ストーキング44

  

  

 

 

 

 

 ・・・マジかよ。

  

 

 

 

 

 

 

 

 なんで・・・

 

 

 

 

 

 

 なんで、この女が。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヴェーゼ!!

 

 

 なぜ!?

 なんでここに! グリードアイランドにいる!!?

 

 

 「どうした? ルルーペ。

  ハハハ。

  そう硬くならなくてもいいぞ。

 

 ・・・。

 あんたは知らないだけだ。

 

 「え、あ、ああ。

  ゴメン。」

 

 この女の正体を。

 

 

 

 「では、

  とりあえず紹介しよう。

  彼はルルーペ。

  君と同じように3アイテム以上の持出しが目的のプレイヤーだ。

 

 こちらを冷めた瞳で見つめるヴェーゼ。

 

 「ど、どうもはじめまして。」

 

 

 「ハハハ、急にしおらしくなったな。

  女性は苦手か?

  

  彼女の名前はルージュ

  情報収集が得意な仲間を探している。

 

 真っ黒なブーツに迷彩柄のパンツ、真っ白なTシャツ。

 ミリタリーな服装だけど、髪型はおさげ。

  

 

 

 ぬぅ。

 

 

 つ、ツボだ。(;´ー`)

 

 

 「・・・若いわね。

  

  ジェイ。

  ほんとに使えるの? この子。

 

 冷ややかな視線。

 

 「あぁ、それは大丈夫だ。

  私が保証する。

  

  何なら見てみるか。ルルーペの能力。

 

 な、なんだよ。

 変な振りやめろよ〜。

 

 

 「け、結構です。

  もういいです。」

 

 「どうした?

 

  あぁ、そうか。

  さっきの騙しの直後だから警戒してるんだな。

 

  大丈夫、今度は罠じゃない。

 

 

 「そういうことじゃなくて!

  俺にも選ぶ権利があるってことです!

  

  特に、、、特に理由はないんですけど・・

  気が変わりました。

  今回の話は無かったことにしてください。」

 

 「おいおい。

  ルルーペ、ちょっと待ちなさい。

 

 「いいんじゃないの。

  私も今回の話はパスするわ。

 

 この女は危険人物だ。

 もう一匹の蜘蛛。

 近づいてはいけない。

 わざわざ巣にかかるバカがどこにいるってんだ!

 

 

 「じゃ、

  ジェイトサリさん。いろいろありがとう。

  それとヴェーゼさん、あまり喋れなかったけど、さようなら。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ん?

 

   

 なに?

 

 

 なんだよぅ? 

 

 

 

 

 

 

 あ!!(((((;´Д`))))

 

 

 

 

 

 あ、あはぁ!!!

 

 

 

 「ヴェーゼ

  誰のことだ? 彼女はルージュだぞ。

 

 

 

 ぐ、

 

 

 

 「・・・なぜ、その名前を知っている?

 

 

 う・・・

 なんて鋭い視線!!

 

 

 刺すような殺気。

 

 

 

 「どうした?

  おい! ルージュ!

 

 

 くそ・・・

 

 くそ!

 

 

 「・・・ジェイトサリ。

  その女から離れろ。」

 

 「? どういう意味だ。

 

 

 「その女は蜘蛛。

  幻影旅団だ!

 

 

 

 

   

 

  next  ストーキング45「真意」の巻 絶対見ろよな!ъ( ゚ー^)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ストーキング45

 

 

 

 「なんだと?

  幻影旅団!? ルージュが?

 

 

 「厳密には団員じゃない。

  幻影旅団の協力者だ。

  全員が実行部隊である蜘蛛と別行動をとるもう一匹の蜘蛛。

  ヨークシンでは、その女はマフィアの組織に潜入し、

  幻影旅団に情報を提供し、蜘蛛の道しるべとなった。

  その時に名乗っていた名前がヴェーゼだ。」

 

 

 ヴェーゼは何も喋らない。

 

 

 「しかし・・・信じられん。

 

 

 「・・・ちょっと待てよ。

 

  そうか。

  今回も幻影旅団に先行して動いているのか・・・。

 

  前回は相手がマフィア・・・難なく情報は手に入ったはず。

  ところが今回の相手はG.Iの製作者、ゲームマスターだ。レベルが違う。

  だから情報収集に長けた仲間を探していたのか。

 

  とすると・・・

  旅団のグリードアイランドでの目的は・・・

 

  ヨークシンと同じか?

 

  宝すべてを盗み出す気だな。

 

 

 「・・・信じたくはないがすべて辻褄が合ってしまうな。

  事実、幻影旅団がグリードアイランドに入ってきている。

 

 ヴェーゼの表情がピクリと動いた。

 

 「ジェイ・・・それは本当か?

 

 「本当だよ。

  俺はマサドラでヒソカと遭遇した。

  ヒソカはマサドラで人を待っている。

  待ち人は幻影旅団だ。

  間違いない。」

 

 「ヒソカ・・・

  個別行動をとっていてもおかしくないね。

 

 「やはり、本当なのか。

  幻影旅団の協力者。もう一匹の蜘蛛。

 

 「ふふふ、

  隠しても意味ないから。

  そう・・・私は幻影旅団の協力者。

  といっても私の存在を知るのは団長クロロ=ルシルフルだけ。

 

 俺が尾行して探った情報と一致する。

 嘘は言ってない。

 

 「でも今回は幻影旅団の行動とは無関係。

  私は私の目的で動いている。

  別に信じたくなければ信じなくてもいいわ。

  ただ・・・

  私の邪魔をするなら・・・

 

 ひぃ(;´Д`)

 

 「そうだな。

  私は信じよう。

 

 !

 おいおい。

 

 「私はこれまで色々な人間と逢い、人を見る目は養ってきた。

  ルージュは損得を超えた信念を持つ者だ。

  ははは、根拠は何も無いがな。

  年の功、いわゆる勘だ。

 

 「・・・別に信じてもらわなくてもいい。

 

 

 

 

 「ルルーペ、どうだ。

  ルージュを手伝ってやってくれないか?

 

 「・・・マジで言ってます?」

 

 「確かに・・・

  どうやって探ったかは知らないけど、

  私に、幻影旅団員達に気付かれずに情報を収集するその能力・・・使えるわね。

 

 

  私の協力者にならない?

 

  見たところ・・・あんた弱いでしょ。

  情報収集してくれれば私が守ってあげるわよ。

  ふふふ。

 

 

 

 ・・・。

 

 これからはゲームマスターが敵になる。

 強い仲間がいれば心強い。

 ヴェーゼは、ルージュは強い。

 不意打ちとはいえ、団員であるシズクを一撃で気絶させた。

 

 それに、もしグリードアイランド内でクロロ=ルシルフルと遭遇した場合も助けてくれるかもしれない。

 

 俺としても彼女と組むのは悪い話じゃない。

 

 

 「どうだ? ルルーペ。

 

 「そうっすね。

  僕にとってもメリットの方が大きい。

  

  何より彼女が嘘をついてない事は、実は初めからわかってたし。」

 

 「

 

 

 「やっと自由に動けるわ。

  あとはあたしの好きなようにやらせてもらうわよ、クロロ・・・。

  だったっけ?」

  

 

 

 

 「ふふふ、

  気に入ったわ。

 

 

 「契約成立!

  よろしく、ルージュ。」

 

 

  

  

 

  next  ストーキング46「情報交換」の巻 絶対見ろよな!ъ( ゚ー^)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ストーキング47

 

 

 

 

 「では、また会おう。

 

 

 「え?

  もう行くの?」

 

 「用は済んだしな。

  私は一人で行動する。

 

 

 「ちょっと待ちなよ。

  あんたが掴んだ情報、わたしに置いてってよ。

 

 

 「ははは、

  自己中心的な態度もそこまで露骨だと、気分がいい。

 

  いいぞ。

  わたしの得た情報を教えてやる。

  だが、

 

  交換だ。

 

  君だって凄腕の情報ハンターだろう。

  私の知らない情報を持っている可能性は高い。

 

 

 

 「いいわよ。ま、全部あんたが知ってる情報かもしれないけどね。

 

 

  

 「あの・・・俺は・・・?」

 

 

 「あんたは別にいいよ。タダで。

 

 「ああ、君からはすでに情報をもらった。

  幻影旅団がこの世界に入っている。

  これは私にとってもルージュにとっても価値ある情報だ。

 

 

 

 「・・・そうっすか。

  じゃ! お言葉に甘えて聞いてます。」

 

 

 「では、まず・・・

  これはルルーペも気付いたことだが、

  グリードアイランドは現実世界に存在する。

 

 

 「それくらい、気付いてもらわなきゃ困るわ。

 

 「・・・(;´-`)」

 

 

 「・・・その事実から、わかることがある。

 

  製作者たちはとてつもない権力を持っている。

 

  当初はどこかの国が絡んでいるのだと思っていた。

  だが違った。

  ここで行われているのは、ゲームそのもの。

  特別な研究や実験が行われているわけではない。

  機密情報があるのなら、国外の人間をプレイヤーとして迎え入れる訳がない。

 

 「ちょっと待って。

  人間の行動パターンを研究しているとは考えられない?

  ゲームという特殊な状況化での集団心理のデータを取ってるとか。」

 

 「あんたバカね。

  そんなもん何に利用すんのよ。

  だいたいゲームのシステム自体手が込みすぎだし、

  国外の人間をサンプルにしていることが明るみになったら世界を敵に回すことになる。

  そんなことするわけ無いでしょ。

 

 「・・・。

  わかってるよぉ。

  ちょっと言ってみただけだよぉ。」

 

 「まぁまぁ。。。

 

  私の依頼主の機関が、すでにグリードアイランドの場所は割出している。

 

 

 「・・・わたし、一度島外から船で侵入したことあるわよ。

 

 「! 本当か!?

 

  しかし・・・むちゃくちゃな。

 

  彼らに喧嘩を売ってるようなものだ。

  よく殺されなかったな。

 

 

 「3年くらい前だったと思う。

  この島に足を踏み入れた途端、あの男が現れた。

 

 

 「え? 誰?」

 

 

 「ゲームマスターのひとりよ。

  名前をレイザーと言った。

  

  見ただけでビビッたよ。

  強い。

  ま、戦わずに島外へ飛ばされたけど。

 

 

 「? 

  意味わかんない。島外へ飛ばされた? どうやって?」

 

 

 「支配者オンリーのスペルだ。

 

 

  -003 排除(エリミネイト) −

 

  RULER ONLY

 

  G.Iに不当な方法で侵入したものすべてを

  アイジエン大陸のどこかへ飛ばす

                        (遠)(特)

  

  比較的、罪が軽いと判断されたバグはグリードアイランドの外へ飛ばされる。

  罪が重いと判断された場合は・・・

                           」

 

 

 「・・・黙んないでよ(泣)」

 

 

 「しかし、

  よく戻ってきたな。グリードアイランドに。

 

 

 「まぁね。

  あんたの言う『覚悟』ってやつよ。

 

 

 「でも・・・そのレイザーっていうゲームマスター、

  かなりヤバそうだね。」

 

 

 「・・・。

  以前君に話したことあっただろ。

  デリーター(消去人)

  それがレイザーだ。

 

 

 「デリーター?

 

 「あぁ。

  私の同業者達からはそう呼ばれていた。

 

  バグを排除するゲームマスターだ。

 

 

 

 「ん?

  ちょっと待ってよ。

  ゲームマスターってあと何人いるの?」

 

  

 

 

  

  next  ストーキング46「情報交換-2」の巻 絶対見ろよな!ъ( ゚ー^)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ストーキング46

 

 

 

 「ゲームマスターは何人いるか・・・か。

  私もな、

  正直わからん。

 

 

 「まぁ、こいつはゲームマスターだろってやつはいるけどね。

 

 

 「そうだな。

 

  ルルーペの意見はどうだ?

 

 

 「そうですね。

 

  まず、今聞いたデリーターと呼ばれるレイザー

  あと、スタートの部屋の案内人イータ

  彼女は確実に人間だった。

  ゲームマスターに雇われたと考えられなくもないけど、

  どちらにしても、ゲームに深く関わってる時点で彼女もゲームマスターと呼べると思う。

  同じ理由で港の部屋の案内人エレナもゲームマスターだね。」

 

 

 「へー、出口にも案内人がいるんだ。初耳。

 

 「

  出口から出たこと無いのか?

 

 「排除(エリミネイト)離脱(リーブ)以外で出たことない。

 

 

 「・・・。

  それもある意味すごいな。

 

 

  まぁ、現時点で確実なのはこの3人だけだ。

 

 

 「え、そうなの。

  他にわかってるゲームマスターはいないんだ。」

 

 

 「確実にわかってるのが3人だ。

  私はさらにもう2人の情報も掴んでいるが。

 

 

 「何よ、出し惜しみ?

 

 「ハハハ、まぁな!

  

  よし。かまわん。

  減るものでもなし、教えよう。

  

  ひとりはあるイベントに関わっている。

  イベントの中に組み込まれていると表現した方がいいな。

 

 

 「え? 何それ?

  ゲームマスターと対決しないと獲得できないカードもあるの(;´Д`)

 

 

 「ああ、

  だが戦闘で勝負ということはないだろう。

  私が知っているそのイベントもゲームで勝負するそうだ。

 

 

 「そうだ?」

 

 「私が直接そのイベントを体験したわけではない。

  実際に体験したプレイヤーに聞いた。

  かなり厄介な条件をクリアしないと辿り着けないらしくてな。

  結局、その条件もゲーム内容も聞き出せなかった。

  ただ、そのイベントで待ち受けていたのは凄腕の念能力者

  まったく歯が立たなかったらしい。

 

 

 「なんていう名前なの?」

 

 

 「実はそれもわからん。

 

 

 「何よそれ、わかんないことばかりじゃない。

  無理矢理聞き出せば良かったのよ。

 

 

 「・・・良くないっす。」

 

 「何?

  文句あるならハッキリ言いなさいよ。

 

 

 「・・・ないっす。

 

 

 「まぁまぁ。。。

  

  一つわかっていることがある。

 

  彼はその念能力者のことをこう呼んでいた。

  

  『森の番人』 と。

 

 

 「森の番人?

 

 

 「っちょっとまって、

  それって、

 

  001 『一坪の密林』 SS-3 を手に入れるためのイベントなんじゃ?」

 

 

 「あぁ、恐らくな。

  入手難度から考えても、間違いないだろう。

 

 

 「ってことは・・・」

 

 

 「同等の入手難度の 002 『一坪の海岸線』 SS-3 もゲームマスターが絡んでると考えるべきだね。

 

 

 「そう。

  そういうことになる。

 

 

 「レイザーイータエレナ森の番人海の番人・・・

  今わかってるのは5人か。」

 

 

 「私からも情報をひとつ。

  

  もうひとりゲームマスターがいるわ。

 

  『城の番人』・・・。

 

 「城?」

 

 「なるほど。

  リーメイロか。

 

 「えぇ。

  あんたも行ったことあるでしょ。

  あの奇妙な城の仕掛け。

 

 「仕掛け?」

 

 「入ったのに入れない・・・か。

  あれもゲームマスターの念能力というわけか。

 

 「あらかじめ仕掛けられたトラップかもしれないけどね。

  でもあの城から異様な気配を感じるのよね。

 

 「・・・よくわかんないけど、

  そこにもゲームマスターがいるなら、えーっと、

  レイザー、イータ、エレナ、森、海、城の番人、、で、

  計6人か・・・。」

 

 

 「そのうち、実際に見たのは3人だがな。

 

 

 「なるほどねぇ。

  結局確実なのは3人、あとは断定するには材料が無さすぎる・・・か。

  

  でも、、、なんだろうね。

  なんかしっくりこないねぇ。

 

 

 「・・・それは多分、

 

  しっくりこない理由は・・・

  それがゲームイベントとして数えた人数だからじゃない?

 

  ゲームシステムとして考えた方が・・・ね。

  ジェイトサリ。」

  

 

 

 「・・・。

 

  まいったな・・・。

  

  やはり手強いな。君達は。

 

 

 

 

 

 

 

  next  ストーキング47「情報交換-3」の巻 絶対見ろよな!ъ( ゚ー^)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ストーキング47

 

 

 

 

 「・・・なるほど、そのとおりね。

  グリードアイランドは念によって作られたゲーム。

  このゲームを成立させるための念能力者の人数を考えれば、

  それがゲームマスターの人数になるってわけね。

 

 「そう!

  しかもそれを考えることによって、

  どのような特性の念能力者がゲームマスターの中にいるか推測することもできる。

 

 「・・・。

 

 「具現化系でカード、バインダー、モンスター、町の人間の具現化・・・

  放出系で魔法、モンスターの特殊攻撃、具現化形状保持・・・

 

 「操作系で具現化物の操作、魔法効果・・・

  変化系でモンスターの特性付加・・・

  考えればいくらでも出てくるね。」

 

 「ゲームマスター全員が凄腕の念能力者と考えると、

  ひとりが担当するシステムの幅は広いと考えられるわね。

 

 「それでも、かなりの人数がいなければこのゲームは作れない。

  全員がシステムを担当してるわけじゃないだろうし・・・

 

  最低でも10人くらいゲームマスターはいるんじゃない?

  ジェイトサリはどう思います?」

 

 

 

 

 

 「・・・。

 

 

  ・・・悪いな。

  君達に協力できるのはここまでだ。

 

 

 「

  ちょっと! なんでよ。

 

 「ルルーペが言ったとおり、

  今まではゲームイベントに関する話だった。

  

  だから私も君達に情報を提供した。

  だが、ゲームシステムに関する内容は別だ。

 

 「それがあなたの仕事だから?」

 

 「そうだ。

  

  私はグリードアイランドの解明のために数年間調査してきた。

  外部の機関と連携してな。

  

  喋るわけにはいかない。

 

  私はプロハンターだ。

 

 

 「・・・ま、いいわ。

  極秘情報をペラペラ喋るほど口の軽い男だと、こっちが引くからね。

 

 「そうだね。

  あとは自分達の目的のために

  自分達で探りますよ。

 

  ありがとう。ジェイトサリ。」

 

 

 「こちらこそ。

  君達と逢えてよかった。

 

  では、また会おう。

  

  絶対、死ぬなよ。

 

 「あ!

  ひとつ聞いていい?」

 

 「なんだ?

 

 「自分のハントしたゲームを外部の協力組織に預けなかったのは・・・なぜ?

  ゲームに入って数年経てばオークションに提供されるようにしていた理由がわからない。

  

  なんで?」

 

 

 「ふふふ、

  君の想像に任せるよ。

  

  

  私は心底このゲームが好きなんだ。 それだけだ。

  

  じゃあな。

 

 

 

 

 「ん。 

  じゃぁまた!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ジェイトサリ、行っちゃいましたね。

 

  なんか、意外とあっさりした別れだったなぁ。」

 

 

 「もともと目的の違うハンターだったからね。

  私達と一緒にいたことのほうが不思議なくらいだ。

 

 「でもすごい人だったなぁ。

  まさにプロって感じ!」

  

 「ま、プロハンターだからね。

 

 

 「・・・(´ - `)

 

 

 

  ルージュは? 

  プロハンターなの?」

 

 

 「私はライセンスは持ってない。

  管理されるのは性に合わないからね。

 

 「管理?」

 

 「・・・あんた、何も知らないのね。

 

  いや・・・知らないのは当然か。

  今の話忘れなさい。

 

  で、あんたはハンター? 一体何者?

 

 

 「俺も、アマのハンター。

  『地下酒場』っていうアンチハンター協会の情報サイト知ってる?

  そこの組織員として活動している。

  ヨークシンで幻影旅団を尾行していたのもそのため。」

  

 「ふーん。

  ってことはあんた一生プロハンターになれないね。

  その組織に属してる限り。

 

 「え? マジで(´Д`)」

 

 「うそよ。

  で、

  今回もその組織の任務でグリードアイランドに来たわけ?

 

 「・・・最初はね。

  でもプレイするうちに、何に変えても手に入れるべきアイテムを見つけた。

  それを手に入れるためにはどんな手段でも使う。

  そう決めたんだ。」

 

 「そのアイテムって何?

 

 

 う!!

 

 

 

 

 

 「お、

 

  教えません! ひhihihihiひh秘密でです!

 

 

 「? 

 

  あ、そう。

  別にいいけど。

 

 

 言ったらこの場で殺されそうだ。。。

 

 

 「ルージュは?

  どのアイテムを狙ってんの?」

 

 

 「全部。

 

 

 (´Д`)

 

 

 「・・でもいいんだけど、

  手に入れなければならないアイテムは数種類よ。

  それが何かをあんたに教える義理はないわ。

 

 

 「べ、別にいいっすよ。お互い様だから。」

 

  

 

 

 「それじゃ、行こうか。

 

 

 「行きますか?」

 

 

 

 

 

 

  next  ストーキング48「これから」の巻 絶対見ろよな!ъ( ゚ー^)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ストーキング48

 

 

 

 

 森の中の小さな城下町。

 他の町とはまるで交易がない孤立した平和な街だ。

 城下町だけど、城には誰もいないらしい。

 数十年、王不在のまま建物だけが残っているそうだ。

 

 

 

 

 「・・・ほんとだ。

  何だこれ?  城の門を開けて入ったはずなのに。。。

  反対側の城の出口にいる・・・?」

 

 「そう。

  入口から出口に一瞬でワープしたわけ。

 

 

 違和感が全くなかった。

 

 城に入ったら、外の景色が広がっていた。

 

 

 「入ったのに入れない・・・か。

  念能力・・・というよりは念能力者が仕掛けた常時発動型のトラップって感じかな。」

 

 それには高度な神字の知識が必要。

 ・・・確かに手が込みすぎだな。

 

 「でもこの城がカード入手のイベントに絡むという情報はない。

 

  それになんか嫌な感じがする。

  

 

 

  中に・・・『何か』がいる。

 

 

 振り返り城を見上げるルージュ。

 

 

 ザァァっと乾いた風が吹き抜ける。

 

 

 

 「そう?

  俺は感じないなぁ。」

 

 「あんたは弱いからよ。

 

 「・・・(`ε´)

 

  で、この中にいるのがゲームマスター『城の番人』ってわけ?」

 

 

 「あのときは『城の番人』なんて言ったけど、

  本当はそうじゃないと思うのよね。

 

  ここにいるゲームマスターは恐らく・・・、

  『宝の番人』・・・。

 

  あんた、グリードアイランドのアイテムをどう考える?

 

 

 「う〜ん、

  ・・・多分、ルージュの考えと一致すると思うんだけど、

 

  アイテムを3種類持出せると謳った以上、少なくとも指定ポケットカードは実在するアイテムだ。

  夢みたいなアイテムばかりだけど、そのすべてが実在する。

  そしてゲームで使用されているのは、そのアイテムのコピー。

  

  つまり、グリードアイランドのどこかに指定ポケットカードのオリジナルが存在する。」

 

 「そうね。

  私もそれは間違いないと思うわ。

  そしてそのオリジナルの奪取こそが、3アイテム以上の持出しを可能にする手段。

 

  問題なのはオリジナルが保管されている場所。

 

 

 「グリードアイランド内にあるのは間違いないね。

  コピー元は近くにないと都度具現化はできないはず。

 

  ルージュの考えでは、このリーメイロ城ってわけだ。」

 

 「可能性よ。

  一番可能性が高いのがこの城というだけのこと。

 

 

  ちなみに数週間この城に貼り付いていたけど、城から人は出てこなかったわ。

  食料を蓄えこんでいるのか・・・それとも城内にゲーム外へのワープシステムがあるのか・・・

  わかんないけどね。

 

 すげー。

 数週間も張込んでたんだ。

 やっぱり目の付け所が違うな。

 

 「まずはオリジナルの保管場所を確定させなければならないね。

  それができなければ次に進めない。

 

  だから、ルージュは情報収集に長けた仲間を探してたのか。

  

 

  でも、どうやるかな・・・

  今回は糸口すら見つからない。。。」

 

 

 

 

 「ひとつ・・・手段はあるわ。

  

  でも、それには強靭な覚悟が必要。

  

 

  どう? あんた、命賭けれる?

 

 

 

 ・・・真剣な表情だ。

 

 

 「・・・目的達成のためなら。

  死ぬ気はないけどね。」

 

 

 「フフ、いい答えだわ。

 

  ルルーペ、あんた尾行のスペシャリストだったね。

  

 

 

  作戦を提案する。

 

 

  あんたには・・・

  

  ゲームマスターを尾行してもらう。

 

 

 「!

 

  ・・・。

  ま、マジで命賭けっすね(;´Д`)

 

  でも、どうやってゲームマスターに近づくの?」

 

 

 「・・・私が囮になっておびき寄せる。

  

  デリーター・・・レイザーを。

 

 

 

  む、む、無茶だって〜! 

  危険すぎる!!」

 

 

 

 「それしか方法が見つからない。

 

  あんたも命を賭ける。

  私も命を賭ける。

  イーブンよ。

 

 

 

 

  next  ストーキング49「ゲームマスター出現!」の巻 絶対見ろよな!ъ( ゚ー^)

  

 

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ストーキング49

 

 

 

 

 

 「で、どうやるの?」

 

 

 「私がタブーを犯す。

  あんたは気配を消し潜む。

  レイザーが来る。

  私は逃げる。・・・まぁなんとかなるでしょ。

  で、あんたは私の追跡を断念したレイザーをそのまま尾行。

  オーケー?

 

 

 「えーーー(´Д`)

  そんな単純な。。。

  上手くいくわけないじゃん。」

 

 「シンプル イズ ベスト!

 

  単純だからこそ相手は気付かない。

  最高芸術と呼ばれる犯罪こそシンプルなものよ。

 

 

 「・・・まぁ確かに、、、

 

  (逃げる標的を追っている自分が、実は途中から追われている・・・か。

   単純に見えて実は巧妙な心理的トラップ。

   ・・・団長の使った二重尾行に似てるな。)

 

  で、

  ルージュが犯すタブーって何さ。」

 

 

 「いろいろあるわよ。

  プレイヤーにグリードアイランドが現実世界で行われていることを喋りまくる。とか。

  町の人間を片っ端から殺戮する。とか。

  でも・・・

  一番簡単なのは建造物の破壊ね。

 

  例えばこんなふうに・・・

 

 

 キィィィィィィィィィィィィィィ

 

 え?

 

 練? いや、凝!?

 ヴェーゼの、ルージュの足に念が集中してる!!

 

 うお! ブーツにごついヒールが生えた!?

 

 

 

 

 『女王様のハイヒール』(サディスティック・ブーツ)

 

 

 

 

 せーーーーーの!

 

 ドガン!!!

 ガラガラガラ!

 

 ガガガガガガ!!

 ドガ!

 

 

 

 じょ、城壁を蹴り壊してる!!

 

 

 

 「うおおお、おい(;´Д`)

  やり過ぎだって〜〜!!」

 

 

 「もうすぐレイザーが来る!

  消えなさい!

 

 

 ドガ!!ガラガラガラ!

 

 

 「わ、わかったよ。

 

  『消える男』(サイレントキラー)!

 

 

 「いい! 再確認しとくわよ。

  私達のクリア条件は、

  目的の指定ポケットアイテムのオリジナル奪取!

 

 

 「そして、生きてこのグリードアイランドから持ち出す!

  だね。」

 

 ドガン!!

 

 「そう!

  それが私達のゲームクリア条件

 

 

 「落合う場所は?」

 

 

 ドガン!!

 

 

 「決めない!

  連絡を取る際は、あんたから交信(コンタクト)を使用する。

  どう?

 

 

 ・・・・イイイ

 

 「わ、わかった!!」

 

 

 イイイイイイイイイイイイイイイイ

  

 来たね!

 

 

 ヒィ(;´Д`)

 

 

 

 イイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ

 

 

 

 

 

 

 

 ギャン!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しゅうううううううううううううううううう ううう うう う

 

 

 

 

 

 舞い上がった砂煙が、徐々に晴れていく。

 

 

 

 

 

 

 

 こ、

 

 

 

 こいつが・・・

 

 

 

 

 

 

 デリーターと呼ばれるゲームマスター・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レイザー!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

第8章「クリア条件」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ついに尾行開始!! 今度の相手はゲームマスター!!

 徐々に明らかになるグリードアイランドの秘密!!

 ルルーペはオリジナルアイテムに辿り着けるのか!!?

 次回、第9章「交渉人」スタート!

  next  ストーキング50「尾行開始!!」の巻 絶対見ろよな!ъ( ゚ー^)

 

 

 

  

 

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