ストーキング33

  

  

 

 

 

  

 

 

 

   

 

 

 ギャーーーーーーーッッ!!(;´Д`)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 岩がごろごろ転がった草原。

 人気の無い殺風景な場所。

 

 そこにそいつはいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「クックック・・・

  こんなとこで再会するとはね

 

 

 

 

 

 

 ヒィーーーーーーーーーッ!!

  ヒヒ、ヒ、ヒソカ!!!

 

 

 

 

 

 

  

 「セメタリ−ビルのオークション以来姿を見せなかったから、

  てっきり手を引いたと思ってたのに

 

 ・・・最後の地下競売、やっぱりバレてたのか。。。

 んなことはどうでもいい!

 「なんであんたがここにいる!?」

 

 「ククク、

  それはこちらの質問だ

  なぜ君もここにいる?

 

 

 「俺はあんた達『幻影旅団』の尾行から手を引いたんだ。

  そして新しい任務がグリードアイランドの調査。

  

  ・・・まさか!

 

  蜘蛛の次のターゲットがグリードアイランドの宝なのか!?」

 

 ピク

 「ひぃ!(;´Д`)

  すすすsすみません。い以後言葉にはききき気をつけます。

 

  あなた達の目的はグ、グリードアイランドの宝なんですか?

 

 「・・・。

 

  実は少し面白くないことが起きてね・・・

 

 ィィィィイィィィィィィィィイイイイイイーーーーーーーーーン!

 ズギャ! 

 ギャン!

 

 「追いついたぞ。

 

 

 

 ゲ、ゲンスルー黒髪の爆弾魔!!

 

 し、ししし、しまったーーーーー!!(;´Д`)

 

 

 爆弾魔達が同行(アカンパニー)で追ってくるのは予想していた。

 だから、

 シソの木から「衝突」(コリジョン)で移動後、

 消える男(サイレントキラー)を発動、

 俺は消え、

 追って来た爆弾魔は着地地点に俺を発見できない。

 何回スペルを繰り返しても、誰もいない場所へ移動するだけ。

 そしてゲンスルー達はそれを俺の念能力によるものだと確信する。

 やつらはニッケスとの交渉の途中だ。

 俺の追跡をあきらめるしかない。

 

 ハッピーエンド。

 

 

 のはずだった!!

 

 

 ヒソカに気をとられて!!!  俺は消えてないぃぃぃぃ!!!

 

 

 ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁ。

 

 

 なんていう初歩的かつ致命的なミスを!!

 

 ヤ、ヤバイ!!!

 

 

 

 「なんだ?

  そいつは? 仲間か?

  

  まぁいい。さっさと『大天使の息吹』をよこせ。

 

 

 ・・・!? 仲間?

 ・・・そうか!

 使える!

 

 よし・・・

 

 

 ヒソカの時もクロロの時も結局失敗に終わったけど・・・

 今回こそ・・・

 

 口だけで乗り切ってやる!

 

 

 

 

 

 「いやだね。」

 

 「ハハハ、バカが。

  ここはゲームの中だぞ。

  お前が『大天使の息吹』を持っていないことくらい確認済みだ。

  今はニッケスが持っている。

 

 「・・・。

  あ、そう。

  もうばれちゃった?」

 

 「・・・何だと。

 ビリビリ

 (ぐ、すげぇ威圧感。)

 

 「俺達がここに来たのはカードのためじゃない。

  お前を殺すためだ。

 

 

 「俺を?

  あんたらが?

  ハハ、冗談だろ。

  

  あんたら・・・俺がゲーム機の部屋に戻ったとき、ひと目見て俺の実力を判断した。

  こいつは弱いと。(実際正解なんだけど。)

  

  俺はそれを装う必要があった。

  油断させなければいけなかったからね。

  もしあんたが俺をそこそこの実力者だと判断した場合、手で握ってすぐ爆破したはずだ。

  だがあんたは会話を続けた。

  俺が何もできないと思ったからだ。

  ゲンスルー、あんたが多弁な男ってことはアジトにいるときにわかってたからね。

  あんたらは俺の力を見誤ったんだよ。

  その程度の実力ってことだ。」

 

 ヒソカは面白い見世物を見るかのように、傍観を決め込んでる。

 ありがたい!

 

 

 「『命の音』(カウントダウン)だけどさ、

  攻略法を考えるに当たって、引っ掛かっていたことがあったんだ。

  

  爆弾取り付けの際は、相手の体に触れながら『爆弾魔』と言えばいい。

  でも、爆弾解除の際は『爆弾魔捕まえた』と言わなければならない。

 

  これはおかしい。

 

  明らかに解除の条件のほうが厳しい。

  爆弾を仕掛けられ解除しようとする者にとって、『つかまえた』の5文字は、それだけで致命的だ。

  ちなみに、『自分の能力について説明する』のは爆弾起動のための条件だからね。

  爆弾の取付、解除には関係ない。

  

  すでに制約でがんじがらめの能力だけど、まだ隠れた制約があるとみたね。

  いや、この場合制約とは言わないな・・・解除を取付と同じくらいの難度にするための逆条件。

  条件の緩和。

  恐らく・・・キーワードを言うとき触れる爆弾魔は3人のうち誰でもいいとかじゃないの?」

 

 

 ゲンスルーの手が動く。

 ゲームの部屋で見せた仕草、右手中指で眼鏡を押し上げる。

 

 「それがどうした?

  今から死ぬやつには関係の無いことだ。

 

 

 「当たりだね。

  じゃぁなぜ・・・

  なぜ、そこまでしてあんたは、キーワードを『爆弾魔捕まえた』に変えたのか。

 

  もちろん『捕まえた』発声分の時間稼ぎという意味もあるだろうね。

  でもそれだけじゃない。

  もうひとつの意味。

  

 

 

 

 

 

  答えは簡単だった。

 

 

  

 

  実は、捕まえられる前に、自分で相手を捕まえてんだよね。

  

 

 

  それに気付いたとき、おかしくて笑いが止まらなかったよ。

  

  あんたは自分に近づく相手を阻止するために、相手をつかんで爆破する。

  『一握りの火薬』(リトルフラワー)で。

  その時、相手に『キーワード』を口にされれば、あんたは切札を失う。

  だからキーワードを『爆弾魔捕まえた』に選ぶことで、

  心理的に妨害することに成功した。

  

  捕まえなきゃ解除できない! なんとかして、捕まれる前に捕まえなきゃ!!

  対象者をそういう一見矛盾した心理状態に突き落とした。

  

  ・・・すばらしいよ、ゲンスルー。」

 

 

 

 「確かに・・・

  俺はお前をただのクズだと思って油断していたな。

  だが、

  俺の今までの戦闘経験から、お前は俺たちより遥かに弱いと確信している。

  今から殺して、それを証明してやるよ。

 

 

 「・・・できるかなぁ。

  系統封じで得意系統が使えないんだろう?」

 

 「

 

 (いいぞ、これも当たりだ!)

 

 「あんたは『命の音』(カウントダウン)以外に放出系の能力を使うことができない。

  だから、近寄ってくる相手を阻止するために、

  わざわざ相手に触れて攻撃するしか、解除を阻止する手段がなかった。

  だろ?」

  

 

 「いつまでもペチャクチャ喋ってんじゃねーぞ。

  そろそろ死ね。

 黒髪の爆弾魔がこちらに向かって歩いてくる。

 キレてる。

 絶対キレてる。 

 

 

 

 (よし・・・ここで決め台詞だ!)

 

 

 

 

 「・・・いいよ。

 

 

  ちょうど2対2だ。

   

  

 

  やろうか・・・・・俺たちと。」

 

 

 

 黙っててくれ、ヒソカ!

 

 

 「ああ上等だ!

  お前ら2人ともぶっ殺してやる。

 

 

 「・・・待て。

 

 

 「

 

  ゲンスルー、何か言ったか?

 

 

 

 「待て、と言っている。

 

 

 

 「空耳かと思ったが・・・

  

  ふざけるな!!

  ここまで侮辱されて、待てだと!!?

 

 

 「・・・俺達の最終目標はゲームクリアだ。

  今ここでこいつらを殺したところで、何の得にもならない。

  しかもこちらの念能力は知られていて、やつらの念能力はわからない。

  明らか不利だ。

 

  それにそろそろニッケスがゲーム外へ戻ってくるはずだ。

  

  頭を冷やせ。

 

 

 「・・・失望したぜ、ゲンスルー。

  俺達のプライドを傷つけた!それだけでこいつは死に値する!!

 

 「バラ・・・、

  お前も奥のやつが只者じゃないことくらいわかるだろ。

  バインダーでそいつの名前を見てみろ。

 

 「あ?

  何言って・・!

 

  

  ・・・

  

  

  ・・・本物か?

 

 「わからん。

  顔は見たことないからな。

  だがもし本物なら・・・こいつらの仲間はあと10人ほどはいる。

  今ここで敵に回すと後々厄介だ。

 

 

 「・・・。

  

 

  ちっ、

 

  わかったよ。

  お前に従う。

 

 ? 

 何かわかんないけど、やったぞ!

 爆弾魔は退くつもりだ。

 

 

 「今回は退くが・・・

 

  いいか、

  俺達の目的はゲームクリアだ。

  それを妨害しようとするものは、例え誰であろうと許さん。

  

  よく覚えておけ。

 

 

 (・・・言われるまでもなく。もう近づかないっす。)

 

 

 「離脱(リーブ)!!オン!!」  バシュ!

 

 「お前はいつか俺が殺す! 覚えとけ!!

  

  離脱(リーブ)!オン!!」  バシュ!!

 

   

 

   

   

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 「フ

  

  フフフ

 

  フフフフフ

  

 

 

 

 

 

  乗り切ったーーーーーーー!!(´Д`)/

 

 

 

 

 

 

 

 「じゃぁ、

  そういうことで、

  おじゃましました(´ー`)」

 

 

 テクテクテク。

 

  

 

 

 

 

 「・・・待ちなよ

 

 

 (!! (;´Д`)

  だめ?

  やっぱり、だめ?

 

 

 

 

 

 next  ストーキング34「ヒソカとカフェ」の巻 絶対見ろよな!ъ( ゚ー^)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ストーキング34

 

 

 

 

 なんだ・・・この空気。

 

 

 

 目の前にヒソカ。

 

 

 コーヒーの香り。

 

 

 ・・・。

 

 

 ・・・一難さってまた一難・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・一時間前・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 「・・・待ちなよ

 

 (´Д`)

 

 「な・・・なんですか〜。」

 

 

 「せっかく再会できたんだ。

  話をしよう。

  いろいろ聞かせてほしいこともあるしね

 

 「い、いろいろ?」

 

 「グリードアイランドのこと。

  さっきの奴等のこと。

  そうだな・・・

  君がこのグリードアイランドで見たことを全部聞かせてくれないか?

 

 「は、はぁ。」

 

 「ここは魔法都市マサドラのすぐそばなんだけど、

  実はマサドラで人を待っててね。

  動くに動けず暇なんだよ

 

 「さっきは黙っててあげたんだ。

  話を聞く権利はあると思うが・・・

  ま、断られたら力ずくでも聞き出すけどね

  クックック

 

 (;´Д`)

 

 「マサドラにいいカフェを見つけたんだ。

  そこへ行こう。

  ついてきなよ

 

 「は、は〜〜〜〜ぃ (;´Д`)」

 

 

 (ちっくしょーーー。

  移動スペルカード持ってたらなぁ。

  すぐに逃げれるのにぃぃぃぃぃ。

  あ、

  でもだめだ。

  ヒソカのバインダーには俺の名前が記録されてるんだ。

  あとから何されるかわからない。

  

  ぐ、ぐぁぁぁぁ。

  

  ついていくしかないのか。。。

  

  まぁ雰囲気からして俺を攻撃する気はないみたいだし。

  

  しばらく辛抱しよう。

 

  でも、待ち人って誰だろう。

  旅団員かな。。。

  

  ふ、不安だ。)

 

  

 

 

 

 

 魔法都市マサドラ。

 

 アイアイに勝るとも劣らない変な町だ。

 ほわんほわん、気球みたいな建物?が浮いている。

 

 賑やかだなぁ。

 

 

 一目見てプレイヤーとわかる人もちらほら。

 なるほど・・・みんな魔法カードを求めてこの町に来るから、

 人を探すにはこの町が最適ってことか。

 ・・・

 ってことは、もしかして、

 ヒソカが待っていることを相手は知らない?

 ・・・うーん。

 ま、どーでもいっか。

 

 

 しばらく歩いて到着。

 

 オープンテラスつきの開放感のあるカフェだ。

 ヒソカは屋内の窓の側の席を選んだ。

 窓からは町の中央の広場が見渡せる。

 座席間のスペースは広くとってあり、ゆったりと落ち着ける雰囲気。

 内装は余計な装飾のないモダンなデザイン。

 ふーん。

 ヒソカってこういうのが趣味なんだ。

 なんか、意外だ。

 

 

 「ご注文はお決まりでしょうか?」

 

 メニューは多彩で現実世界の並みのカフェより豊富だ。

 

 「エスプレッソ。リストレットで

 

 (・・・マニアックだな。)

 

 「じゃぁ、、、

  カプチーノ、ウェットで。

  そうだなぁ・・・なんでもいいからラテアート描いて下さい。」

 

 「クックック・・・イヤな客だ

 

 「かしこまりました。」

 

 (へー、できるんだ。)

 

 「ここのカフェのバリスタは、もともとプレイヤーとしてグリードアイランドに来たらしいんだけど、

  今じゃすっかりここの暮らしが気に入って、このカフェで働いている。

  どんな注文にも答えてくれるよ

 

 「へー。」

 

 

 「じゃぁさっそくだが、君の話を聞きたい

 

 

 俺はグリードアイランドに入ってから、ここに来るまでの経緯を丁寧に説明した。

 

 

 会話に『間』が空くのが恐かったから喋りまくった。

 

 

 

 「・・・なるほどね

  さっきの奴等は『爆弾魔』と呼ばれるプレイヤーキラーか。

  

  ・・・。

  

  暇つぶしにはならないな。

  君がべらべら喋ったから、今さら戦っても面白くない

 

 

 「ひとつ聞いてもいい?

  さっきヒソカが言ってた『面白くないことが起こった』って何?

  もしかしてそれがグリードアイランドへ来た理由?」

 

 

 「・・・。

 

  おもちゃが壊れちゃってね。

  一番お気に入りだったんだ。

  直さなければ遊べない。

  そのおもちゃから聞いた。

  どうやらグリードアイランドに直せる人がいるらしくてね。

  その人物を探しに来た

 

 「はぁ?

  えーっと、

  ・・・はぁ。」

 (あの・・・

  言ってる意味がわかんないんですけど。。。

  昼間っからラリってるよ。

  やべー、この人、やべーーー(;´Д`))

 

 

 「でも恋愛都市アイアイはいいね

  暇つぶしにはなりそうだ。

  待ち人に会えたら、そのあとアイアイに行ってみるよ

  

 

 「君はこれからどうする?

  クリアを目指すなら、もう一度『爆弾魔』と戦わなければならないよ

 

 

 「そのことなんだけど・・・

  クリアはやめた。

  狙われたら逃げれないし。この世界じゃ。」

 

 「それに本当に欲しい指定ポケットアイテムは4つあるんだよね。

  3つじゃ足りない。

  どうせなら4つ手に入れたい。

 

  ・・・まだ推測にすぎないんだけど、この世界は」

 「この世界は現実

 

 「グリードアイランドは現実の世界のどこかで行われている。

  ・・・。

  でも、君の考えを実行するのはクリアより難しいよ。

  恐らくこの島には・・・

 ?

 ヒソカの視線が窓の外を見たまま止まった。

 

 なんだ?

 何かいるのか?

 

 

 「クックック。

 

  今日は楽しい日だ。

  予期せぬ人との出会いが多い

 

 ?

 まさか・・・待ち人?

 

 

 「ついておいで

 

 

 ヒィ (;´Д`)

 

 

 

 next  ストーキング35「静かなる再会」の巻 絶対見ろよな!ъ( ゚ー^)

 

 

 

 

 

 

 

 

ストーキング35

 

 

 カフェを後に、中央広場を見渡す。

 

 ・・・それっぽい人は・・・・・見当たらない。

 

 いったいヒソカは誰を見つけたんだ?

 

 もし、クロロだったら・・・フランクリンだったら・・・

 

 

 ジ・エンド(;´Д`)

 

 

 死ぬな。

 

 確実に。

 

 

 

 

 「確かこっちに歩いていったな

 

  ここからは絶を使う。

 

  君も使えるだろ。

  

  っていうかボクより得意だろ?

 

 上半身だけ振り返り、俺を見下ろすヒソカ。

 

 「・・・わかった。

  『消える男』(サイレントキラー)!」

 

 

 「クックック。

  相変わらず見事だ

 

 

 ヒソカは絶の状態で歩き出す。

 俺は着いて歩く。

 

 

 何が『ボクより得意だろ?』だ。

 俺はこれほどの絶を見たことがない。

 さっきまで溢れ出てた不気味なオーラがピタリと止まって、余韻すら感じ取れない。

 ヒソカを見てると、こう思う。

 真の実力者とは『念にメリハリを効かせる』ことができる念能力者のことだ。

 ヒソカは強い。

 恐ろしく強い。

 

 

 

 「・・・どうやらそこの魔法カードのショップに入ったみたいだ

  

  来てごらん。

  壁越しに入口を見ていてくれ。

  もうすぐ出てくるはずだ。

  君も知っている人だよ

 

 

 ヒソカは俺を壁ぎわに立たせた。

 

 ・・・旅団だ。

 間違いない。

 俺が知ってて、ヒソカが知ってるやつなんて旅団員以外いないじゃん。

 

 

 

 でも・・・いったい誰なんだ。

 

 

 !

 トレードショップの扉が開く・・・。

 

 

 誰だ!?

 

 誰が出てくる??

 

 

 

 

 

 

 

 

 あ!!

 

 

 

 少年!

 

 旅団を尾行していたとき、二重尾行の罠に引っ掛かった少年!

 それと・・・

 もう一人は見たことのない少女

 

 まさか・・・蜘蛛に捕まったのに生き延びることができたのか?

 鎖使いの仲間じゃなかったのか?

 

 

 「クックック。

  そう。

  君も知ってるはずだ・・・彼のことを

 

  彼の名前はゴン。

 

  ボクのお気に入りのひとりだ

 

 

 少年達は何かを喋りながら、俺たちと反対の方向へ歩いていく。

 

  

 「なんか・・・因縁を感じるなぁ。」

 

 「君はゴンに出会っていた。

  ゴンはその事実に気付いていなかった。

  でも今回は違う。

  ゴンと君が出会ったことは記録として残った

 

 !!

 

 「しまった!

  20m!!

  あいつのバインダーに俺の名前が!?

 

 「クックック。

  もう遅い

  

  ボクはね、君とゴンを出会わせておきたかったんだ。

 

  彼は君とは全く正反対の人物。

  

  真正面から物事に向き合い、壁にぶち当たると、それを壊せる力をつけ、

  乗り越える!!

  そして彼は強くなる。

  みるみる・・・育つ!

  光を浴びて大きく育つ・・・南国の果実のように

 

 不気味な笑みを浮かべるヒソカ。。。

 

 「どうやら今日は一緒じゃないみたいなんだが、ゴンには仲間がいる。

  君も知っているだろ。

  名前はキルア

 

 「・・・。

  銀髪の少年だね。」

 

 「彼はゴンとは正反対

  闇が彼を強くした。

  そして恐らくこれからも・・・。

  

 

  君もキルアと同じ闇に生きる者。

  でも、、、君は違う。

  変に育ってる

  おかしい方向に強くなっている。

  

  そうだな・・・闇に生きる・・・じゃないな。

  裏・・

  影に生きる・・・そう言った方がしっくりくる

  

  ボクは君のような人間に会った事がなかった。

  だから楽しみなんだ。

  これから君がどんな育ち方をするのか

  

  ゾワゾワ(;´Д`)

  

  ヒソカの視線が・・・ヤバイ。

  

  掘られる。 んじゃないかと思うほど・・・背後から視線が・・・。

 

  「君はゴンと出合った。

   これは運命だ

   

   運命は動き出した。

   もう止めることはできない。

   

   これからが楽しみだ

 

   クックック・・・。

 

  

  「・・・何だよ! 運命って!

   人のことなんだと思って・・

  

   え?

      」

 

  振り返ると、ヒソカがいない。

 

 

 

 

 

  忽然と姿を消した。

 

 

 

  人の声。

  

  自転車の音。

  

  街の雑音。

 

  

  そこに・・・

  ヒソカの形跡はなかった。

 

  

 

 

 

  next  ストーキング36「出島の決意」の巻 絶対見ろよな!ъ( ゚ー^)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ストーキング36

 

 

 

 

 

 

 

              クロロ=ルシルフル

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 血の気が引いた。

 死ぬほどびっくりした。

 

 なんで!?

 なんで俺のバインダーに!?

 いつ会った?

 マサドラ!?

 そんな・・・

 見てないし、気配もなかった。

 近寄られた?

 俺はそれに気付かなかった?

 

 困惑。

 

 

 ・・・でも、

 

 すぐに謎が解けた。

 

 

 ヒソカの名前がない。

 

 

 そう、

 ヒソカはクロロ=ルシルフルを騙っている。

 

 

 なるほど、

 ゲンスルーが退いたのはこれが原因だったんだ。

 

 でも・・・

 何でヒソカはクロロ=ルシルフルを名乗ったんだろう?

 

 

 普通に考えれば、クロロ=ルシルフルはグリードアイランドにいない。

 

 

 いや・・・

 もしかして別名で入島してるのか・・・

 

 !

 

 ヒソカの待ち人って、まさかクロロか!?

 

 

 今の状況でどちらかは断定できない。

 いずれにせよ、

 ヒソカがクロロ=ルシルフルに執着していることは確かだ。

 

 異常なほどに。

 

 

 

 

 待てよ・・・

 

 ヒソカはゴンのことを『ボクのお気に入りのひとりだ』と言った。

 

 その前にヒソカは『一番お気に入りのおもちゃが壊れた。』って言った。

 

 

 ・・・ヒソカの一番のお気に入りって・・・

 

 クロロじゃ・・・ないのか?

 

 壊れた?

 

 ヨークシン・・・鎖使い・・・

 

 センリツ・・・上手くやったのか・・・?

 

 何らかの・・・ダメージを・・・

 

 そしてそれを治療できる能力者がグリードアイランドに?

 

 じゃぁ待ち人って・・・誰?

 

 ・・・

 

 

 あーーーーーーーー、頭が混乱してきた!!

 

 どうでもいいや!!

 

 俺には関係ない!

 

 

 よし!

 着いたぞ!

 

 白い建物の多い町。

 潮風が気持ちいい。

 カモメの泣き声が微かに聞こえる。

 港の方からだ。

 

 ここが唯一、グリードアイランドから出ることができる場所。

 アイアイのプレイヤーから聞いた。

 

 

 そう!

 俺はグリードアイランドから出る!!

 

 

 だって、

 ヒソカがいて少年・・ゴンがいて、多分旅団もいて・・・

 これじゃヨークシンと変わらない。

 

 しかも俺の名前はヒソカとゴンのバインダーに載ってしまった。

 

 クロロがヒソカのバインダーに俺の名前を見つけて、

 追ってくる危険性もある。

 

 あの4アイテムは捨てがたいけど、状況が悪すぎる。

 

 しばらくグリードアイランドを離れて、

 落ち着いた頃に戻ってこよう。

 

 

 

 街の中心の大通りを歩く。

 潮の香りが強くなってきた。

 あった!

 船乗り場!

 

 ここの所長が持っている通行チケットが必要だったんだよな。

 

 「おじゃましまーす。」

 

 う!!(;´Д`)

 

 こいつが・・・所長・・・でかい!!

 なんか角生えてるし。

 悪そう。

 

 

 「なんだぁ・・・通行券が欲しいのかぁ?

 

  俺は今、腹が減ってんだ。

  そうだな・・・。

  ガルガイダーの丸焼きが食いてぇなぁ。

  持ってきたら考えてやってもいいぜぇ。

  ガハハハ!!

 

 

 でた・・・これが無理難題ってやつだな。

 

 

 「お金払うからさ。

  売ってください。

  いくら?」

 

 「ん?

  なんだ・・・金持ってんのか。

  グヘヘ、300万ジェニーだ。

 

 ・・・んな金もってねーよ。

 

 

 

 さて、

 どうしたもんかな。

 

 

 

 

 

  next  ストーキング37「裏プレイヤー・・・その名は!」の巻 絶対見ろよな!ъ( ゚ー^)

 

 

 

 

 

 

 

 

ストーキング37

 

 

 通行チケットをちらつかせ、ニヤニヤ笑う所長。

 ・・・むかつく。

 

 「じゃぁ、

  出直してきます。」

 

 「グヘヘ、待ってるぜ。

 

 

 俺は港町を後にした。

 

 どうするかなぁ。

 

 

 通行チケット無しでパスできないかなぁ。

 

 「消える男」(サイレントキラー)を使えば簡単じゃん。 

 と、考えたけど、やっぱりダメだな。

 

 まさか船でこの島から出るわけじゃないだろうし。

 恐らく入島したときと同じようにワープで現実世界へ戻るはず。

 ということは・・・

 「通行チケット」はワープ地点へ移動する能力を付加されたアイテムと考えていい。

 

 だから「通行チケット」無しでは、やはりグリードアイランドは脱出できない。

 

 

 

 所長と戦って、倒せばチケットは手に入る。

 でも噂じゃかなり強いらしい。

 

 ・・・痛いのはイヤだ。

 性に合わない。

 

 

 ・・・うーん。

 

 

 

 

 

 

 ・・・。

 

 

 

 

 

 お、

 

 

 エヘヘ。

 

 いいこと思いついた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 3日後。

 

 

 

 

 

 

 「おお!

  ガルガイダーの丸焼き!!

  グハハ! うまそうだ!!

  さぁ! 早くこっちによこせ!

 

 ・・・相変わらずのバカ面だな。

 

 「まずは通行チケットをくれ。

  じゃないとガルガイダーの丸焼きは俺が食う!」

 

 「何ぃ!!

  話はそれを食ってからだ!

  それとも何か? 俺をおちょくってんのか!!

  なんならお前をぶっ倒して、ガルガイダーの丸焼きをいただこうか!

 

 「っちょっちょちょ、ちょっと待ってください(;´Д`)

  僕そんなあれじゃないんですよ。

  そういうの勘弁してもらえますかー。

  

  ・・・はい、

  ガルガイダーの丸焼き、どうぞ(TДT)。

 

 「最初からそうすればいいんだ! 愚図野郎が!

  

  どれ・・・

  

  んー、

  うまい。

  やはりガルガイダーの繊細な味を引出すには、

  んー、

  それと対照的な調理法、丸焼きにかぎr・・・

  

  ぐぁ。

 

 

 バタン。

 

 

 

 ボシューーーーー。

 

 

 所長の巨体が倒れると同時に、体が煙に包まれた。

 

 煙が消えると1枚のカードが残っていた。

 

 266 「通行チケット」 B-150

 

 

 ハイ! 

 性格最悪所長の毒殺、一丁上がり!ъ( ゚ー^)

 

 どうっすか? 特性スパイスのお味は?

 へへへ。

 

 

 

 さてと・・・

 こいつを持って船乗り場へ、レッツゴー!

 

 

 真っ白い建物。

 通路の奥には船が止めてある港が見える。

 まさか・・・本当に船旅じゃないよな。。。

 

 

 お、かわいい受付のお姉さん。

 「通行チケットをお見せください。」

 

 「オッケー。

  ゲイン!

  はい。通行チケット。」

 

 「確認致しました。

  でわ、いってらっしゃいませ。」

 

 バシュ!!

 

 

 

 

 

 やっぱりね。

 「通行チケット」は特定の場所へ強制移動される、いわばもう一つのスペルカードなんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 ここは・・・?

 

 

 部屋、何もない部屋。

 

 

 目の前に扉が一つ。

 

 

 扉に近寄ると・・・ウィィィーーン・・・自動で開いた。

 あ!

 

 スタート地点?

 

 イータさん?

 

 

 いや、

 違う。

 

 「いらっしゃい。

 

 「あ、どうも、はじめまして。」

 

 「島から出るのですね。

 

 「イ、イータさんにそっくりですね!

  双子ですか?」

 

 「・・・島から出るのですね?

 

 「イータさんも可愛かったけど、あなたもイイ!

  すごくイイ!(゚∀゚

  お名前は? 教えて!」

 

 「・・・エレナです。

  

  島から・・・出るのですね?

 

 あ、やべ、

 ちょっとキレてる。

 

 

 「あ、ごめんなさい。

  出ます出ます。」

 

 「それでは行き先を決めてください。

  選択できる港は50以上ありますので、希望の場所を選んでください。

 

 

 へー、ワープ先はすべて現実の港なんだ。

 船の旅を連想させる心憎い演出だなぁ。

 素敵だ。

 

 「えーーーーっとねー。

  どこにしようかなぁ。

  うーん。

 

 

  ・・・。

  

 

 

 

 

 

 

 

 

  ・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ・・・ちょっと、、、待てよ。

 

 

  ・・・。」

 

 

 ずっと前から心のどこかに引っ掛かっていた・・・違和感。

 

 

 それを初めて感じたのは・・・

 そうだ。

 ニッケスの組織に入って間もなく。

 

 

 

 かけられた呪文カードの効果をリセットするために、

 「離脱」(リーブ)のカードで現実世界へ戻った。

 

 

 最初に感じたのはそのときだった。

 

 

 そのときは、何に違和感を感じたのか・・・自分でもよくわからなかった。

 

 そして心のどこかにモヤモヤしたものを残したまま、

 今までこの島を歩いてきた。

 

 

 でも、

 

 

 今、気付いた。

 

 

 違和感・・・その原因。

 

 

 

 

 それは前情報と現実のギャップ。

 

 

 

 

 『グリードアイランドからの脱出は、それほど難しくない。』

 

 

 

 

 

 マスターから最初に送られてきたグリードアイランドの情報。

 50名のハンターを雇い帰って来たものは1人もいない。そのうち3人はプロハンター。

 これは『狩人の酒場』の情報だから信憑性は高い。

 

 

 ・・・でも・・・

 

 

 プロハンターが戻ってこれない?

 

 嘘だ!

 

 俺でも脱出できたんだぞ。

 しかもこれで3回目だ。

 

 じゃぁこの情報はガセネタか?

 

 たまたま3人のプロハンター全員が悪意を持ったプレイヤーに殺されたってことも考えられる・・・。

 

 だが、重要なのはそんなことじゃない。

 

 違和感の原因・・・

 これと同じケース・・・俺は知っている?

 

 

 そういうプレイヤーを俺は知っている。・・・はず。

 

 

 ・・・誰だったかな。

 

 

 

 帰れるはずなのに、帰らない・・・

 

 

 

 

 

 

 ・・・。

 

 

 

 そうだ。

 

 思い出した。

 

 確か、マスターが送ってきた情報の中に、ヨークシンの競売の前情報が・・・

 あった!

 これだ!

 

 

 競売にかけられたグリードアイランドの元持ち主。

 こいつはプロハンター。

 定価58億、時価100億以上のグリードアイランドを7本所有。

 それを売るだけで約1000億の大金が手に入る。

 バッテラがかけたクリア報酬の2倍だ。

 ということは・・・

 こいつの目的はバッテラのクリア報酬じゃないってことだ!

 じゃぁ指定ポケットアイテム3種の持出しが目的なのか?

 

 いや、それも違う。

 

 こいつはグリードアイランドを7本もハントできる腕を持っている。

 にも関わらず、クリア有力者の中にも入っていない。

 では・・・

 こいつは数年間にわたり、グリードアイランドから1度も出ずに何をしているんだ?

 

 こいつの目的は何だ?

 

 もしかするとグリードアイランドの裏舞台では、通常のゲームとは別の何かが行われている?

 

 そしてその何かを目的としたプレイヤー・・・そうだな、裏プレイヤーと呼ぶべきやつらがいる!

 

 

 

 

 間違いなくこいつは裏プレイヤーだ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その男の名前は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 プロハンター! ジェイトサリ!!

 

 

 

 

 

 「・・・?

  どうなさいました? 行き先はお決まりですか?

 

 ハハ、

 ゲーマーの性分かな。

 裏舞台の存在に気付いた以上、

 このまま去るわけには行かない。

 

 「あの、

  やっぱり帰るのやめます。

  ゲーム内に戻ることできますか?」

 

 「

  ええ、大丈夫ですよ。

  シソの木からのスタートになりますが、よろしいでしょうか?

 

 「オッケー! 大丈夫です!

  じゃエレナさん。

  またね。」

 

 

 バシュ!!

 

 

 シソの木に戻ってきた。

 周りには誰もいない。

 でも、相変わらず視線を感じる。

 

 

 さて、

 まずはジェイトサリに会おう。

 恐らく、

 この男の目的はクリアとは全く別のところにある。

 それを聞き出すんだ!

 

 

 

 待ってろよ!! 

 

 プロハンター、ジェイトサリ!!

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 ルルーペ    Now playing

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第6章「裏プレイヤー」

 

 

 

 

 

 

 

 

  次回! 第7章「裏ゲーム」 スタート!!

  ジェイトサリの目的とは!? 裏ゲームとは!?

  そしてルルーペはその中に巻き込まれてしまうのか!?

  next  ストーキング38「不死鳥」の巻 絶対見ろよな!ъ( ゚ー^)

 

 

 

 

 

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