ストーキング68

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「・・・俺と同質の念のまま・・・気を失ったか。

 

 

  それがお前の選んだ死に方ならもう何も言わn

  

  

 

  

 

  

 

  何だ?

  

  まだ立てるのか?

 

 

 

 「ルルーペ! 

  もう・・立つな・・・

 

 

 

 

 「・・・レイザー・・

  死刑囚を雇用した・・・

  雇用者に背いた場合・・・厳罰・・・殺害も許可・・・

  雇用者は死刑囚を・・常に管理化に置かなければ・・・逆に・・雇用者が罰せられる・・・」

 

 

 「

  うわ言か? 気でもふれたか?

 

 

 「・・・レイザーは雇用者・・

  ・・それと同時に・・・

  死刑囚・・・でもある・・・

 

  レイザーは・・雇用された・・・

  あんたの・・・雇用者は・・・ジン・・

  伝説のハンター・・・いわば命の恩人・・・」

  

 

 「ゴンとの会話を聞いてたお前なら、当然知っていることだ。

 

 

 

 「・・・矛盾・・・

  

  死刑囚が死刑囚を雇用・・・?

  

  ありえない・・・絶対不可能・・

  レイザーの部下の死刑囚達・・・あいつらの雇用者は・・・

  手続き上・・・

  あんたじゃないな・・・

  

  恐らく・・・別のゲームマスターが雇用した・・・」

 

 

 「それがどうした?

  わかったところで何の意味がある?

 

 

 「・・・レイザー・・・

  ゲームマスター・・・のひとり・・

  放出系システムを担当・・」

 

 

 「ああ、私が最初に島外から船で侵入した時、レイザーがそう言った。

 

 

 「・・・ゲーム立上げから・・・

  開発に携わっていた・・

  

  この島を・・ゲームに変えた・・・

 

  この島は・・・ジンとその仲間達が所有権を持っている・・

  つまり・・・ジンの・・・管理下だ・・・

 

  ・・・あんたは・・・死刑囚・・・

  外界から隔離された島内は・・管理下・・・

  行動の自由が・・約束されている・・・

  雇用者と同伴でなくても・・・管理下に・・・いる・・・ことになる」

 

 

 「・・・ルルーペ?

 

 

 「・・・ナンバーゼロ・・・審判者・・

  オーラがゼロの場所に具現化は不可能・・・

  結局・・・ナンバーゼロは・・・高位悪魔を変化させてナンバーゼロを具現化させていた・・・

  

  それと同じ原理・・・・・起こっていたのを・・・見た

  

  

  

  ・・・支配者オンリースペル・・・

  

 

  あんたはバインダーを持ってない・・・指輪もしてない・・・

  番号を・・・発言しただけで・・・

  手にカードが出現した・・・

  念の無いところに具現化は不可能・・・

  

  カードは・・・あんたの念を材料に・・・具現化されたんだ・・

  そして・・・重要なのは、そのカード番号・・・

  

  『マイナスゼロゼロなんとか』・・・なんて・・普通の生活をしている限り絶対に発言することはない・・・

  シンプルかつ・・・巧妙な・・・発動条件・・・」

 

 

 

 「・・・何を言いたいのか今いちつかめないが、

  やはりお前は危険だ。

  次こそ立てなくしてやるよ・・

 

 

 

 

 くそ! ルルーペ!!

  逃げろ!!

 

 

 

 

 

  ラアァ!!

 

 

 

 

 

 メシメシ バキョ ベキ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「・・・なぜだ?

 

  なぜ、まだ立てる?

 

 

 

 「もう・・痛みを・・感じていないのか・・?

 

 

 

 「・・・つまり・・

  支配者オンリースペルカードの具現化条件は・・・

 

  ・・島内で

  ・・番号を発言すること

  ・・あらかじめ登録されたゲームマスターの念でのみ具現化できる

 

 

 

  ・・・俺は・・・

  今・・・すべての条件を・・・     」

 

 

 あ

 

 

 俺が・・・答えを見つけて・・・戻ってきた

 

 

 俺だ・・・

 

 そう、俺は・・・ルルーペだ!

 

 

 戻った!

 

 

 

 

 「そう!

  今、俺の念はあんたと同質! 俺はレイザー! 

  制約をすべてクリアできる現在の俺はゲームマスターだ!

  

  『マイナスゼロゼロt・r・e・・』 」

 

 

 ブン!

 

 

 よし! できた!! 具現化成功!!!

 

 

 

  油断した。

  ゲームマスターになる・・か。

 

  だが!

  『-005』!!

 

 

 

 

 -005 消滅(ディスアピアレンス) -

 

 RULER ONLY 

 

 半径20m以内に存在する指定した呪文カードをすべて消し去る。

 防御不可能。                  (近)(特)

 

 

  

 

 

 「お前が具現化したカード、

  番号が聞き取れなかったが、何を具現化したかはわかる。

 

  ルーラーオンリースペルで俺から逃げれるカードはひとつしかない。

  外法には外法を!

  残念だったな!!

  『消滅』(ディスアピアレンス) オン! 『空門』(スカイゲート)!!

 

 

 

 

 ・・・

 

 

 

 なんだと?

  

  『空門』じゃ・・ないのか?

  いったいそのカードは・・・何だ!?

 

 

 「 この支配者オンリースペルは特殊呪文、

  通常の魔法カードで唯一、『特殊呪文』に分類されるカード・・・『徴収』・・・

  半径20m以内のプレイヤー全員からランダムにカードを奪う。

  しかし、半径20m以内にいても術者本人は効果の対象外・・・当然といえば当然、これが『特殊呪文』の特性だ。」

 

 もういい!

  何をたくらんでようが関係ない!! 

  今すぐ!首をへし折って殺す!!

 

 おおおおおおおお

 

 

 

 

 ドガン!!

 !!

 レイザーがよろける!

 

 

 「・・・あたしを甘く見るなよ。

  手足を拘束されていても・・ハァ・・念弾は放出できる・・

  ・・ありったけの念を込めた・・・ハァ・・

  『硬』状態の今のあんたには・・・効くだろ?

 

 

 

 ぬおおお、

 女ぁ!!!

 

 

 「この魔法カードは消去者(デリーター)の役目を担うあんただけが使用する・・・

  それが支配者達の暗黙の了解だったはず。

  

  あんたは放出系システム担当として、

  ゲームとして機能する以前からこの島に入り開発に携わった。

  あんたは死刑囚・・・ゆえにジンの管理化であるこの島から一度として出ることはできなかった!

  つまりレイザー、

  あんたはゲームマスターでありながら、正規のルートで入島しなかった唯一の不法侵入者なんだよ!

  

 

 

 まさか!!

 

 

 「もう遅い!! 飛ぶのは俺じゃない! あんただ!

 支配者オンリースペル!!

 

 『排除』(エリミネイト)!! オン!!

 

 

 

 

  -003 排除(エリミネイト) −

 

  RULER ONLY

 

  G.Iに不当な方法で侵入したものすべてを

  アイジエン大陸のどこかへ飛ばす

                         (遠)(特)

  

 

 

 

 う、うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお

 

 

 

 

 

 

 

 バシュゥゥゥゥ!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

  

 

 

 

  next  ストーキング69「支配者の審判」の巻 絶対見ろよな!ъ( ゚ー^)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ストーキング69

  

  

 

 

 

 

 

 

 レイザーは消えた。

 

 

 

 

 レイザーが具現化していた悪魔達も・・・。

 

 

 

 

 

 巨大なオーラが突如消え去り、

 このだだっ広い草原は、見えない穴が開いてしまったかのような喪失感に・・・静まり返った。

 

 

 

 

 

 

 

 「か

 

  勝った・・・」

 

 

 

 

 ルージュは・・・倒れてる。

 

  

 

 「・・・大・・丈夫?」

 

 

 

 「さっき・・すべての念を放出したからね・・

  

  あと数秒遅ければ・・レイザーの悪魔達に絞め殺されていた。

  

  でも・・・ハハ・・だめだ。

  両手両足、鎖骨、肩甲骨が・・粉砕骨折してしまってる・・

 

  回復にまわす念すら残ってない。

  

 

  ルルーペ、

  

  私を置いていけ。

 

  早く、ここから・逃げろ。

 

 

 

 

  

 「・・・逃げる?

  

  いったい、どこへ?

  

 

  それに・・

  俺も・・・ダメみたいだ。」

 

 

 

 

 

 ドザ

 

 

 

 

 

 

 地面だ。

 

 

 全身が痛い・・・視界がぐらぐらする・・

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 キイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン!

 

 

 

 

 

 「へ、

  へへ、

  早くも、、来やがった。」

 

 

 

 

 

 

 ザン!!    ザン!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「おう!?

 

  なんだ、ふたりともぶっ倒れてるじゃねーか。

 

 

 「・・・満身創痍ですね。念も微弱だ。

 

 

 

 この・・声は・・・

 

 

 

 「あのレイザーと戦ったんだからなぁ、まぁ無事ではすまないわな〜。

 

 

 「ドゥーンさん、どうします?

 

 

 「どうするっつってもなぁー。

  

 

  おい!

  お前ら! 起きろ!!

  

  ったく!

  レイザーぶっ倒したっていうから楽しみにして来たんだぜぇ!!

 

 

 「ドゥーンさん、まだ酔ってます?

 

  失敗したなぁ・・・ひとりで来ればよかった。

  というか、寝てて戦闘のあらすじ知らないですよね?

 

 

 「あん?

  こいつらがレイザーぶっ倒したんだろ?

  で、、

  あれ?

  レイザーは?

 

 

 「ったく、これだもんな。

 

 

 

 こいつら・・リーメイロ城の番人ゲームマスター・・・

 

 

 へへ、、万事休す・・だ

 

 

 もう体を動かすどころか、、、喋ることすらできない

 

 

 

 「お二人さん、生きてますかー?

 

 

 

  ・・・

 

  動くことすらできない、、、か。

  ま、こちらにとっては好都合。

 

 

 

 こっちに向かって、歩いてくる・・

  

 猫っ毛の・・・小柄なゲームマスター

 

 

 くそ・・・

 

 

 

 

 「さて・・・

  お二人さん、

  まだ意識はあるでしょ。

  

  

  なかなか見れるもんじゃないからね。

  

  

  よく見ておくといい。

 

 

  

  彼女の、

  

  神々しい姿を。

 

 

 手にカード・・?

 

 

 

 

 

 ま、まぶしい・・

 

 

 光の中に・・・美しい・・女・・

 

 

 あったかくて・・・なんてやさしい・・・

 

 

 包まれるような吐息・・

 

 

 あぁ・・

 

 

 体の痛みが引いていく・・・

 

 

 

 こ、

 

 これは?

 

 体の傷が消えた?

 

 

 

 

 そ、そうか。

 

 指定ポケットカード・・017番・・・

 

 

 「・・・『大天使の息吹』・・・」

 

 

 

 「そう。

 

  僕達の最高傑作です。

 

 

 「でも、、どうし・・」

 

 

 あれ?

 

 

 「・・ ・」

 

 

 声が・・

 

  

 

 「『大天使の息吹』の効果は、

  遺伝子情報を読み取り、肉体を本来あるべき姿、つまり遺伝子の設計図どおりにリセットさせるだけ。

 

 

  消費した念は回復しない。

 

  

  君達は当分起き上がれない。

 

 

  今はoton..a..s............

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・聞こえない

 

 

 

 

 ・・視界が回る・・歪む

 

 

 

 

 

 

 ・・・もう

 

 

 

 

 

 

 ・・・疲れた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・見慣れない天井・・・

 

 

 

 

 

 

 以前にも・・・こんなことあったっけ・・・

 

 

 

 

 

 

 なんか・・随分昔のできごとのように感じる・・

 

 

 

 

 

 

 「・・・?」

 

 

 

 起き上がろうとするけど、うまく力が入らない。

 

 すごい脱力感・・・

  

 

 

 

 

 なんとか起き上がると、

 本をひざに置き椅子に座り、うとうとしているルージュの姿が目に入った。

 

  

 

 

 石壁の、、、意味もなく大きい部屋。

 

 

 見覚えがある。

 

 

 

 リーメイロ城の一室だ。

 

 

 

 

 

 喉が渇いた。

 

 

 

 「・・・水・・。」

 

 

 

 「・・・ルルーペ?

  

  やっと、お目覚めか。

 

 

 

 

 水を入れてくれた。

 

 

 「ここリーメイロ城だよね。

  俺達は・・あれからどうなったの?」

 

 

 「リスト・・あの小柄なゲームマスターが、

  『大天使の息吹』で私達の肉体を回復させた。

  その後は、

  私も意識を失ったから覚えてないけど、

  2週間は眠り続けていたらしい。

  

  あんたはさらに2週間。

 

 

 

 「そ、そんなに!?」

 

 

 「私自身、念がすっからかんになったのは初めての体験だったからね。

  回復にここまで時間がかかるとは思わなかった。

  

  あんたの場合はもっと深刻だったみたいだけど。

 

 

 「深刻?」

 

 「そ。

  リストが言うには、

  あんたの場合、戦闘で脳にかなりの負荷がかかったみたいって。

  その状態で、『大天使の息吹』によって急に体が回復したもんだから、

  体の制御をつかさどる脳神経にさらに負荷がかかり、オーバーヒート、、、システムダウン。

  当分は目覚めないだろうって言ってたけど、

  まさか1ヶ月とはね。

 

 

 「そうか・・・1ヶ月も。

  でもゲームマスターはなぜ俺達を・・・

 

 

  あ、

  え?

  じゃぁ、、、レイザーは!?」

 

 

 

 

 「そのことなんだけどね・・・

 

 

 

  

 

 

 

 

 

  next  ストーキング70「支配者の真意」の巻 絶対見ろよな!ъ( ゚ー^)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ストーキング70

 

 

 

 

 

 「そうね・・・じゃぁ、まずは私達が生かされた理由から説明するわ。

  

 

  『プレイヤーがゲームマスターを戦闘不能もしくは殺害した場合、

   そのプレイヤーを迅速に拘束、確保する。』

 

  これがゲームマスター達の『ルール』だったみたいなのよ。

  だから私達も彼らの『ルール』によって生かされ捕らえられた。

 

 

 「?

  ということは・・・

  あらかじめ想定されていた事態ってこと?」

 

 

 

 ルージュはうなずき、淡々と喋り始める。

 

 

 「グリードアイランドのようなプレイヤーの自由度が高いゲームでは何が起きてもおかしくない。

  ゲームマスター喪失時のシナリオを想定しておくのも当然といえば当然。

 

  でもね・・・

  捕らえられた理由がわからない。

  ゲームマスターが私達に友好的なのも気になる。

 

 「確かに、

  目覚めてもルージュは拘束はされていないし、

  監禁というよりは保護って感じだね。

 

  じゃぁ結局、理由は教えてくれなかったんだね。」

 

 

 「そう。

  君が目覚めてから説明するとルージュには約束したからね。

 

 !!

 

 小柄なゲームマスター・・・確か名前はリスト。

 

 いつこの部屋に入ってきたんだ・?・・・まったく気付かなかった。

 

 

 

 「おはよう。

  気分はどうです?

 

 ニコリと無邪気な微笑みを見せる。

 

 ・・・。

 

 なるほど。

 ルージュが戸惑うわけだ。

 

 

 「お、おはようございます。

  あの、

  ありがとうございます?

  かな?

  何て言ったらいいかわからないけど、、

  とりあえず、

  ありがとう。」

 

 

 「どういたしまして。

  

  しかし、君、すごかったね!

  ルーラーオンリースペルの『会議(ミーティング)』で、

  戦闘中の会話を聞いていたけど、

  まさか、ふふふ、

  『排除(エリミネイト)』とはね。

 

 「は!

  俺は嫌いだね。

  男ならガチで勝負だろ。

 

 ドアが開いて、もうひとり入ってきた。

 ぼっさぼさの髪のゲームマスター・・・名前は、、、たしかドゥーン。

 

 「僕は好きですよ。

  知恵も立派な武器ですからねー。

 

 「だいたい、レイザーのやつ油断しすぎなんだよ。

  こんな小僧にやられるなんてよ。

 

 

 う、(;´Д`)

 めちゃ睨まれてる。

 

 

 「名前はルルーペだったか?

   

 

 

  ま、

  何はともあれよくやった!!

  おめでとう!!ルルーペ!!

 

 

 へ?

 うわ、すっごい笑顔? え?

 

 

 「ね。

  戸惑うでしょ。

 

 「う、うん。」

 

 

 「ねぇ、

  そろそろ教えてくれてもいいんじゃない?

  ルルーペは目覚めたんだしさ。

  

  私たちはなぜ保護されたの?

 

 

 リストとドゥーンは顔を見合わせる。

 

 

 「それはね、

  君達がゲームクリアしたからです。

 

 「はぁ?」「はぁ?」

 

 「あぁ、そっか。

  ゲームクリアっていうとちょっと違うね。

  シナリオクリアって感じかな。

 

 「シナリオ・・クリア?」

 

 

 「グリードアイランドには、

  条件をクリアすると特別なアイテムが手に入るシナリオがいくつか用意されている。

  その1つを、お前達はクリアしたわけだ。

 

 「もともとはね、

  グリードアイランドは、シナリオを自分で探して、プレイヤーがそれぞれの目的で、

  自由にプレイするゲームだったんですよ。

 

 「え?」「

 

 「そう。

  もともとプロハンター専用のゲームとして創ったからな。

  プレイする目的は自分で見つけ出すのが当然。

  ところがだ、

  ゲームの目的も見出せないプレイヤーが続出した。

  自業自得だからな、そのままにしておいてもよかったんだが、

  プレイヤーがゲーム入口付近の町でもたついて、うまく流れない。

  そのうえ、俺達が苦労して製作したグリードアイランドが、つまらないゲームと思われるのもな、

  癪(しゃく)だったしな。

 

 「そこで数ある特殊アイテム獲得条件の中から、

  『指定ポケットカードのコンプリート』をゲームクリア条件として設定したわけです。

  選んだ理由はコンプリートまでにゲームシステムをフルに楽しめるから、かな。

 

 

 「だからそれ以外のクリア条件は、

  『裏クリア条件』としてゲームクリア条件の影に存在することとなった。

  

  そのシナリオを見つけること自体かなり難しいんだけどよ、

  すげーのいっぱい用意してるんだぜ。ホントは。

 

 

 「その中で、君達がクリアしたのは、

  『ルーラーを発見し、ルーラーであるという確たる証拠を突きつけ、そのルーラーとの戦闘で勝利する』

 

  このシナリオをクリアした者は、まず無傷ではすまないから、

  回復させ暴れられる前に拘束する。

  で、趣旨を説明して、納得してもらって、ご褒美のアイテムを贈呈する。

  

  どう?

  納得しました?

 

 「でも、俺もルージュも拘束されてないよ。」

 

 「それはお前らが弱いからだよ。

 

 (;´Д`)

 

 「ドゥーンさん。

 

 「ルーラーの中じゃ戦闘に不向きなお前より数段弱いぜ、こいつら。

 

 「まぁ、それはそうかもしれないけど。

  ストレートすぎます。

 

 

 「・・・否定はできない。

 

  あんたらは化物だ。

  それはもう認めてる。

 

 ルージュの顔色がよくない。

 

 

 一瞬の沈黙。

 

 

 「レイザーと戦って『恐れ』を知ったか。

  

  でも自信は無くすなよ。

  現実世界じゃお前はいい線いってる。

  俺たちルーラーのレベルが桁外れてるだけだからな。

 

 「レイザーが言ってたように、僕達は『世界』をクリアしつくしました。

  RPGで例えるとルーラーはレベル90以上のプレイヤーです。

  

  でも、君達はまだまだ『世界』を知らない。

  これからのプレイヤーですからね。

 

 

  いいなぁー、うらやましいよ。

 

 

 リストの言葉に裏はない。

 本当に、心から、うらやましがってるんだ。

 

 ハハ、

 すげー。

 こんな人達が、この世界にはいたんだ。

 

 

 

 

 

 「じゃぁ、

  これから君達が手にする『カード』の説明をしますね。

 

 

 

 

 

 

 

  next  ストーキング71「フリーポケットアイテム999番」の巻 絶対見ろよな!ъ( ゚ー^)

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

ストーキング71

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 999   魔方陣 『十座解放』    SS-1

 

 

 

       『大魔王召喚』

 

 

 

 闇よりグリードアイランドを支配する『存在』に、あなたは気付いた。

 このカードはその頂点に君臨する大魔王ジンを、一度だけ召喚することができる。

 召喚後、大魔王との戦闘は回避不可能。

 決死の覚悟で臨まれたし。          

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 い、

 

 

 

 

 い、

 

 

 

 

 い、

 

 

 

 

 

 いらね〜〜〜〜〜〜〜(;´Д`)

 

 

 

 

 

 「なにこれ・・・?

  大魔王ジンって、

  あんた達のリーダーのジン=フリークスのことでしょ。

 

 

 

 「

  そっか、

  ルルーペの尾行のせいで僕達のリーダーがジン=フリークスってこと知ってるんですよね。

  知らなきゃ結構驚くと思うんだけどなぁ・・・。

  

  せっかくRPG風に大魔王とか魔方陣とか雰囲気出したのに意味ないですね・・・残念。

 

 

 「でも、

  ジンと戦うなんて絶対イヤっすよ。」

 

 「はぁーー!?

  っっつたくこれだからなぁ!!

  お前なぁ、ジンと戦うなんてこと今やこのカードでもない限り実現不可能だぜ!?

 

 「いやそんなこと言われても・・・」

 

 「からだ、うずかねぇか? こうゾクゾクと?

 

 「震えはしても、うずきはしないです(;´Д`)

  っていうか、このカード、他に使い道は?

  貴重なアイテムと交換できるとか高額換金できるとか?」

 

 「いいえ。

  大魔王ジンを召喚し戦うことができる、

  ただそれだけのカードです。

 

 

 そんなぁ(;´Д`)

 

 

 

 「あ、そうだ! 忘れてた。

  もう一枚あげます。

 

  はい。

 

 

 

 やった!

 

 なになに・・・

 

 

 

 

 

 

 

 2001       R        SS-5

 

 

 

           R

 

 

 

           -

          

 

 

 

 

 

 

 

 「なんじゃこりゃ?」

 

 

 「ふふふ、

  これはもっと意味ないカードだよ。

  もちろん換金もできないし、特別な効果もない。

 

 「いわば、あれだよ、あれ。

  勲章。

 

 

 

 い、

 いらね〜〜〜(;´Д`)

 

 

 

 

  

 

  「・・・。

 

  

  ねぇ、

  もし、

  ジンとの戦闘に勝利すれば?

  どうなるの?

 

 

 

 「」 「

 

 

 

 

 ・・・

 

 

 

 

 

 「うーん・・・

 

  ありえないと思って実は考えてないw

  

  そうですねー。

  そのときはグリードアイランド全部あげます。

  指定ポケットカードのオリジナルも全部含めてね。

 

 「おう、やるやる全部やるよ。

  もともとグリードアイランドはジンが発案したものだからな。

 

 

 ぜ、全部・・・

 

 

 偶然、ルージュと目が合った。

 

 瞳が潤んでいる・・いや違うな・・・光ってる(;´Д`)

 

 

 「フフフ、

  お二人さん、気が変わったかな?

 

  でも、ちょっと問題が起きててね。

  残念ながら999番の魔方陣は現在使用不可能なんです。

 

 「厳密にいうと、そのカードの効力をOFFに設定させてもらった。

 

 

 「え? 問題って?」

 

 

 

 「そうか・・・レイザーか。

 

  

 リストはコクリと頷いてみせた。

 

 

 「・・・そうだ・・レイザーは!?

  あれから1ヶ月経ったんだよね。

  今、どこに!?」

 

 「ふっふっふ、

  ルージュにも真っ先に聞かれたよ。

  お前ら、レイザーにはこっぴどくやられたみたいだからなぁ。そりゃ当然気になるわなー。

 

 

 「あんたらの話では、

  レイザーが外界に飛ばされた後、向かった先は・・・

 

 

 

 「・・・トリックタワー・・・

 

 

 ?

 

 トリックタワー・・・聞いたことあるぞ。

 何だったっけ・・・?

 ! そうだ!

 

 

 「トリックタワー・・・知ってる。

  凶悪犯罪者が収容される刑務所で、脱出不可能なようにあらゆるトラップが仕掛けられている。」

 

 

 「そう、

  だがそれはあくまで建物の1階以上の話だ。

  念能力の素質のない犯罪者はタワー部分に収容される。

  

  だが、

  念能力者もしくはその素質がある者はトリックタワーの地下に収容される。

  

  その名もグラウンドロック

  

  そこは『念能力封じ』のあらゆる技術を集結させた大監獄だ。

  ちなみに以前レイザーも地下に収容されていた。

 

 

 「念能力の存在は一般人には知られていないから、

  念能力者の犯罪者はひと目に触れない場所に収容する必要がある。

  トラップだらけの派手な塔は絶好の目くらまし。

  本当に重要なのは地下ってわけです。

  タワーと地下じゃ刑務所長も別に存在しますし。

 

 

 「・・・まったく知らなかった。」

 

 

 「つまり、レイザーは自首したってことね。

  自分がジンの管理下から抜け出してしまったから。

 

 「まぁ、そういうことだ。

  あいつは基本的に真面目だからなー。

  頭が固いというか、頑固というか・・・融通が利かねーんだよ。

 

 

 「レイザーは・・・どうなるの?」

 

 

 「もともと彼は死刑囚だったから・・・

  恩赦は取消、死刑執行日が早期に確定するはずです。

 

 

 「・・・そんな・・」

 

 

 ドゥーンとリストは顔を見合わせる。

 

 「ぷ、

  やっぱり君は面白いね。

 「お前、レイザーに殺されかけたんだぞ?

  なのに、なんて顔してんだよ。

  ふっふ、最高だな。

 

 ルージュも呆れた顔で俺を見てる。

 

 

 「・・・話を戻すけど、

  それだけじゃジン召喚の効力停止の理由にならないでしょ。

  続きは?

 

 

 「レイザーはプロハンターに雇用された死刑囚だからな、

  雇用規則を破ったからには、

  当然、雇用主も刑務所に呼び出される。

  つまり、

  現在ジンはトリックタワーの地下、グラウンドロックにいる。

 

 

 

 

 

 

 

   next  ストーキング72「領域解除」の巻 絶対見ろよな!ъ( ゚ー^)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ストーキング72

 

 

 

 

 「ジンがグラウンドロックに・・・

  なるほど・・・

  だから今グリードアイランドへ召喚するわけにはいかないってわけね。

 

 「そういうこと。

 

 「それで?

  レイザーの刑執行を止めることはできるの?」

 

 

 ドゥーンはぼさぼさの頭をボリボリと掻きながら、大きなあくびして面白くなさそうな表情を浮かべる。

 

 「ぶっちゃけ難しいな。

 

 「過去の判例を見る限りね・・・

  例えダブルの称号を持ってるジンが、執行停止を申請しても通る望みは薄い。

 

 

 「まだ結論は出てないわけね。

 

 「あぁ、

  だがジンが到着してもう数日が経過する。

  何かしら進展はあったと思うけどな。

 

 

 リストは何かを思い出したように手のひらをポンとたたく。

 

 「じゃぁ直接ジンに聞いてみますか!

  

  実はねルルーペ、

  君が目覚めたら連絡するようにジンに言われているんです。

  今からジンと交信(コンタクト)して下さい。

 

 「え?

  グリードアイランドから外界へ交信(コンタクト)

  そんなことできるの?」

 

 

 「特別な方法を用いればな。

 

 にやりと笑うドゥーン。

 

 

 「現在スペルカードの効力範囲はグリードアイランド内とプログラムしてあるけど、

  規制をかけなければ、実は世界中で使用可能なんですよ。

 

 「! ほんとに!?」

 

 「つまり規制を外して、効果範囲全世界の本来の力に戻すわけだ。

 

 「その規制って何?

 

 「あれ?

  確かルージュは島外から船で侵入したことがあるんですよね?

  そのとき気付きませんでした?

 

 「・・・ムリムリ。

  あの薄さは究極だからな。

  船の揺れの中だしな、かなりの使い手だとしても、そう簡単に探知できるもんじゃない。

 

 「

  薄さ・・・ 

  ま、まさか・・

 

 

 「そう、円だ。

  

  このグリードアイランドは円で覆われている。

  スペルカードの規制とは、『島を覆う円内部で発動する場合、対象は円内部に限られる』だ。

 

 

 ちょ、ちょっと待て、、、ありえるのか・・・範囲が広すぎる、

 

 「そんなバカな・・・いったい誰の?」

 

 

 「イータもしくはエレナ

  ゲーム入口と出口のナビゲーターの女性です。

 

  彼女達の円によって常にグリードアイランドの状況が管理されています。

  だから、島外からの不法侵入もすぐに察知可能なんです。

 

 (;´Д`)

 

 「・・・む、むちゃくちゃだ。」

 「・・・

 ルージュは鋭い目付きで沈黙する・・・・・額に汗がにじんでいる。

 

 

 「おめーら、イータとエレナのこと甘く見てただろ?

  世界中探しても、念のコントロールという点であの2人の上をいく念能力者はいないぞ。

  外見ガキだけどよ。

 

 「あ、でも円についてはカラクリはありますよ。

  ボクが造った装置で増幅、拡大、安定の補助はしてる。あと、イータとエレナのチャンネルの切替も。

  じゃないと流石の彼女達でもここまで広範囲かつ常時継続の円は無理だからね。

  

 「スペルカードだってイータとエレナの本来の念能力に特殊効果を付加させたものなんだぜ。

  あいつらの念能力は、始点と終点のマーキングとベクトル・・・

  実際戦ってみろ・・・恐ろしく戦りづらい相手だぞ。

 

 『・・・ちょっと、

  なに人の能力勝手にベラベラ喋ってくれてるんですか。

 

 

 

 い!?

  イータ?

 

 『・・・私も聞いてたわよ。

 

 

 「・・・エレナも・・

  ハハ、会議(ミーティング)使ってたんだ・・・

 

 苦い表情のドゥーンとリスト。

 なるほど彼女達には頭が上がらないんだ(*´ー`*)

 

 『他のルーラー達も会議(ミーティング)使って聞いてるわよ。

 

 「な、なぁ、

  会議(ミーティング)開始時は効果音入れることにしようぜ。

  心臓にわりーよ。

 

 『聞かれて困るような会話しなけりゃいいのよ。

 

 「う!・・・何も言い返せねぇ。

 「ぷっ

 

 

 『まったく、、、

  いつまで経っても話が進まないから、ここからは私とイータにバトンタッチね。

 

 「はい。。」「はい。。

 

 『では、

  ルルーペ様、ルージュ様、この度はおめでとうございます。

  私はスタート地点の案内人イータです。

 『私は出口案内人のエレナです。

  

  じゃ、ここからは私達が『ジンと会話する段取』を説明するわね。

  まず最初に、

  今からルーラー限定以外のスペルカードの効力をOFFにします。

 

 『次に、グリードアイランドを覆っている円、つまり魔法領域規制を解除します。

 

 『その後、私エレナからジンに会議(ミーティング)を発動します。

  ジンとの会話を聞きたいルーラー達は会議(ミーティング)の相手を私につなぎ変えて下さい。

 

 『ルルーペとルージュの両名は、

  リストもしくはドゥーンの周囲5m以内にいれば声は拾えますので、

  彼らを通してジンと会話して下さい。

 

 『何か質問は?

  

 「ちょ、ちょっと待って!

  ・・・ジ、ジンと会話・・

  ここ心の準備が・・」

 

 『ふふ、大丈夫よ。

 

 『では、開始します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ピンポンパンポーン

  

  システムメンテナンスのため数分間すべてのスペルカードの効果発動を停止いたします。

  なお現在までに発生しているスペルカードによる効果は継続いたしますのでご安心ください。

  ご迷惑をおかけしますがご協力お願い致します。

 

  ピンポンパンポーン 

 

 

 

 

 

 「流石に手際いいな。

 「なんか圧巻ですね。

 

 

 

 『エレナ、円領域解除完了よ。

 

 

 『みなさん、私につなぎ直しましたか?

 

  では、いきますよ!

 

 

  会議(ミーティング) オン!  ニッグ!!

 

 

 

 ?

 

 ニッグ?

 

 

 

 

 

 

 

 『ジン、聞こえますかー?

  こちらエレナです。

  彼が目覚めたわよ。

 

 

 

 

 

 

 

 ジン=フリークス・・・

 グリードアイランド開発の総責任者にしてゲームマスター達のリーダー・・・

 

 

 

 

 

 

 ドクン

 

 

 

  

 

 

 

 ドクン

 

 

 

 

 

 

 

 ドクン

 

 

 

 

 

 

 

 

 ドクン

 

 

 

 

 

 

 

 

 『・・・ジンだ。

  

 

 

 

 

 

   next  ストーキング73「ジン=フリークス」の巻 絶対見ろよな!ъ( ゚ー^)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ストーキング73

 

 

 

 

 

 

 『・・・そう・・・

  

 

 

  我が名は・・・ジン・・

 

 

 

 

  この世界の闇に君臨する大魔王ジンだ!!

  

  クックック・・・

 

  我が世界の秩序を乱し俺様を呼んだ愚か者は・・・お前か?

 

 

 

  

 

 

 

 

 (;´Д`)

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『・・・あの、ジン?

  

 

  こっちはもう・・・そういうノリじゃなくなってるんですけど・・・

 

 

 「ぷ。

  空気読み間違えてる。

 「ぶふっ。

 

 

 

 

 ・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 『・・・。

  

  

 

 

 

 

  あー、

  

  レイザーを飛ばした奴は? いるか?

 

 

 

 そのまま流したぜw

 しー

 

 

 

 「あの・・・僕ですけど。」

 

 

 『名前は?

 

 

 この声の主が・・・ジン。

 声の印象は、ワイルドだけど凛とした透明感がある・・・強い意志とみなぎる力を感じる・・・

 

 

 「ル、ルルーペです。」

 

 

 『ルルーペ・・・・・経緯はレイザーから聞いた。

 

  俺達が創ったシステムの盲点をつく、素晴らしい戦法だった。

  レイザーの負けというよりは、俺達ルーラー全員の負けだ。

  

  よくやったな。

 

 

 「そんなことないです。

  僕の念能力が偶然ハマっただけです。

 

 『そうか? 謙遜するなよ。

 

  それともうひとり・・・

 

 

 「・・・ルージュ、

  と今は名乗っている。

 

 

 『ルージュ、

  魔女と長老の秘薬の件も聞いた。

  よくここまで辿り着いたな。

 

 

 「あぁ、あんたらが盗み出さなきゃここまで困難な道ではなかった。

 

 「おいおい、ルージュそれは違うぜ。

 ドゥーンが独り言のようにつぶやく。

 

 「何が違うのよ。

  国宝として厳重に保管されていたのに。

 

 

 「実はね、あの国は財政難から

  国宝を売却していたんですよ。

 

 「

 リストの方に振り向くルージュ。

 

 「国宝の売却なんて国の名折れですから、

  当然表立って売るわけにもいかず、結局販売ルートはブラックマーケット。

 

  表向きは『盗難にあいました』ってわけ。

 

 

 『あの念具は歴史に残る秀作だ。

  ブラックマーケットに消えるには余りにも惜しかった。

  だから売却される前に俺達が盗み出した。

 

 

 「偽装する気まんまんだったのに本当に盗まれたわけだ。

  ざまーみろってな。

 

 

 「・・・本当なのか。

 

 

 「嘘か本当か、あの国について調査してみるといいですよ。

  グリードアイランドに辿り着いたことより遥かに簡単なはずですから。

 

 リストも、ドゥーンも笑顔をうかべている。

 嘘はついてない。

 

 

 「・・・まぁいいわ。

  それは後から調べる。

  それより・・・

 

 ルージュは視線を俺の方に向けた。

 

 

 「そうだ、レイザーは!?

  どうなったんですか?」

 

 

 リストやドゥーンの表情も真剣になった。

 

 

 

 

 空気が緊張で満たされる。

 

 

 

 

 レイザーは・・・

 

 

  ダメだ。

  

  早期の死刑執行は免れない。

  その判決が数日中に言い渡される。

 

 

 「・・・そんな。」

 最悪の結果だ・・・レイザーは自ら名乗り出たのに・・・厳しすぎる。

 

 「・・・やっぱり、ダメか。

  『ジン=フリークス』を持ってしても・・・

 

 

 「まぁ予想はしていましたけど、

 

  例外を作るべきではない・・・か・・、

  保守的で前例主義・・・・・吐き気がするね・・」 

 

 ピリピリピリ

 !! オ、オーラが!

 (;´Д`)

 リストの眼つきがヤバイ

 

 「・・おい。

 ドゥーンがリストの肩をたたく。

 「・・・何ですか? 大丈夫ですよ。

 

 

 

 ・・・やっぱりヤバイよ、この人達。

 

 

 

 『で?

  どうするの?

 

 『拉致しますか?

  レイザーもマーキング済みですから、私とエレナの能力なら一瞬で引っ張れますよ。

 

 『無理だ。

  レイザーはすでに念封じの監獄に収容されている。

  外からの念も完全にシャットアウトされる。

 

 

 「・・・打つ手なし・・・か。

 

 

 

 『いや・・・無いわけじゃないんだ。

 

  実はな、

  レイザーの判決の延期と恩赦の要請を出してもいいと、

  俺に提案してきたやつがいる。

 

 

 「・・・ちょっと待て、

  ダブルのお前ですら却下されたんだろ?

 

  それ以上となると・・・

 

 

 「いったい、誰ですか?

 

 

 

 

 

 『・・・ハンター協会会長サイドからだ。

 

 

 !

 ハ、ハンター協会・・・会長!?

 

 ! ネテロのじじいぃ!?

 

 

 『いいや、本人じゃない。

  爺さんの秘書から俺に連絡があった。

 

 

 『・・・ますます意味わかんないわね。

 

 『どうも複雑なんだよ。

 

  まず今回の提案は秘書の独断らしい。

  つまり爺さんは知らないってことだ。

  そして交換条件をこちらが呑むことが大前提。

  条件を承諾し行動に移した時点で、レイザーの判決の延期が確定、

  条件を成功させた時点で、レイザーの死刑執行延期と再雇用が確定する。

 

 

 「何ですか、それ?

  ・・・今、ネテロの周りで何か起きてるんですか?

  

 リストさん・・ピリピリしてるなぁ。

 

 ドゥーンと目が合った。

 (リストのやつハンター協会のこと大っ嫌いなんだよ。

 やっぱり(;´Д`)

 

 

 『手短に言うぞ、

  危険生命体が発生した。

  大型のキメラアントだ。場所はNGL。

  そいつらは人を捕食し合成繁殖、勢力は急拡大、しかも念能力を使いこなせるらしい。

 

 !!

 

 「NGL・・・キメラアント・・・ハハ、確かに最悪だね。

 

 『だろ?

 

 「で? ネテロのじじいが直々に討伐に向かったってか?

  そんなにヤバイのか?

 

 『相手がキメラアントだからな。

  女王が王を産む前に潰さなければならない。

 

 「・・・なーるほど。

  よめたぜ。

  今回のことで協会の内輪揉めが表面化したわけだな。

  だからハンター協会からの依頼じゃなく、会長の秘書からの依頼ってわけだ。

 

 『ご名答。

 

 「・・・いつまで経っても何も変わってない・・・・・下らない連中ですね。

 

 「で?

  ジンと俺達に討伐隊に加われってか?

  いいねー、久々に暴れるか!?

 

 

 『いや、

  条件はそういうことじゃないんだ。

  対キメラアントのため討伐隊も少数精鋭、計画に合った能力のハンターを選んだってことだ。

  つまり、爺さんの筋書きどおりに進めることが一番だと秘書は考えている。

 

 「違うよジン・・・

  ネテロが仕切って計画立てたのに、僕達が横槍入れてキメラアントを叩いたら会長サイドの体裁が悪くなるからでしょ。

  世界の危機より地位と名誉、簡単で単純で低レベルな動機ですよ。

 

 『ま、周囲の人間はそうかもしれないが、爺さんは信念を持って行動してると思うぜ。

  それを壊す必要はないのも確かだ。

 

 「なら何だよ、条件って?

 

 『爺さんの筋書き通りに進めながら、かつ戦力を増大させ、

  勝利を確実なものにしたいわけなんだが・・・

 

  ここからはルージュにも関係がある。

 

 

 「は!? 私?

 

 

 『そうだ。

 

  今から会長秘書が提示してきた条件を言う。

  よく聞いてくれ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハンター協会会長秘書からの交換条件

 

 

 

 

 

 

『ネテロ会長を見つけ出し、魔女の若返り薬を手渡す』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

第12章「アナザーエンディング」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 グリードアイランド編、ついに大団円!!!

 次回、第13章「エピローグ・・・そして」

   next  ストーキング74「条件×条件×条件」の巻 絶対見ろよな!ъ( ゚ー^)

 

 

  

  

  

  

 

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