の海岸線を手に入れたプレイヤーがいる。

  ずっと待っていたが・・・遂に機は熟した。

 

 そういうことか・・・。

 だから今のタイミングで交信(コンタクト)か・・・。

 

 「今、俺はひとりで行動している。が、やはりここからは一人では無理だ。

  仲間にならないか?

  爆弾魔の念能力を攻略したことで君の実力は証明されている。

  それに君だって爆弾魔のゲームクリアを許せないはずだ。

  

 「だけど、

  一坪の海岸線を手に入れたのは爆弾魔チームじゃないよ。」

 

 「ふ、それは知っている。

  だが爆弾魔達が奪いに動くのは明白だろ?

  どうだ?

  あいつらを一泡吹かせてやらないか?

  もしクリアできた時は俺たち二人で報酬を山分けだ。

 

 ・・・。

 

 確かに爆弾魔がクリアするのは許せない。

 アベンガネがどんな方法で爆弾を解除したのかも気になる。

 ルージュはまだ帰ってこないし。

 会うだけ会ってみるか。

 

 「わかった。

  手を組む前に話をしたい。」

 

 「もちろんだ。

  俺は内陸のある町に潜伏している。

  今から会えるか? 食事をしながら話をしよう。

 

 「オッケー。

  じゃ、今からいくよ。」

 

 「来る時は俺に対して同行(アカンパニー)磁力(マグネティックフォース)は使うな。

  まずオールガスというプレイヤーの元へ飛んでくれ。

  この街で農業をして暮らしているゲームクリアをあきらめたプレイヤーだ。危害はない。

  その後、街の中心にある青空食堂へ来てくれ。

 

 やけに慎重だな。

 

 「すまんな。

  今はあらゆる危険を排除しておきたい。

  周囲の人間に自分がプレイヤーだと知られたくないんだ。

 

 

 「わかった。」

 

 

 こっちも慎重に動こう。

 

 もし・・・これが罠だった場合を考えて。

 

 

 

 

 いくぞ。

 

 「磁力(マグネティックフォース) オン!! オールガス!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   next  ストーキング55「交渉人・1 アベンガネの提案」の巻 絶対見ろよな!ъ( ゚ー^)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

ストーキング55

 

  

 

 

 街の中心の広場に青空食堂はあった。

 

 

 店の建物は小さく、そのほとんどが厨房として使われている。

 厨房を覗けるカウンター席が約10。

 ビニールシートの簡易屋根がついたテーブル席が約10。

 屋根無しの長テーブルの席が約20。

 

 昼時だからかなり賑わっている。

 

 

 でもアベンガネの姿は見当たらない。

 

 早く着きすぎたかな。

 

 

 「ルルーペ。

  こっちだ。

 

 ん?

 

 振り返ると野外のテーブル席に大きな衣服を頭から被った人がこちらを見ていた。

 

 「アベンガネ?」

 

 「・・・ああ。

  何か頼んで、俺の背後のテーブルに座ってくれ。

 

 俺はカレーに似た煮込み料理を頼んで、

 言われるとおり、アベンガネに背を向けて座った。

 

 「慎重なんですね。

  どうしてここまで気を使ってるんです?」

 

 「一度殺されかけたからな。

  それに・・・

  今、悪意を持ったプレイヤーに遭遇したら終わりだ。

  まともに戦える状態じゃない。

 

 

 「負傷したの!?」

  

 

 「いや、俺の爆弾解除方法の代償でね。

  ちょっと厄介なモノをしょい込んでる。

 

 

 俺の背後から盛んに衣擦れの音が聞こえる。

 何か・・・蠢いている。

 

 人の、出す音じゃない。

 

 

 鳥肌が・・・(((´Д`))

 

 

 「なるほど・・・解除するのにリスクはないけど、解除後にリスクを負ってしまう・・・、

  そういう方法なんですね。」

 

 「ああ。

  

  俺は、除念師だ。

 

 「ジョネンシ?」

 

 

 「なんだ、知らないのか?

  他人がかけた念能力を解除する念能力を持つ者だ。

  その能力を使って、命の音(カウントダウン)を解除した。

  そしてその後のリスクとして、厄介な念獣につきまとわれてる。

 

 

 知らなかった。

 そんな念能力を持つ人達がいるんだ。

 ・・・知ってればまずそっちの線を当たったかもしれない。

 

 「さぁ、俺は話したぞ。

  

  君はどんな能力を使って生き延びた?

 

 

 「えーーーっと、

  まず・・・

 

 

 俺は爆弾解除の方法を話した。

 

 マスターがヒントをくれたことは喋らなかった。

 だけどすべて本当のことを話した。

 

 ・・・あ、

 少し嘘もついた。

 

 ヒソカに会った事は喋らなかった。

 爆弾魔が同行(アカンパニー)を使って追ってきたが、

 その度に消える男(サイレントキラー)を使って逃げ延びたことにした。

 当初の俺の計画だ。

 

 相手も自分の念能力について話したんだ。

 俺も自分の念能力を教えないとフェアじゃない。

 

 

 「なるほどな。

  リスクはハンパじゃないが・・・これしかないってほどの解除法だ。

  あの状況でよく思いついたな。

  本当に大したもんだ。

 

 

 「で?

  これからどうするの?

  爆弾魔をハメる方法を考えてるみたいだけど。」

 

 

 「やつらの心理を逆手に取る。

  

  爆弾魔達はあの組織の人間が全員死んだと思っている、

 「そうかな?

 

  あそこまで長年計画を練っていたやつだ。

  組織員の死亡はバインダーで必ずチェックしたはず。

  あいつらはあんたの生存に気付いているよ。」

 

 「ふ。そのとおりだ。

 

 「?」

 

 「最後まで話を聞け。

  爆弾魔達はあの組織の人間が全員死んだと思っていた。だが、気付いた。

  やつらは俺が生き残ったことを知っている。

  そして俺が逃げてないことも知っている。

  

  ゲンスルーは考えている。

 

  『なんでアベンガネはまだゲームの中にいる?

 

  やつは俺のバインダーをチェックしたはず。

  その結果はゲンスルーの予想通り。

 

  クズカードばかり。

 

  『ゲームから逃げ出したいが、ひとりでは脱出することもできないクズか。

  そう考える。

  今はゲームの最終局面。

  ゲームクリアをあきらめたであろうプレイヤーの俺は放置される。

  実際、今まで向こうからアクションはない。

 

 「ふーん。

  まぁ、そうだね。

  今はコンプリートすることが最優先だからね。

  でもいつか必ず確認に来るはずだよ。

  自分の念能力のどこに穴があったか知りたいはず。」

 

 「そうだな。

  だが、

  その『いつか』をこちらでコントロールできるとしたら?

 

 「?」

 

 「爆弾魔達は、ライバル達のバインダーをチェックする際に、ついでに俺のバインダーもチェックしているはず。

  何か変化がないか・・・念のため。

  そういうやつらだ。

  

  今はまだ俺のバインダーはクズカードばかり。

  

  だが、あるカードを俺のバインダーに加えることによって、

  爆弾魔達は動き出す。

 

 

 「あるカード・・・?

  

 

  そうか! わかった!

 

  離脱(リーブ)か!」

 

 

 「そのとおり。

 

  ゲンスルー達は俺のバインダーの中に離脱(リーブ)を確認する。

  そして確信するんだ。

  

  『逃げれるのに逃げない。

   アベンガネはゲームクリアを諦めていない。何かをやろうとしている。

 

  これで俺は爆弾魔にとって至急排除すべき危険因子となる。

  爆弾の解除方法を知っていてゲームクリアを狙っているわけだからな。

 

 

 「そうなれば、すぐにでも爆弾魔達はあんたを殺しにくるだろうね。

  相手に用意する時間を与える前に潰したいはずだから。

  でも、奴ら3人相手に勝てるとは思えない。」

 

 

 「3人じゃない。

  多くて2人だ。

 

  君が爆弾魔なら、離脱(リーブ)を持っているプレイヤーをどう追い詰める?

 

 

 「・・・。

 

 

 

 

  そっか!

   

 

  あんたの元へやってくる爆弾魔は1人もしくは2人。

  追い込まれたあんたは離脱(リーブ)でゲームから脱出。

  脱出先のゲーム機はバッテラの古城。

  あんたがバッテラの依頼を受けたプレイヤーだということをゲンスルーは知っているからね。

  そこで待ち受けるのが残りの爆弾魔。」

 

 

 

 「そういうことだ。

  

  だが、奴らの行動はさらに詳しく推測できる。

  

  

  ゲーム内で俺の元にやってくる爆弾魔は恐らく貴重なカードは持ってない。

  罠を警戒するからな。

  

  ということは、ゲーム外で待ち受けるプレイヤーが重要カードの保有者だ。

 

 

 「ゲンスルーだね。」

 

 

 「あぁ。

  現に今はゲンスルーのバインダーに指定ポケットカードが集中している。

  しかも命の音(カウントダウン)の『本体』を担うゲンスルーは、『備品』の2人より戦闘力が高いはず。

  だから恐らく、ゲーム内で俺を追い込むのは備品の2人。

  罠も警戒するだろうから、1人で来ることはないだろう。

 

  それに今やつらはライバルプレイヤーを追い詰めるために同行(アカンパニー)を集めまくっている。

  その他、持っておきたい魔法カードも多い。

  ゲーム外に出ると、指定ポケットカード以外は消えてしまうからな。

  バインダー容量から考えても、ゲーム外に出るのは1人だ。

  間違いない。

 

  

 「なるほど。

  貴重カード保有のゲンスルーをたった1人にすることができる。

  

  ということはあんたも裏ルールを知ってるんだね?」

 

 「裏ルール?

  もしかして、『ゲーム外では指輪のデータが消えない』ってことか?

  

  それくらい少し考えればわかる。

 

 

 (´ー`)

 ・・・なんかムカツク。

 

 

 

 「でも仲間がいるね。

  強力な戦闘力を持つ仲間が。」

 

 

 「あぁ。

 

  本当はゲームクリアに関係のない実力者がいればいいんだが、

  そんな都合のいいプレイヤーはいない。

 

 ・・・いるんだけどね。

 ホントは。

 

 「だから俺はツェズゲラチームに協力を依頼するつもりだ。

  報酬の山分けを前提にな。

  先程君には2人で山分けと言ったが、まぁ5、6分割でもいいだろ?

  それでも売ってあまる程の金だ。

 

 「つまり、計画をまとめるとこういうこと?

 

  ツェズゲラ達を仲間にする。

  俺の離脱(リーブ)を渡し、アベンガネのバインダーに入れる。

  しばらく待つ。

  爆弾魔達はそれに気付く。

  備品の爆弾魔2人がアベンガネの元に。

  アベンガネが離脱(リーブ)、と同時にそれを別の場所で確認した俺やツェズゲラ達が一斉に離脱(リーブ)

  ひとりで古城で待ち受けるゲンスルーをみんなで一気に叩く。

  備品の2人は魔法カードを溜めこんでるから動けない。

  ゲンスルーの指輪を奪い取る。

  そこからは・・・

 

  備品の2人が罠に気付く。バインダーを見てツェズゲラチームがゲーム外に出てることを知るから。

  でも備品の2人は動けない。

  1人でゲーム外に出れば、ゲンスルーと同じ運命。

  2人でゲーム外に出れば、魔法カードをすべて失う。

  でももし2人が同時に出てきたら・・・・・俺達は・・・どうする?

  ・・・! ゲームに戻る!

  そしてスタート地点で待ち伏せ。

  1人目がスタート地点から出てきたら、そいつをみんなでタコ殴り。2人目も同じ!」

 

 「概ねそのとおりだ。

  補足すると、ゲンスルーを叩く際に負傷した仲間は、

  ゲンスルーが保有していた大天使の息吹ですぐに回復できる。

  そういう保険があると、心理的にこちらも動きやすい。

 

 

 ・・・、

 

 こいつ、

 

 

 一体何者だ?

 

 

 普通の人間とは発想が違う。

 魔法カードのメリットを最大限自分達に、魔法カード保有のデメリットを最大限爆弾魔達に。

 ゲンスルーを仲間から孤立させ、魔法カードの使えない密室で1対複数の状況を作り出す手段を考え出した。

 しかも、それに必要なアクションは『自分のバインダーに離脱(リーブ)を入れる』、それだけ。

 後は爆弾魔達が自から勝手に動き出す・・・

 アベンガネが引いた破滅に続くレールの上を・・・。

 

 

 アベンガネは除念という念能力を駆使して生き延びた。

 

 だけど、もし、

 もし彼が除念師ではなかったとして、

 それでもアベンガネは命の音(カウントダウン)を解除する方法を見つけ出せたのではないだろうか。

 

 俺みたいに泥臭い方法じゃなく、

 人の心理を逆手に取る・・・華麗で芸術的な方法を。

 

 

 初めてだ、人の話を聴いてここまで鳥肌がたったのは。

 

 

 「どうだ? 

  

  改めて君に問う。

  俺と手を組まないか?

 

 

 「・・・

 

  ひとつ気になったんだけど。

  なんで俺なの? 

  俺、ぶっちゃけ弱いよ。」

 

 「でも仲間獲得の交渉はできるだろ。

  俺だけだと爆弾魔の念能力を解除した生残りだと信じてくれないかもしれない。

  今はこんなナリだしな。

  君は交渉の能力にも長けている。そんな気がする。

  買いかぶりすぎか?

 

  だが、本当はそんなことが理由じゃない。

  ある種・・・戦友のような感情を・・・君に対して持っているのかもしれない。

 

 「戦友・・・か。

  

 

  よし。

 

  協力するよ。

  やってみよう、その計画!」

 

 

 「話が盛り上がっているところ、悪いけど・・・

  

  ちょっといいかな

 

 

 ん?

 

 こ、

 

 こ、

 

 こ、

 

 こ、こここっこここの声は!?

  

 

 

 

 

 

 ヒソカ!?(;´Д`)

  

 

 「そこの君、振り向くな

  蜘蛛が見てる。

 

 

 

 え、えええええええええええええええええええ〜〜〜〜〜〜〜(;´Д`)

  

 

 

  

 

 

 

   next  ストーキング56「交渉人・2 ヒソカの提案」の巻 絶対見ろよな!ъ( ゚ー^)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ストーキング56

 

 

 

 

 「・・・ちょ、ちょっと、なんでここに? どど、どういうことなんですか。

  『蜘蛛が見てる』って(;´Д`)」

 

 

 「遠くから双眼鏡で、角度はボクの背後からだ

 

 

 「誰だ、あんた?

 

  ルルーペ、知り合いか?

 

 「ちょっと・・・だけ。

  腐れ縁です。」

  

 「せっかく再会できたのに随分だね

 

 「ひぃ(;´Д`)、すみません。」

 

 

 「それで・・・、何の用だ?

 

 「ボクの名前はヒソカ。

  単刀直入に言うと、

 

  幻影旅団の交渉人として、あんたをスカウトしに来た

 

 「幻影旅団?

  ・・・『蜘蛛が見てる』っていうのは・・・、

  旅団員がこっちを見てるってことか?

 

 「まぁ、その通り

 

 「ね、ねぇ。ちょっといい?

  その中に団長とフランクリンはいる?」

 

 「

  いいや、マチとノブナガだけ。

  ・・・。

  団長とフランクリンは君の存在に気付いているのか?

 

 「・・・そう(;´ー`)

  一回捕まって。。。」

  

 「捕まった? よく生きてたな。

 

 「その話は後にしよう。

  今はあんたと話がしたい

 

 

 「スカウト・・の件か?

 

 「そう

  蜘蛛はボクの背後数キロから双眼鏡でこちらを見ている。

  この角度ではボクの口元もルルーペの口元も見えない。

  あんたはその服を着てるから、口元は見えない。

  だから3人で会話をしてもバレない

  君達2人は仲間だろ?

  全員が納得できる交渉をしよう。

 

 

 「なんか・・・やり方が蜘蛛らしくないっすね。」

 

 

 「今回、ボクは交渉人としてここに来た。

  依頼人は団長クロロ=ルシルフル。

  だから今回は他の旅団員は、ボクを監視することくらいしかできない

 

 「? 依頼? 命令じゃなくて?」

 

 「実はボクはもう幻影旅団員じゃない。

  本当は最初からフリをしてただけなんだけどね

 

 「フリ? なんで?」

 

 「話すと長い。本題に戻そう。

  幻影旅団には人探しに長けた念能力を持つ者がいる。

  その念能力を駆使してあんたを見つけ出した。

  え〜〜っと・・・

 

 「アベンガネだ。

 

  だが、何故俺なんだ?

 

 

 「あんた、除念師だろう?

  

 「!」

 

 「? 

  ・・・そうか除念師を探していて私に辿り着いたというわけか。

 

 「そう。

  除念はかなりレアな念能力だからね。

  探すのは一苦労

 

 

 「やるやらないは別にして、依頼内容を聞いておこう。

  

  何を除念するんだ?

  

 

 「団長、クロロ=ルシルフルにかけられた念を消してほしい

 

 「クロロにかけられた念?

  鎖使い? うまくやったの?」

 

 「ああ。

  ま、ボクとしては踏んだり蹴ったりなんだけどね。

 

 「・・・。

  グリードアイランドを出て、クロロ=ルシルフルなる人物を除念しろと?

  断れば?

  数キロ先から監視している旅団員がやってきて、有無を言わさず拉致るつもりか?

 

 「ボクが交渉人でいる限り、そんなことはさせない

  あんたの意思で契約してくれればいい。

 

 「

  悪いが、

  俺はまだグリードアイランドでやらねばならないことがある。

 

 「さっきの爆弾魔の話かい?

 

 「・・・あぁ。

  ケリをつけなければならない。

 

 「・・・。

 

  じゃぁ・・・500億以上の報酬を用意しよう。

 

  そして爆弾魔は幻影旅団が抹殺する

 

 「

 

  信じられないな。

  500億の資産を旅団が持っているとは思えない。

 

 「いや、持ってるよ。」

 

 「

 

 「俺はグリードアイランドに来る前、ヨークシンで幻影旅団を尾行していた。

  そこで見たのは、蜘蛛の華麗な犯罪。

  蜘蛛はヨークシンの地下競売のすべての宝と、すべての金を手に入れた。

  でも強奪じゃない。

  騙し盗ったんだ。500億なんて軽く超えてる。」

 

 「・・・ルルーペ、君はいったい・・・

 

 「俺、ある組織の調査員なんだ。

  本当はグリードアイランドへもそのために来た。」

 

 「そう。

  そして彼はグリードアイランドの秘密に気付いた。

  今となっては、目的はゲームクリアじゃないんだ

  だろ?

 

 「・・・まぁ。

  だから、アベンガネも俺に気を使わないで自分で判断してもらっていいよ。」

 

 「・・・最初から気は使ってないが。

 

 

 

 

  わかった。

 

  交渉成立だ。

  自分の策で爆弾魔を始末したいという思いはあるが、

  どう考えても依頼を受ける方がメリットが大きい。

 

 「どうも

 

  じゃぁ早速爆弾魔を始末しなきゃね。

  そいつらの情報をくれないか?

 

 「今、爆弾魔達はゲームクリアの詰めに入っている。

  そのため同行(アカンパニー)を大量取得している。

  幻影旅団がどれほどの戦闘力を持っているのかは知らないが、

  グリードアイランド内で爆弾魔を追い込むことは困難だ。

  すぐに逃げられるぞ。

 

 「へー。

  それは困ったね

  

 

 

 !?

 

 

 そうか!

  

 アベンガネ・・・・・なんて奴だ!!

  

 

 明らかにヒソカを誘導している

 

 さっきのアベンガネの計画を、幻影旅団を実行部隊にしてやらせる気だ。

 ツェズゲラ達を仲間にする必要がないから、

 ゲームクリアの報酬500億、そして指定ポケットカード3枚はアベンガネのもの。

 さらに除念の報酬として500億。

  

 ん、

 まてよ、

 幻影旅団に追われる身の俺は・・・

 アベンガネの計画に参加できないじゃん!(´Д`)

 

  

 「ところで、

  爆弾魔は、誰を追い詰めるために同行(アカンパニー)を集めてるんだい?

 

 「ツェズゲラチームだ。

  その他にゴンチームも一坪の海岸線を持ってるが、そちらは贋作だろう。

 

 「 

  

  もし、

  ツェズゲラの持ってる方が贋作なら?

 

 「次はゴンを狙いに行くだけだろうな。

   

 

 

 「・・・おもしろい。

 

 「

  何か言ったか?

 

 

 「いや、何も

  

 

 

 

 

 

    next  ストーキング57「交渉人・3 成立」の巻 絶対見ろよな!ъ( ゚ー^)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ストーキング57

 

 

 ゴンの名前が出たとき、

 一瞬ヒソカのオーラが緩んだ。

 

 俺はアベンガネの背後のカウンターに座っているから、

 ヒソカの表情は見えない。

 

 でも、

 今、ヒソカは薄気味悪く、ニタリと笑っている。

 

 間違いない。

 

 

 ヒソカは一坪の海岸線のイベントに参加した。

 ツェズゲラの性格も知っている。

 だからゴンチームが本物の一坪の海岸線を持っていることも容易に予想できるはず。

 

 

 ヒソカはこう考える。

 

 いずれ爆弾魔は本物の一坪の海岸線を持っているゴンチームを襲撃する。

 近いうちに。

 何故ならツェズゲラは負傷している。戦闘では爆弾魔に勝てない。

 一坪の海岸線を奪われれば贋作だとばれる。奪われる前にゲームクリアを諦めるかもしれない。

 どちらにしても爆弾魔の標的はゴンチームになる。

 ゴンチームも爆弾魔に狙われることは、承知している。

 だから今から策をねり、力をつけているはず。

 爆弾魔の襲撃を見越して。

 そしてゴンがそれを乗り越えたとき・・・

 また育つ。

 青い果実が・・・みるみる熟す。

 

 

 

 「いい案がある。

  さっきルルーペと話していた爆弾魔の攻略法だ。

  

  まず、俺のバインダーに

 

 「いや

 

  待とう。

 

  爆弾魔が標的を追い詰めて、同行(アカンパニー)を使い切り、

  負傷し、体力を消耗したところを狙う。

  これ以上合理的な方法はない

  

  違うかい?

 

 

 「うーん。確かに。

  幻影旅団が動いてくれる今となっては、それが一番かな。」

 

 「・・・。

 

 「でもあんたは自分の練った計画で爆弾魔を倒したい

 

 「そのとおりだ。

 

 「もしかしたらゲームクリアまで狙ってるとか?

 

 「・・・だとしたら?

 

 「やめた方がいい

  

  幻影旅団は盗賊だ。他人に用意されたゲームをクリアして宝を得るような連中じゃない。

  宝は盗る。それが彼らのポリシーだ

  クロロを除念するまでは彼らのルールに従うべきだ。

 

 「勘違いしてないか?

  俺は客、協力者だぜ?

 

 「だが君は頭がいいからわかってるはずだ

  どう立ち回れば上手く回るか。

  

  感情に押されて判断を間違えるような人には見えないけど

 

 「煽てたつもりか?

  バカにされてるようにしか聞こえないが?

 

 「ま、

  君がそう思うならそれで結構

 

 

 

 ・・ピリピリピリピリピリピリピリ

 

 

 

 おいおい、この人達、大丈夫かよ〜(;´Д`)

 

 

 

 「フ!

  

  

  わかった!

  俺の負けだ。

  クリア報酬はあきらめよう。

  

  だが、除念料は500億以上を確約してくれ。

 

 

 「もちろん

  

  じゃ、そういうことだ。ルルーペ。

  アベンガネはボクと一緒に行く。

 

  君はこれからどうする?

 

 「俺?

 

  また戻るよ。

  まだ全然あきらめてないしね。」

 

 

 「そうだ、聞きたかったんだ。

  ゲームクリアじゃないなら君の目的は何だ?

 

 「指定ポケットアイテム4種以上の持ち出し。」

 

 

 「バカな。

  そんなことが可能なのか?

  ・・いや。

  そうか。確かに・・・コピー元が存在するとすれば・・・

  だが・・・

 

 「ゲームマスターを敵に回すことになる

 

 「レイザ−でしょ。

  俺も見たよ。

  ハンパじゃなかった。」

 

 「

 

  うーん。気付かなかったね。

  一坪の海岸線のイベント、見てたのかい?

 

 「途中からだけどね。

  具現化した仲間を吸収したところから見てた。」

 

 「ゲームマスターとの対決が一坪の海岸線のイベントか。

  さすがSSレベルのカードだな。

 

 「恐ろしかった。

  あんなオーラを持った能力者を見たのは初めてだった。」

 

 「でもあれはまだ全力じゃないよ

 

 「え?」

 

 「髭の人、、、ツェズゲラ、だっけ?

  あの時点で、そこまで深く読んでいたかどうかは疑問だが、

  実に面白い、的を射た発言をした

 

 「?」

 

 「彼の念能力、

  『14人の悪魔』

 

  いいかい

  レイザーとは絶対に戦うな。

 

 「そんなにヤバイの?(;´Д`)」

 

 「クックック

  いつか彼とも手合わせ願いたいなぁ。

  今度はスポーツではなく殺し合いでね

 

  クックック

 

 

 「・・・険しい道だな。

  ガンバレよ。ルルーペ。

 

 「じゃ、

  そろそろ行こうか。

  

  また会えるといいね

 

 

 「・・・そうですね。」

 

 

 

 アベンガネとヒソカは一緒に歩き出した。

 

 

 なんか自信なくなったなぁ。

 ヒソカがあれほど評価するレイザーの実力。 

 

 はぁ。

 

 

 

 そして除念師アベンガネ。

 

 天才的頭脳の持ち主にして、

 ゲームクリアに最も近かった男。

 

 

 いや、

 彼の目的は金だったから、彼の中ではゲームクリアも同然か。

 

 

 グリードアイランド、誰がクリアするのかまだわからないけど、

 裏でアベンガネがここまで詰めていたことを知るのは俺とヒソカのみ。

 これからも知られることはないだろうな。

 なんか残念な気もする。

 

 

 そういや、俺のこと戦友って言ってくれたっけ。

 ちょっと嬉しかった。

 

 また逢える日が来るだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 よし!

 

 心機一転!!

 

 指定ポケット4枚ゲット目指して!!

 

 ファイトーーー!!<(`Д´)/

 

 

 

 

 

  

  

 

 

  

 

 

 

       

第9章 「交渉人」

 

 

 

 

 

 

 ついに表ではゲームクリアへ。

 だがルルーペのゲームはまだ続く。

 オリジナルアイテムはどこにある

 ゲームマスターから逃げ切れるのか!?

 次回! 第10章「宝物庫」 スタート!!

    next  ストーキング58「狙うは、そこ!」の巻 絶対見ろよな!ъ( ゚ー^)

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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