ストーキング11

 

 あの後、トカゲはマフィアの上層部に連絡を取っていた。

 が拉致されたこと、自分と梟以外の陰獣はすべて全滅したこと、そして自分も死亡した事にしてほしいと・・・。

 コミュニティに情報を流す場合は、「死体は9体収容した。」とだけ伝えるようにと指示していた。

 梟が拉致されたことはその場にいたものしか知りえない事実・・・逆にあの場に生残りがいたことを裏付けることになる。

 この情報が旅団につたわれば圧倒的に追跡が困難になると判断したんだろう。

 トカゲ・・・慎重な男だ。

 そして最後に、「これからは単独で旅団を追跡する。」と伝えた。

 

 俺達は別行動をとることになった。

 べったり着いてきたらどうしようかと思ったけど・・・

  

 これからの任務は、引き続き幻影旅団の尾行、そしてマチが独りになったら、トカゲに連絡。

 あとは復讐でも何でも勝手にやってくれ。ってな感じだ。

 結局以前と何も変わらない。

 トカゲは俺が逃げ出すことを考えなかったんだろうか・・・

 尾行を俺だけに任すなんて・・・意外だった。

 ・・・いけ好かない。

 

 

 それと驚いたのはマチの念能力。

 トカゲの話によると、

 マチは念を糸のように変化させ、さらにその念糸を鋼鉄線のように強化させ、直接攻撃を仕掛けたとのこと。

 その場にいた念能力者十数人が一瞬で輪切りにされたそうだ。

 こんな戦い方、俺のデータにはない。もちろん「狩人の酒場」にも。

 もしかするとこれがマチ本来の戦闘スタイルではないのだろうか。

 だとすれば・・・念糸・・攻防治を兼ね備えた念能力・・・穴が見つからない。

 

 

 

 

 うーん、その他、特筆すべきことと言ったら・・・

 マチの変装。ピタピタスーツにニット帽。ニット帽とったときのファサって感じが/(*´ー`)

 思わず飛びつきそうになった。死ぬとこだった。

 

 あと、フィンクス。

 ノストラードのリーダーを殺害したあと、おもむろに司祭帽を取り出し、かぶる。しかも無言。

 (*´∀`*)え? なに? なにそれ? 新手のギャグ?

 思わず吹き出しかけた。死ぬとこだった。

 

 

 その後、ウヴォーギンは別行動。

 鎖使いにリベンジ。

 あぁ、哀れな鎖使い。挽き肉決定だな。

 

 

 ところがだ、

 ウヴォーギンは戻ってこなかった。

 

 

 あのゴリラを倒せるやつなんているのか?

 ハメたのかな。

 

 しかし、鎖使いの野郎、

 旅団尾行の新たな障害だ。

 やつらは常に周囲を警戒するようになった。

 くそ、尾行がやり辛い。

 

 

 で、鎖使い狩りのため、旅団が考えだしたのが囮作戦。

 マチノブナガが囮となって鎖使いをあぶり出す。

 

 ・・・チャンスだ。

 

 鎖使いがバカじゃなければ狙うのはノブナガだ。

 理由は簡単。帯刀しているという事実。

 それは両手を拘束された状況では何もできないと言っているようなもの。

 

 鎖使いがノブナガだけを捕獲して連去ったとしたら、

 マチは独り取り残される。

 

 あとはトカゲに任せればいい。

 

 

 

 早速、マチノブナガが出かけた。

 よし!

 尾行開始だ!

 

 

 俺がアジトから抜け出そうとした、その時、

 

 「パク、フィンクス・・・2重尾行だ。

 

 

 

 

next  ストーキング12「多重尾行戦! 謎の少年達再び!」の巻 絶対見ろよな!ъ( ゚ー^)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ストーキング12

 やっぱり団長頭いいなー。

 鎖使いがノブナガを狙うという大前提での二人組み。

 ノブナガ1人じゃ鎖使いは罠を警戒する。

 だからマチを付けた。

 マチだけなら振りきれると思わせ、その実、追跡するのはフィンクスとパクノダとマチの3人。

 油断もすきもねー。

 

 でも、だんだん団長の思考傾向が見えてきた。

 結局スタンドプレー。 自分の頭の中だけで計画を練り、肝心の部分は団員にも話さない。

 典型的秘密主義者。

 団員達は団長にとってはコマ。恐らく統率者はそうあるべきという判断からだろう。

 個々の高い戦闘力と統率のとれた行動。それが幻影旅団が最強の盗賊団と呼ばれる理由。

 だが、それこそが幻影旅団攻略の糸口。

 頭がいなくなれば旅団は機能しなくなる。

 団員達に自分の存在をどう説明しているかはわからないけど、

 幻影旅団は頭を潰せば間違いなく崩壊する。

 

 鎖使いは、その事実に気付いているだろうか。。。

 

 と、まぁたまには真面目に考えてみるのだ。

 仕事してる記録を残しとかないと、あとから何言われるかわかんねーからな。

 

 

 現在、広場で張り込み中。

 マチノブナガはオープンカフェでデート気取り。

 ・・・。

 ・・・チョンマゲ、しね (*´∀`*)

 

 フィンクスパクノダは建物の影で張込み。

 俺は全体が見渡せる屋根に張付いている。

   

 

 ピシ!

 うひっ。

 空気が変わった。

 何? なになに? ケンカ? まじで?

 マジで?

 

 ・・・。

 

  

 う、動いた!

 

 よよよよよよし、やるしかねー。

 

 

 まずは前方、マチノブナガ

 続いて、フィンクスパクノダ! 視界の左端に確認!

 そして・・・

 ガキ!?

 あれ?・・・どこかで・・・、

 あ! 腕相撲の!

 あいつらが鎖使いか!? 

 ・・・考えられなくはない。2人同時に「発」を行うという限定条件つきなら可能かもしれない。

 あの絶を見る限り、2人とも相当な使い手!

 

 む、フィンクスパクノダも少年達に気付いたな。

 かわいそうな少年達・・・終わりだ。

  

 

 先頭にマチマゲ

 上方左右に少年2人

 その後ろ、左右に別れて、フィンクスパクノダ

 くそ、

 こんなに疲れる尾行は初めてだ。

 

 絶の達人が4人・・・きつい。

 

 

 

 

 そうこうしてるうちに廃虚に到着。

 

 敵を誘うマチヒゲ

 ひたすら隠れる少年2人

 (鎖出さないなぁ。

 電話をかけるフィンクス

 少年の場所に気付くヒゲ

 (キャー、逃げて−、早く逃げて−(´Д`)

 逃げる少年

 (・・・ムリムリ

 止めるパクノダフィンクス

 見てる俺、

 加勢するマチヒゲ

 あ、チョンマゲ飛んだー。4階まで飛んだー*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(*´∀`*)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!! ブフー。

 捕まる少年達

 見てる俺、

 

 走り去る車・・・

 

 見てる俺・・・

 

 

 

 

 見てる俺・・・

 

 

 

 

 ハハハ、オレの尾行に気付かなかったな! このマヌケ!!

  お前ら、揃いも揃ってバカばかりだな! アハハハハハハハ

  

  アハハハハハ アハハハ

   

   ハハ ハハハ〜ッと・・・

 

 

 

  

 

 ・・・。

 

 

 

 なんか凹む。

 

 すごくブルー。

 

 

 

next  ストーキング13「ルルーペ、キレる。」の巻 絶対見ろよな!ъ( ゚ー^)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ストーキング13

 

 

 

 ・・・ハァ。

 どーせ、俺は尾行だけやってりゃいいんでしょ。別に誰かに褒められたいわけじゃないんだけどさ。

 あ、でもマチとかに褒められたらすごい幸せだろうなぁ。いや、この際、女なら誰でもいいゃ。

 へへへ。

 

 

 

 

 アジトに戻ったら団長がいない。

 しまった。どこに消えたんだろう。

 そして2人組みで行動しだす団員。

 団長命令「派手に暴れろ」を実行するらしい。

 いよいよか。

 チョンマゲは少年達と留守番。ってことはマチは1人!?

 チャ〜〜〜ンス(´ー`)

 と思ったらヒソカとペア。

 ・・・チッ。

 

 俺はマチヒソカペアを尾行することにした。

 

 しかし、なんだかなぁ。

 これだけ難易度の高い任務なのに、達成感がないというか。。

 前回みたいに誰にも気付かれないとマジで凹む。

 かといって気付かれると殺されちゃうんだけどねー。ウヒヒ。

 ウヒヒヒー。

 

 

 つけて歩くこと30分。

 その間、殺したマフィアは約100人。

 改めて確認。旅団はヤバイ。

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 よし・・・

 

 

 

 決めたぞ。

 

 

 もう、ただ尾行するのはゴメンだ。

 やつらに俺のすごさをわからせてやる!

 

 

 

 マチを1人にするチャンスは今しかない。

 これ以上トカゲにつきまとわれるのは勘弁だし、

 何よりカリがあるのは気持ちがいいもんじゃない。

 

 まずヒソカに俺の存在を気付かせる。

 そしてヒソカをひきつけて逃げる。

 ここでマチも追ってきたら計画は破綻するけど、多分ヒソカは1人で来る。

 これは勘だけど、そういう部類の人間だ。 と思う。

 次にマチの場所をトカゲに連絡。

 後は俺の能力『消える男』(サイレントキラー)を再発動。

 ヒソカを撒く。

 

 ここは林の中。

 やれる自信はある。

 なんたって俺は「絶の達人」!ъ( ゚ー^)

 

 ・・・おし。

 

 計画スタートだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・。

 

 

 

 

 

 

 いや、やるよ、俺は。

 

 

 

 

 

 マジでやるよ。

 

 

 

 

 

 

 やるぞ!

 

 

 

 

 

 

 ウ、

 

 ウヒヒ、やってやる。

 

 

 やってやるぞー!

 

 

 ウヒヒ−!

 

 

 

 木陰からの状態でヒソカに石を投げる!

  

 かわすヒソカ。

  

  

  

 

 

 

 

 

 立ち止まり、じっとこちらを探っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 隠れているのに・・・

 見えないはずなのに・・・

 静かに・・・ヒソカの粘っこい視線がまとわりついてくる感覚。

 

 

 

 

 

 

 

 (うわぁぁ、に、逃げ出したい・・・・・いや、まだだ)

 

 

 

 

 

 

 

 「?  ヒソカ。

  どうした? 何かいるのか?

 

 

 「・・・ちょっと用事を思い出した

  ・・・先に行っててくれないか。すぐに追いつくから

 

 

 

 

 「・・・また・・・なんか企んでるんじゃないだろうね。

  これは団長命令なんだから、背くことは許さないよ。

 

 「いや、ただの生理現象だよ。こればかりは僕もどうしようもない。

  何なら手伝ってくれるかい?

 

 「・・・勝手にしな。

 

 不愉快な顔をしてマチは林の奥へ向かって行った。

 

 

 

 

 

 

 (さぁ、ついてこいヒソカ、 いくぞ!「練」!!)

 

 

 

 「クク・・・そっちか

 

 

 

 う、うひぃ!

 来た!!

 

 

 

 

 必死で逃げる!

 

 

 ただひたすら走る! 逃げる!

 

 

 

 木陰を駆け抜け、走ること数百m。

 

 

 

 もうすぐ林を抜ける。

 林を抜けたと同時に『消える男』(サイレントキラー)を発動する。

 ヒソカはこう思うはず。

 身を隠す林がなくなるから、苦し紛れので木陰に身を隠した。と。

 

 よし!

 林を抜けた! 今だ!

 『消える男』(サイレントキラー)!!

 この時点で俺の身体をまとうオーラは周囲の空気と同質に変化する!

 どんな達人だろうと、見えないし、感じない!!

 

 

 

 予想通り。

 ヒソカは林から出てこない。

 

 

 

 

 

 

 俺の勝ちだ!

 

 

 

 

 

 

 林のすぐそばの街へ到着。

 マフィアが規制をしいているため誰もいない。

 

 トカゲにメール。

 よし。

 

 

 あぁ、このスリルたまんねー。

 小さい頃やった鬼ごっこや警泥の感覚ってわかる?

 あの感じ。

 絶対的強者から知恵と足だけで逃げる快感。

 やっぱり天職なのかな。へへへ。

 

 

 

 「・・・見つけた

 

 

 

 ゾクゥ!! (;´Д`)

 

 

 

 ヒ、ヒソカ!!

 

 

 

next  ストーキング14「絶体絶命! ヒソカという生物!」の巻 絶対見ろよな!ъ( ゚ー^)

 

 

 

 

 

 

 

 

ストーキング14

 30m先からゆっくりと歩いてくるヒソカ。

 

 ヤバイ!

 

 路地に逃げろ!

 !?

 行き止まり!?

 クソ、ビルに逃げ込むしかない!

 扉を開き、ビル1階のロビーを突っ切る。

 

 階段に足をかけた。その時。ロビーの扉がゆっくりと開く。

 

 「クックック、無駄無駄

 

 ひぃ!!!

 

 

 なんで?

 「消える男」(サイレントキラー)を解除してないのに。

 どうやって俺を見つけ出した!?

 

 と、とにかく上へ!

 こ、こ、こ殺される!!

 

 うひっ 

 死にたくない

 死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない

 死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない

 死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない

 死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない

 死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない

 死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない

 

 死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない

 

 んんんんんんんんんんんしし死にたくないぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃx

 

 う上へ!

 もっと上へ、早く早く早く早く早く早く早く

 

 はぁ・・はぁ・・・はぁ

 

 くそ、

 ちくしょう

 屋上まで追い込まれた。

 

 

 街は旅団の攻撃でいたるところから煙が上がり、

 激しい戦闘の音がする。

 

 

 隣のビルへは遠すぎて飛び移れない。

 ヤバイって!!!

 マジでコロ、コロコロ、コロコロコ殺さレレレr

 殺される!!!

 

 ギィ・・・ゆっくりと開く扉。

 

 

 (殺られる!

 

 (隠れろ!)

 

 

 

 

 

 ヒソカだ!

 

 

 歩いていく。屋上のビルの端へ。

 そしてゆっくりと街を見渡す。

 パラパラと鳴る武器の音。

 それに混じり聞こえる悲鳴。

 爆発音。

 噴煙。

 まるで地獄絵図のような街。

 

 

 

 「

  絶景♪ 絶景♪

 

 

 

 

 「君もそう思うだろ?

 

 

 

 「出てきなよ

 

 

 

 「出てこないなら・・・

  

  ・・・もう殺しちゃうよ

 

 (;´Д`)

 

 

 「わ、わかりましたー。

  お願いです。なんでもしますから。

  ホントなんでもしますからー。

  だから、だから殺さないで・・・(;TДT)。

 

 ピク。

 ヒソカが一瞬むかついた顔をした。

 

 し、しまった。

 こいつに命乞いは逆効果か!?

 

 ・・・よ、よし。

 こうなったら歌舞いてやる。

 一世一代の大芝居だ!

 

 「君、面白い能力を持ってるね。

  アジトにいる時からずっと尾行してただろ

 

 え!? バレてる!?

 

 「クックッ。

  安心しなよ。僕以外の団員は気付いていない。君の絶は完璧だ

 

 「じ、じゃぁ何であんたは俺の居場所がわかった?

  俺はずっと空気と同質に変化していたのに。」

 

 「そうか、自分のオーラを・・・空気と同質に。

  クックック。

  空気と同質に・・・クック

 

 「何がおかしい!?

  俺の質問にちゃんと答えろよ!!」

 

 ギロ

 

 ぷひぃ(;´Д`)

 

 「僕には、たとえ相手が絶を使ってようと、その存在を探し当てる能力が備わっている。

  俗に言う第6感ってやつ?

  強い奴が周りにいればいるほど僕のレーダーは研ぎ澄まされる。

  ヨークシンに来てからずっと僕のレーダーはビンビンなんだよ。

  通常の絶を使わない君でも例外ではなかったようだ

 

 んなデタラメな。

 

 「周囲に刺激され、オーラがみなぎってくる。

  それを悟られまいと、表面上は平静を装う。

  つまり通常は外に向ける発を・・・内に向ける。無意識に。

  念を感覚に働きかけ、第6感を覚醒させる能力・・・。

  なるほど、そう考えると納得できる。

  念能力が人の性格や感覚と密接な関係があること・・・

  もしかすると僕のレーダーもひとつの念能力なのかもしれないね

 

 「な、なに1人で納得してんだよ!!」

 

 「あぁ、ゴメンゴメン。

  

  さて・・・どういうのがいい?

 

 

 

 ?

 

 

 

 

 「どんな死に方がいい?

 

 

 

 !!(;´Д`)

 

 

 

 

 

 

 くっくっく・・・

  冗談だよ

 

 ?

 

 「君はまだまだ未熟。

  だが可能性は未知数。

  まずは君自身の念能力について考えるべきだ。

  空気と同質・・・僕の予想が当っていれば・・・クックック。

  

  今度合ったときが楽しみだ

  

 

 「それまでに美味しく実りなよ。

  君も僕が食ってあげるから

 

 

 ヒソカは不気味な笑みを浮かべながら去っていった。

 

 

 ・・・よくわからんけど・・・

 

 た、た、

 助かったー(´Д`)

 

 

 

 

next  ストーキング15「最後の尾行! セメタリ−ビル!」の巻 絶対見ろよな!ъ( ゚ー^)

 

 

 

 

 

 

 

ストーキング15

 

 ・・・やっぱな、、、

 慣れない事するもんじゃないな。

 でもよかった。

 生きてて。

 

 

 それと、これは決定済みなんだけど・・・

 俺は旅団追跡任務から降りる!

 まさかヒソカにばれてたなんて・・・

 これ以上は絶対に続けられない。

 

 

 

 

 あ、

 携帯にトカゲからメールが入っていた。

 

 『ありがとう。

  恩にきる。

  では・・・さらばだ。』

 

 

 ある国のマフィアは命と同等以上に義理を重んじると聞く。

 ボスの夢はトカゲの夢でもあった。

 夢を失ったトカゲは死場を探してたのではないだろうか。

 

 ・・・多分、もうトカゲには会えない。

 

 こんな出会い方しなければ、もっと親しくなれた気がする。

 

 

 変だ。

 

 一度しか会ってないのに無性に悲しい。

 

 

 このまま逃げ帰ったら・・・嫌な思い出しか残らないんだろうな。

 

 そう思うと、もう一度冒険してみたくなった。

 

 

 セメタリ−ビル・・・

 

 ヨークシンで最後の強奪計画。

 旅団は一体どんな方法で宝を奪うのだろう・・・。

 ここまで来たんだ・・・探ってやる!

 

 最後の旅団尾行だ!

 

 

 

 

 

 

 

 セメタリ−ビルに到着した時には、何もなかったように競売が始まっていた。

 

 

 俺は舞台裏に忍び込んだ。

 できるだけヒソカに近づかないように・・・。

 

 

 

 驚愕!

 

 

 コピーを競売にかけ、金を手に入れ、手元に本物が残る。

 なんて計画だろう。

 

 最強の盗賊団・・・そうよばれる訳、わかった気がする。

 力ずくで奪うだけじゃない。

 「盗む」「騙す」「操る」に長けた能力者がいる。

 そしてそれを上手く計画に取り込む。

 ・・・不謹慎かも知れないが・・・素晴らしい手口だ。

 

 

 

 今回のネタ、「狩人の酒場」の相場だと情報料は恐らく数億ジェニークラス

 旅団員個々の能力の情報料も合わせると十億くらいはいくだろう。

 

 ビッグな任務だった。

 

 

 

 

 さ、長居は無用だ。

 ヒソカに気付かれると面倒だし。

 さっさと立ち去ろう。

 

 

 

 俺は競売会場を脱け出した。

 マフィアの部下達がたむろしているロビーをすり抜け、

 セメタリ−ビルを出て、

 

 

 

 出て・・・

 

 

 

 

 あれ・・・

 

 

 それからどうしたっけ・・・

 

 

 

 思い出せない。。。

 

 

 

 ん?

 

 確か・・・ビルを出て・・・

 

 

 えーっと・・・

 

 『消える男』(サイレントキラー)は解除せずに歩いてて・・・

 

 

 戦闘で負傷しただろうと思われるマフィアの青年の横を通り過ぎて・・・

 

 

 

 ・・・あれ?

 

 

 

 ん?

 

 

 

 ん?

 

 

 ちょっとまて・・・

 

 

 

 俺・・・・・今、縛られてる?

 

 

 

 

 

 い、椅子に縛られとるーーー!!?(;´Д`)

 

 

 

 

 「お目覚めか。

 

 

 だ、誰? 

 

 

 あ、すれ違ったマフィアの青年。

 

 

 

 ん?

 

 

 

 

 

  

 

 ギャーーーーーーーー!!(;´Д`)

 

 

 

 

 

 クククククロクrコrクrククロくろくくくロクrコロrクロロルシシsルシルシシし死

 

 

 

 

 

next  ストーキング16「クロロの真意」の巻 絶対見ろよな!ъ( ゚ー^)

 

 

 

 

 

 

 

 

ストーキング16

 

 目の前に団長がいる。俺は縛られてる。

 

 絶望的状況。

 考えろ! 助かる方法!

 命乞い・・・駄目だ。

 包み隠さず答える・・・駄目だ。答えた後、殺される。

 何かあるはず。

 何か。

 

 

  

 

 む、

 

 む、

 

 むりだ(*;´ー`*)

 

 

 「お前、名前は?

 「・・・ルルーペ」

 「いつから尾行してた?

 「・・・ヨークシン・・・最初から」

 「・・・誰の命令だ?

 「・・・。」

 「そいつの念能力は・・・鎖じゃないのか?

 「・・・。」

 (ちょっと待てよ。団長は俺が鎖使いの仲間だと思ってるのか。

  

  ・・・・・使える。

 

  生き延びる方法、これしかない!)

 

 

 「どうした、団長? 急に呼出して。

 

 え!?

 フ、フランクリン!?

 

 終わったー。絶対無理。生存確率0パーセントー。

 ウヒヒ−。

 

 「どうだ? 順調に進んでいるか?

 

 「あぁ、みな最後の詰めに入ってる。

  何だ? その男?

 

 「いや、俺の横を何かが通り過ぎたと思ったらこいつだった。

 

 「? 意味がわからんが。

 

 「恐らくこいつの念能力だろう。

  気配がまるでなく・・・そう、空気だった。

 

 「変化系か?

 

 「ああ、

  戦闘後で気が高ぶっていたからな・・・。

  じゃないと気がつかなかっただろう。

 

 あんたもヒソカと同じ口ですか。

 ウヘヘヘ。

 

 「おい、やってみろ。

 

 「・・・。」

 

 「やれ。

 

 「ひぃ!(;´Д`) わわかりましたー。

  『消える男』(サイレントキラー)

 

 

 「おお!

  

  すごいな。

  こいつ本当にそこにいるのか?

 

 「だろ?

  使える能力だろ?

 

 

 「・・・まさか、

  仲間にしようとか考えてんのか?

 

 「いや、鎖野郎の仲間という可能性もある。

 

 「盗むのか?

 

 「あぁ。

  だが、今盗むのはもったいない。

 

 

  フランクリン、これは誰にも話したことがないんだが・・・

  俺が盗んだ念能力はいつでも引き出すことができるが、

  鍛えることはできないんだ。

  つまり、盗んだ時点の習熟度のままだということ。

 

 「・・・今のこいつの念能力は真の能力じゃないってことか?

 

 「恐らくな。

  俺の予想が正しければ、こいつの念能力は化ける。

  

  そこでフランクリン、お前の手を貸して欲しい。

 

 おいおい、なに言ってんの?

 この人たち。

 

 「そこからこいつ目がけてぶっ放せ。

  派手にな。

 んひぃ!!

 な、なにゆってんのー、この人ーーーーー!!?(;´Д`)

 

 「盗むんじゃなかったのか?

  こいつ死ぬぜ。いいのか?

 

 よくない!!

 

 「かまわん。

 

 かまわない!!(;TДT)

 

 「いいか・・・よく聞け。

  

  微生物、植物にも微弱だがオーラがある。

  空気中に溶け出したオーラは、希薄ながらも確実に漂っている。

  

  お前は無意識のうちにそれを感じ取り、周囲の空気と同質に念を変化させた。

  

  俺の言いたいことがわかるな?

 

 「わかりません!!

  ホント、わかりません!!(;´Д`)

 

 「そうか・・・じゃぁ死ぬだけだ。

 

 ひぃいぃぃぃぃいぃぃぃ。

 

 た、助けて−!!

 

 「考えるな。感じろ。

  生きようと思え。

 

 「いいか団長?

  やるぞ。

 

 「ああ、

  やれ!

 

 ちょ、ちょっとま

 

 

 

 「俺の両手は機関銃」(ダブルマシンガン)

 

 

 

 ドドドドド!!!

 

 う、うわあああああああああああああ!!!

 

 

 ブチブチブチ!

 ボキバキバキ!!

 

 

 

 

 ぐあぁ、肉がちぎれる! 骨が折れる! 砕ける!!

 

 

 

 

 っもうぅだめだぁ・・・

 

 

 せめて・・・どうせ・・殺されるなら・・・

 

 マチに・・

 ・・・絞め殺され・・たかった・・・

 

 

 ガク(((|||´ー`)

 

 

 

 

  

  

  

  

 

 

 

 ん?

 

 

 切れたのは縄。

 

 砕けたのは・・・椅子?

 

 

 俺は・・・

 

 無傷だ!!

 

 しかも、、、なんだ? このみなぎるオーラは!!!

 

 

 このオーラは・・・

 

 フランクリン!!

 

 俺は、フランクリンになっている!?

 い、いや違う。

 俺の念がフランクリンの念と同質に変化したのか!?

 そしてフランクリンの念弾を吸収した!!

 

 「バカな・・・

 「あはははは!

  まさかここまでうまくいくとはな。

  

  自分の念を、相手の念と同質に変化させる能力。

  念の無効化と吸収。使い方次第で強力な武器となる。

  その念能力・・・なんと名づけようか?

 

  『変装の達人』(カメレオンマン)・・・・・しっくりこないな。

  それに可能性という点で狭義だ。

  

 

  そうだな・・・。

 

  『道化の切札』(ゴールデンパス)と名づけよう。

  どうだ? 新しいお前の能力だ。いい名前だろ。

  口に出して言ってみろよ。

 

 「俺のもう一つの念能力・・・『道化の切札』(ゴールデンパス)・・・。

  自分の念の性質を、相手の念と同質に変化させる能力・・・。」

 

 「そうだ。

  そしてこの時点で条件はクリアされた。

 

 ?

 あれ? 団長の手に本が・・・。

 持ってたっけ?

  

 

 「・・・その念能力、いただこう。

 

 

 

 

 

next  ストーキング17「起死回生なるか! その男、『ハンター狩り』!!」の巻 絶対見ろよな!ъ( ゚ー^)

 

 

 

 

 

 

  

ストーキング17

 

 近寄ってくる団長。

 

 くそ、後ろは壁、逃げ場がない!!

 

 会話から察すると、団長の念能力は相手の能力を奪い、自分のものにすることができる。

 無茶苦茶な能力だけど、その分、制約が厳しいはず。

 だけど団長はクリアしたと言った。

 

 ヤバイ。

 

 盗まれたら俺は不要。

 間違いなく殺される!!

 

 逃げないと!!

 でも・・・ どうしたら・・・。

 

 やっぱりだ。慣れない事するからこうなるんだ。

 もうだめだ・・・。

 

 終わりだ・・・。

 

 

 

 「・・・観念したか。

  物分りがいい。抵抗すれば死なない程度に動けなくしているところだ。

  

  じっとしてろよ。

 

 目の前にクロロ。 その後ろにはフランクリン

 

 

 ダメだ!!

 

 

 目を閉じた。その時!

 

 ドカ!

 

 ぐぁ! 蹴られた! 

 

 でも、、、クロロじゃない。

 

 ゲホ、、、誰が!?

 

 

 

 

 「ぷっ。

  ルルーペ・・・なにやっとるんじゃ。こんなとこで。

 

 

 あ、

 あんたは・・・、

 

 リキ!  

 俺たちの組織の爺さん!!!

 

 

 

 

 

 「爺さん・・・

  何でこんなところに?」

 

 

 「いや、オークションで激レアな碁石が出品されると聞いてな。

  それをゲットしに来たら、たまたまお前が連れ去られるのを見つけたんじゃ。ぷっ。

 

 そんな偶然あってたまるか。

 

 「でも・・・リキ爺じゃダメだ。

  逃げろ!

  こいつらは幻影旅団! そしてそいつが団長クロロ・ルシルフルだ!

  俺やリキ爺が敵う相手じゃない!」

 

 「・・・リキ?

 口に手をやるクロロ。何か考えてる。

 

 

 「まぁまぁ・・・

  坊主は黙って見とれ。

 

 黙って・・・って、、、

 あんたみたいなヨボヨボの爺さんが勝てるわけねーだろ、アホ−、ボケ−(;´Д`)

 あ、ホントにボケてんのか。。。

 でも、、、敵は爺さんに気を取られてる。

 チャンスかも。

 今のうちにこいつらから少しでも遠ざか・・え?

 

 

 ななな何だ、この桁外れのオーラ・・・

 

 

 爺さん!?

 

 え?

 

 え?

 

 えぇーーー!!!?(;´Д`)

 

 

 

 どんどんオーラが膨れ上がってる。

 

 

 

 

 ひ、ひぃ!!

 

 

 

                           「虎咬拳

  

 

 

 

 

 

 ううひいひひひひっひいいいいいいぃいぃぃぃぃ!!!(;´Д`)

 

 な、なんじゃこりゃ〜〜〜〜!!

 

 

 

 

 !!

 

 

 

 リキ爺が消えた!!

  

 あ!

 一足飛びでフランクリンとの間合いを詰める!!

 

 

 速い!!!

 

  

 

 フランクリンは・・・動けない!!

             「神の一手!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ザグ!!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 う、うぎゃーーーーーーーーーーー!! (;´Д`)

 でででデタラメだ! 何だこの破壊力!!

 

 

 壁に、、フランクリンの身長の5倍はある巨大な爪痕が!!

 

 

 

 

 こ、これが・・・虎咬拳!!

 

 

 

 でも、フランクリンは!!?

 消えた!!!!???

 

 あ!!

 クロロの後ろに・・・フランクリン。

 え? 何で?? 瞬間移動??

 

 

 

 

 

 

 

 「それもお前さんが盗んだ能力か?

 

 

 

 「はぁ  はぁ  はぁ

  ・・・す、すまん。団長。

 

 

 「気にするな。相手が悪い。

  

  極限まで極めた虎咬拳。その年齢。その名前。

  

  あんた・・・

  『ハンター狩り』だろ?

 

 「・・・。

 

 「

  知ってるぞ。。。ハンターハンターと名乗った唯一のハンター。

  集めたハンターライセンスは推定100。

  現在の賞金額は歴代3位。殺したのが政界人や資産家じゃないからこのランク付けだが、

  最も危険な賞金首として伝説になった男。。。

  まさか、まだ生きてたのか。

 

 

 おいおい。マジですかー。

 俺、今までリキ爺にタメ口聞いてた。

 ・・・殺される。(´Д`)。

 

 「若かりし頃のゾルディックの爺さんが、唯一しとめ損なったのが・・・あんただったよな。

  その戦いは竜虎の死闘として、それもまた伝説となっている。

 

 なんか・・・俺のこと、みんな忘れてます?

 今のうち逃げようかな。

 

 「ふふ、今日は実におもしろい日だ。

  ついでに爺さんの能力もいただくか。

 

 「ぷ。

  強がりじゃな。

  お前さん、どこかで1戦やってきたんだろ。ぼろぼろだし。

  それに虎咬拳は盗んだところで、自分じゃ使えないことくらいわかっておるくせに。

  それでも戦るか? 良くて相打ちだぞ。わしも無駄に死にたくないからな。

 

 「・・・

  こいつも・・・食えない爺さんだ。

 

 「じゃ。  坊主はいただいて帰る。

  今度もし会ったとき、お前さんの体調が万全であれば、、、勝負してみるか。

 

 「・・・考えておく。

 

  それと・・・

  今、隠れて逃げようとしてるお前。

  そうお前だ。名前は・・・ルルーペだったな。

  その能力必ず手に入れる。それまでせいぜい死なないでくれよ。

 

 な・・名前覚えられた(´Д`)

 

 

 「爺さん、最後に聞かせてくれ。

 

  このヨークシンの裏で・・・何が起きてるんだ。

 

  表面上、俺たちとマフィアの抗争に見えるが、何かが動いている気がしてならない。

  あんたの組織が絡んでいるんじゃないのか? 爺さんの目的は?

 

 「・・・真実の伝道師。

  黒龍の骨から作った碁石。超年代物の囲碁板。

  人一人とっても様々な目的がある。

  お前さんらは盗賊なりの目的。マフィアはマフィアの目的。市長は市長の目的。観光客は観光客の目的。

  今回この街には様々な人が集まってるから、様々な思惑がうごめいている。

  お前さんが、裏で動く『何か』を錯覚してしまうのもそのためじゃろ。

 

 「ふ・・・まったく・・・食えない爺さんだ。

 

 

 「さ、長居は無用。いくぞ坊主。

 

 

 

 

 

 

 そして、俺はこの危機を乗り切った。

 

 

   

 

 

 

next  ストーキング18「エピローグとプロローグ」の巻 絶対見ろよな!ъ( ゚ー^)

 

 

 

 

 

 

 

ストーキング18

 

 「あの、、、リキ爺、さん。

  今までタメ口きいてすんませんでした。

  

 

 

 「何んじゃ、気色悪い。

  別にええよ。いまさら。

  仲間だし。

  

  ああ、そうじゃ。

  これ。

  お前にやる。

 

 ん? 携帯? にしては凝ったつくりだな。

 

 「それは最新の小型無線端末機。

  世界中のどこにいても人工衛星を介してデータをやりとりできるすぐれもんじゃ。

  近距離ではトランシーバーのように端末同士の直接通信として使える。

  新入りのルルーペは知らんだろうが、組織の連絡のやり取りを今までそれでやっとった。

  今後はそれを使うといい。マスターにはわしから連絡しとく。

 

 「リキ爺は?  これからどうするの?

 

 「碁石と碁盤と棋譜・・・。

  まだまだ欲しいもんは山ほどあるし。

  オークション楽し! 最高!

 

 「じゃぁ、さっき言ってた『真実の伝道師』って? 何?」

 

 「・・・ま、お前もわかるときが来るわ。

  人に聞くもんじゃないからな。

 

  さ、

  わしはもう行くから。

  多分すぐにマスターから次の指令が来るだろ。

  流石にもう幻影旅団の追跡はできんだろうしな。

 

 「わかった、ありがとうな、リキ爺。

  ほんと・・ありがとう(TДT)

 

 「ま、これからは命を大事にな。

  お前の新しい能力・・・『道化の切札』(ゴールデンパス)だっけ。

  あれは育てれば、かなりいい感じになるぞ、多分。

  他人から『ありえない』と思われる能力ほど、いい能力じゃからな。

  通常そういう能力は、キツイ制約でがんじがらめにせんと得られんが、

  ルルーペのは特に制約がいらんからの。

 

 「・・・なんで?」

 

 「お前がやったのは『自分の念を変化させた』だけのこと。

  変化系なんだからお手のもんじゃ。

  だが、何に変化させるか・・・ここで重要になってくるのが人の性格や感性。

  つまりルルーペという人間だから可能にした能力なんじゃ。

 

  何かにつまづいた時は自分の内面に問いかければいい。

  念とは己の内面を具現することだから。

 

  大事にせえよ。

  じゃ、またな。

 

 

 リキ爺は賑わう街へ軽快に歩いていった。

 

 

 

 ヨークシンは夜なのに狂ったような熱気に包まれていた。

 

 マフィアのオークションが開かれている区間は規制がしかれて、人っ子一人いなかったのに。。。

 

 他の場所では・・・こんなに賑やかに・・・華やかに競売が行われていたんだ。。。

 

 ごったがえす人を掻き分け歩く。。

 

 

 疲れた。。

 

 

 眠い。。

 

 

 そこのホテルで・・・寝よう。。。

 

 

 

 長い・・・一日だった。。。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・またお前か・・・

 

 

 ・・・何度言ったらわかる・・・

 

 ・・・飯をくわせてやってるんだから。うちの子の勉強のじゃまをするな・・・

 

 ・・・お前はさっさと掃除でもしてろ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・ねぇ。あなた・・・

 

 ・・・あの子、いつまでうちで面倒みる気? わたし、もういやよ・・・

 

 ・・・しょうがないだろ。あいつの親の兄弟は俺だけなんだから・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・最近、あの子、おとなしくなったわね・・・

 

 ・・・あぁ、自分の立場がわかってきたんだろ・・・

 

 ・・・人の顔色ばかりうかがって・・・

 

 ・・・演じてるんだろ・・・俺たちが考える「理想の養子」を・・・

 

 ・・・まるで私達の心を読まれてるみたい・・・

 

 ・・・気持ちが悪いわ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・学校から呼出されたわ・・・

 

 ・・・うちの子が何かやったのか!?・・・

  

 ・・・いえ、ルルーペよ・・・

 

 ・・・なんだ、ルルーペか・・・・・で、なにを仕出かしたんだ・・・

 

 ・・・何も・・・

 

 ・・・じゃぁ何で?・・・

 

 ・・・何もやらないそうなの。宿題は普通にやる、授業は静かに聞く、みんなとは遊ばない・・・

 

 ・・・いつも一人・・・まるで存在感がないんですって・・・

 

 ・・・目立つことを極力避けて・・・

 

 ・・・いるのに・・・・・いないみたいだ・・・って・・・

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 見慣れない天井。

 

 

 

 いやな・・・夢だ。

 

 リキ爺があんなこというから・・・思い出した。

 

 でも・・・納得した。自分の念能力のルーツ。

 

 

 ピピピピピ ピピピピピ ピピピピピ ピピピピピ ピピピピピ 

 

 リキ爺からもらった機械がデータを受信したみたいだ。

 

 ピコン!

 

 液晶画面に映ったのは・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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マスターだ。

 

ルルーペ、今回の任務ごくろうだった。

 

幻影旅団に関する貴重なデータ・・・君でなければ採取することはできなかっただろう。

感謝する。

 

 

 

いきなりだが次の任務だ。

 

近日、ヨークシンの地下競売で『グリードアイランド』というゲームが競売にかけられる。

これを落札するのは恐らく大富豪バッテラ。

 

そのバッテラがグリードアイランドのプレーヤーを募集するという情報を手に入れた。

プレーヤーを募集するということは空ゲームがあるということだ。

そしてゲーム機を保管してあるのは、とある古城。

 

何人募集するかわからないし、どんな強者が選考会に出てくるかもわからない。

 

そこで君には選考会が行われる前に古城に潜入してもらい、『グリードアイランド』に入ってほしい。

 

 

目的はクリアではない。

 

 

『グリードアイランド』の情報を少しでも多く集めてほしい。

『グリードアイランド』に関する情報は『狩人の酒場』でもごく少量。しかも高額だ。

 

つまり君の働きによってハンター協会を出し抜くことができる。

 

リスクは少なくないが、君なら可能だと確信している。

 

 

本当は君には休暇を用意する予定だったのだが、選考会までに時間がない。

是非、協力してほしい。

 

 

 

『グリードアイランド』の取扱説明書と資料、古城の地図を添付しておく。確認してくれ。

 

 

  

 

・・・そうそう、

『グリードアイランド』からは『ある条件』をクリアすると、貴重なアイテムを持ち出す事が可能らしい。

もし君がそれを手に入れることができたなら、それは君のものだ。

 

 

では、幸運を祈る!

 

 

 

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第3章  もうひとつの念能力

 

 

 

 

 

 

 next  グリードアイランド編突入!! 第4章『3枚』 スタート!!

          古城に辿り着く前にいきなりの危機!!  ストーキング19「切れない鎖」の巻 絶対見ろよな!ъ( ゚ー^)

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

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