ストーキング62

 

 

 

 

 レイザーが一歩、一歩、近づいてくる。

 

 

 

 狭い地下通路、後ろは鋼鉄の扉、

 くそ、

 仕方ない。

 先手必勝! 逃げるが勝ちだ!

 

 「ブック!」 「ブック!」

 

 どこにどの呪文が入っているかはすべて記憶してある。

 『離脱』(リーブ)は一番取りやすい場所に入れてある!

 

 

 「ゲームオーバーだと言っただろ。

 

 !

 レイザーの手にカードが!!

 

 

 

 -005 消滅(ディスアピアレンス) -

 

 RULER ONLY 

 

 半径20m以内に存在する指定した呪文カードをすべて消し去る。

 防御不可能。                  (近)(特)

 

 

 

 『消滅』(ディスアピアレンス) オン! 

  『離脱』(リーブ)『同行』(アカンパニー)『磁力』(マグネティックフォース)!!

 

 

 シュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・

 

 

 ぐ!!

 そんな!

 『離脱』(リーブ)が煙になって消えた!?

 

 

 「・・・逃がす気はないみたいね。

 

 ヤバイ!

 どうする!?

 

 落ち着け!

 冷静に。

 冷静に。

 ・・・何か手があるはず。

 

 考えろ!

 

 

 「上にいた2人は?

 

 

 「殺した。

 

 「! 

  あの人達はただ操られていただけだぞ!」

 

 

 「操った奴の仲間がほざくな。

  

  操作されたのは自業自得だ。

  俺の邪魔をしたから殺した。

  それだけだ。

 

 

 やっぱり、イカレてる。

 命の価値というか、重み、そういうもののとらえ方がシンプルすぎる。

 人間味がない。

 

 

 「ギギ

 

 「へ?ギギ?」

 

 !!

 

 こいつら!! レイザーの念人形!!

 俺達の足元の床から上半身だけを出し、がっちり足を!!  掴まれた!!

 う、動けない!!

 くそ、全く気付かなかった!!!

 

 「ぐっ!!

 

 ヤバぃ!!(;´Д`)

 

 「まずはお前からだ、女

 

 !!

 

 オーラの塊がレイザーの手に!

 来る!! あの時の強烈なスパイク!!

 何か手は!!?

 考えr・・・! 

 そうだ!!

 

 ブン!!

 死ね

 ズギャン!!!

 重い念の塊がルージュに向かっt

 

 左遷(レルゲイト) オン!!  ルージュ!!」

 

 バシュ!!!

 

 ドガン!!!

 ルージュは消え、後ろの鉄の扉が吹き飛ぶ!!

  

 見えた!!

 宝物庫内部!! ナンバーが振られた大小様々な箱が!!

 

 「ハハ・・・オリジナルアイテム。

  ビンゴだ!」

 

 「左遷(レルゲイト)か。

  その呪文の存在自体忘れていた。

 

 「へへ、残念でした。

  こんなのもあるよ。初心(デパーチャー)!! オン!!」

 

 バシュ!!

 

 

 

 

 よし、まずは脱出、

 

 次だ、

 考えろ、

 

 

 

 

 

 

 

 

 ザン!!

  

 

 

  

 

 見渡す限りの草原。

 キノコのような形の建物。

 スタート地点だ。

 

 もう視線は感じない。

 

 

 左遷(レルゲイト)で飛んだルージュの居場所は、調べなければわからないはず。

 初心(デパーチャー)で飛んだ俺の居場所はスタート地点と決まっている。

 レイザーも初心(デパーチャー)で飛んでくるか、

 もし持ってなければ支配者オンリースペル空門(スカイゲート)を使ってやってくる。

 恐らく座標は(0, 0)。

 ルージュより先に俺を片付けに来るはず!!

 挑発したし!!(;´ー`)

 

 

 「消える男(サイレントキラー)発動!!」

  

 

 今の内になんとか逃げろ、ルージュ。

 

 

 俺1人ならなんとかなる。

 多分。。。

 

 さぁ、来いやぁ!! レイザー!!

 

  

 

 

 

 ィィィイイイイイイイイン!!

 ザシュゥ!!

 

 

 

 

 レイザー!!

 

  

 き、来たぁぁぁあぁぁあああぁあああ!!!(;´Д`)

 ホントに来たぁ!!  いやぁぁあぁぁぁああぁああ(;TДT)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 ・・・考えろ・・・

 

 

 

 

 

 

 

  next  ストーキング63「退路を断て!!」の巻 絶対見ろよな!ъ( ゚ー^)

 

 

  

  

 

 

 

 

 

  

ストーキング63

 

 

 

 

 レイザーは周囲を見回す。

 

 

 

 俺の姿は見つけられない。

 

 当たり前だ。

 俺は消えている。

 

 

 

 「出て来い

 レイザーはスタート地点の建物に向かって言う。

 

 小屋の裏に隠れていると思ってるんだろう。

 残念。

 俺はあんたの後ろの草原にいる。

 

 もちろん20m以上の距離はとっている。

 

 約40m。

 

 

 今は動かない方がいい。

 

 レイザーの動きひとつひとつに集中するんだ。

 

 

 

 

 

 

 「-001

 

 ブン! 

 レイザーの手にカードが出現した!!

 

 

 

 

 

 

 -001 会議(ミーティング) -

 

 RULER ONLY 

 

 指定したルーラーと会話できる。

 複数指定した場合、同時通話可能。

 時間無制限。

                                 (遠)(特)

 

 

 

 

 

 

 「会議(ミーティング) オン! イータ!

  

 イータ、聞こえるか?

 

 

 「聞こえてるわ。

  フフ、大変みたいね。

 

 「プレイヤー名、・・・ルルーペ、だったか、、

  そいつの座標を教えてくれ。

  ちなみに、左遷(レルゲイト)初心(デパーチャー)を持っているかどうかも調べてくれ。

 

 

 やばい!(;´Д`)

 

 

 「オッケー。

  

  ルルーペ・・・、

  確か私に大量殺戮が起こることを予告したプレイヤーね。

  

  

  座標 (1,2)

  左遷(レルゲイト)も初心(デパーチャー)も持ってないわ。

 

 

 「

  座標 (1,2) だと?

 

 

 レイザーが振返る。

 そして、

 ゆっくりと草原を見渡す。

 

 

 「・・・なるほど。

 

  そういう能力者か。

 

 

 

  久しぶりだが・・・

  しかたない。

 

 

 

 

 

  円!!

 

 

 !!

 

 レイザーの念が、みるみる膨れ上がる!!

 周囲を飲み込む! まるで爆風!!

 なんてスピード!!

 くそ!! 逃げr ダメだ!! 飲み込まれる!!

  

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・円とは、自分の念を空気中に満たすこと。

 そうすることで、その中に存在するすべての物質の形状、動きを察知することができる。

 もちろん、その中に紛れている別の念も察知できる。

 

 

 恐らく、

 

 俺は今、レイザーから見ると、空気の塊。

 そう。

 人間の形をした空気の塊。

 

 

 

 「そこか。

 

 

  もう隠れても無駄だ。

  姿を現せ。

 

 (;´Д`)

 

 

 

 

 ・・・しかたない。

 

 解除だ!

 

 「・・・くそ!

 

  いったいどこまで円を広げたんだ。」

 

  

 「とりあえず、

  この草原一面だ。

  

 

  ・・・しかし、まぁ、広げすぎたな。

 

 

 

 ば、化物だ。

 

 

 

 

 ィィィィィィィィィィイイイイイイイイイイン!!

 

 

 ザン!!

 

 「ルージュ!!」

 

 「何!? この空気・・・

  円!?

 

 「フ、探す手間が省けたな。

 

 

 「なんで戻ってきたの!?」

 

 「ひとりでカッコつけてんじゃないよ。

  それに、アタシはこの男に用事があるんだ。

  

  あんたは逃がしてやる。

 

 !

 ルージュがこっちに向かってくる! 

 左遷(レルゲイト)で俺を飛ばす気か!?

 

 「おっと!

  そうはさせない。

 

 

 「ギ!

 

 バキ!!

 

 な!? ルージュがいきなりよろけた!

 今、空中からレイザーの念人形の上半身が出てきて攻撃した!?

 

 「ギギ

 「

 うを!?

 俺の周りの空間からも念人形の手が!!

 固められた!?

 

 ルージュも両手両足をつかまれて動けない!

 

 

 「俺の円の中では、どこであろうと具現化兵を自由に出し入れできる。

  例え空気中であってもだ。

  

  零距離からの攻撃がいつでも可能。

  これぞ俺の念能力の真骨頂だ。

 

 

 

 ・・・。

 

 「・・・その念能力名・・・『14人の悪魔』だな?」

 

 ほう。

  一坪の海岸線のイベントのことを知っているのか?

  

 

  そのとおりだ、

  この念能力は『14人の悪魔』

  1〜14までの使い魔を具現化できる。

 

 

 ・・・。

 

 

 いいや、嘘だな。

 俺の予想が正しければ・・・

 

 ・・・最悪だ。

 

 

 

 最後に聞いておく!

  お前達の目的は何だ?

  やはり指定ポケットのコピー元のオリジナルアイテムの盗み出しか!?

 

 

 

 「・・・

 

  ハ!

  盗むだって!?

  

  盗んだのは・・・

 

  お前達だろう!!

 

 

 

 

 「え?」

 

 

  

 

 

  next  ストーキング64「極秘指定人物」の巻 絶対見ろよな!ъ( ゚ー^)

 

 

 

 

 

 

 

 

ストーキング64

 

 

 

  

 ゲームマスター達が盗んだ?

 

 

 

 「どういうこと?」

 

 

 「私がグリードアイランドに入った目的は・・・

  ある指定ポケットアイテムを回収するため。

  

  それは、

 

  64、65、66、67、68、69!

  魔女と長老の秘薬シリーズ!!

  

  亡くなった祖母が・・・生前、念で精製したものよ。

 

 

 「? 

  死んだ後も具現化し続けてるの?」

 

 

 「具現化と精製とは全くの別物なのよ。

  素材に念を織り込みながら形作ることにより、本来持ち得ない性質や効能を付加する念の高等技術・・・

  裏四大行のひとつ『精』

  

  結局、祖母は権力者に利用され、

  その後は『魔女』として国を追われた。私を含む家族共々ね。

  そして自分の能力を忌みながら、数年前、死を迎えたわ。

  祖母は人の喜ぶ顔がただ見たくて必死に作っただけなのにね。

  

  ・・・。

  私は、

  『魔女の秘薬』と呼ばれた祖母の念具すべてを回収するためにハンターになった。

  指定ポケットアイテム64〜69は、あんたらがある小国の国庫から盗み出したものだ。

  

 

 「盗みではなく、

  ハント、と言ってほしいものだな。

 

 「・・・ジンと、

  その仲間達が盗み出したってことか。」

 

 「

  

  なるほど。

  お前、一坪の海岸線のイベント中に『消える能力を使って潜入していたな?

  俺とゴンの会話も聞いてたわけだ。

 

 レイザーは不気味な笑みを浮かべ、

 細い目でこちらを見つめる。

 

 

 「 

  お前達にいいことを教えてやろう。

 

  指定ポケットカードのアイテムの大半は、

  ゲームマスターであるジンとその仲間達がハントしたものだ。

  まぁ、中にはゲームマスター自身が精製したアイテムも含まれるがな。

  

  つまり、

  現実世界で実在した宝を手に入れ、グリードアイランドの指定ポケットアイテムとして利用している。

 

 

 「そんなことは、

  クリア報酬が指定ポケットカード3種の持出しであることを知ったときから予想はできていた。」

 

 「そうか。

  どれも現実離れしたアイテム、実在するのが信じられないのが普通なのだが・・・

  『精』の知識もないくせに、勘のいい小僧だな。

 

 この状況を打破できる策を考えなければ・・。

 それまで何とか時間を稼ぐんだ。

 

 

 「それにしても、

  あんたらのボス、ジンってハンターは凄いんだね。」

 

 「私が外の世界で調べていた時も、

  結局、誰が盗んだかまでは辿り着けなかったからね。

  まぁ、ジン=フリークスが相手ならしょうがないか。

  極秘指定人物に登録されている数少ないハンターだから。

 

 

 「極秘指定人物

  って、その人物に関する情報はwed上ですべて規制されるっていうアレ?

  登録するには莫大な金と権力が必要って聞いたけど。」

 

 レイザーが口を手で覆う。

 何か考えてる素振りだ。

 

 

 「ひとつ。

  

  ジンが自分を極秘指定人物に登録した理由・・・・・何だと思う?

 

 

 ・・・おかしい。

 何を言い出すんだ?

 

 

 「偉大なハンターにも露呈すると困る一面があるんだろう?

  悪の一面が。

 

 

 「・・・いや、

  

  レイザーとゴンの話を聞いていたからなんだけど、

  もしかして・・・

  ゴンが自分の居場所を簡単に探せないように・・・

  っていう理由じゃないの?」

 

 

 

 

 「・・・なるほど。

 

 

 

 

  どちらも、ハズレだ。

 

 

  ジンが自分を極秘指定人物に登録した理由は・・・

  

  

  

  世界を面白くするためだ

 

 

 

 「?」

 

 「・・・なんだ、それ。

 

 

 

 

 「逆に言うと・・・世界をつまらなくさせないためだ。

 

 

  

  ジンは・・・

  この世界の謎という謎、

  未知というもの、秘境、魔境、財宝・・・

  少なくとも、この10年前まで謎として世界に残っていたすべてのものが、

  

  ジンによってハントされ尽くした。

 

  

 

  近年、『新発見!』、『遂に解明!』、と世間を騒がせていることの大半が、

  実はすでにジンによって暴かれて数年経ったものを、

  別のハンターが再発見したにすぎない。

 

 

 マジかよ・・・。

 

 「そんな、

  申請すればトリプルどころの話じゃないじゃない。

 

 「価値観からすでに常人とは違う。

  俗とは別の次元に生きている。

  ジンとはそういう男だ。

  

 「じゃぁ・・・

  このグリードアイランドは・・・」

 

 「『世界』という名のゲームをクリアし尽くしてしまったジンとその仲間達が、

  退屈しのぎに自らが支配者となりゲームを作り出した。

  

 

  ゲームマスター達はやることが無いんだ。

  この世界に飽いてしまっている。

  

  そして、この『小さな世界』で待っている。

  退屈を破る存在が現れるのを。

 

 

 「なるほど・・・やることないから暇つぶし・・・か。

  ゲームマスターが.完全にゲームのシステムの一部に徹していられるわけだ。

  でも、

  ジンとその仲間達・・・とは、

  随分他人行儀だね。

  あんたもその1人じゃないの?」

 

 

 「俺が加わったのは、グリードアイランドの立上げからだ。

  それまではジンの敵だった。

  

  俺は新入りというわけだ。

  ゴンとの会話を聞いていたお前なら知ってると思うが。

 

 

 ピンポーン!!

 

 ビクゥ(;´Д`)

 

 

 「レイザー、聞こえる?

 

  エンディングイベントは終了。

  城も封鎖されたわよ。

 

 な!

 

 「フ。

  時間を稼ごうとしていたのはお前達だけじゃないということだ。

  

  どうだ? 

  城は封鎖され、また念の結界が復活したぞ。

  これでお前達の勝ちはなくなった。

 

 

 「へ、へへ、

  どうりで多弁だったわけだ。」

 

 「・・・くそ。

 

 

 レイザーがゆっくりと歩き出す。

 

  

 「で?

  

  お前たちは考え出せたのか?

 

 

 

  

  今から俺に殺されずに済む方法を

 

  

 

  

 

  

 

  next  ストーキング65「14人の悪魔 1」の巻 絶対見ろよな!ъ( ゚ー^)

 

 

  

 

 

 

 

 

ストーキング65

 

 

 色んな仮説や可能性・・・

 この状況を打破するためのピース・・・

 

 もう少しなんだ。

 

 もう少しで、繋がりそうなんだ。

 

 もう少し・・・時間が、

 

 

 「くそ!

  こいつら、、

  離せ!!

 

 「無駄だ。

  お前達の力では、そいつらの拘束を解くことすらできない。

 

 ・・・ぐ、

 確かに。

 

 俺を掴んでるのは、1番と7番。

 ヴェーゼを掴んでるのは5番と8番。

 

 ドッヂボール見てたときから想像はできてたけど、

 掴まれて再確認できた。

 番号が大きいやつほど力が強い。

 1番と7番では力の差が明らかだ。

  

 やはりこれは・・・

 

 

 「なるほど・・・

  番号が大きいやつほど力が強いんだね。

  

  1番と7番じゃ、約7倍の差がある、気がする。」

  

 レイザーが目を細める。

 

 「いや、

  力が・・・というより、念の総量が・・・というべきか。

  こいつらが念のいれもの、器として、

  その器の中に入っている念の総量、

  7番は1番の7倍だ。

  違う?」

 

 時間を稼ぐんだ。

 

 「・・・。

 

 ヴェーゼは黙ってこっちを見ている。

 彼女は俺という人間がどんなやつか、もう知っている。

 

 レイザーには絶対に戦闘では勝てない。

 あのヒソカでさえ『レイザーとは絶対に戦うな』って言ったんだ。

 頭で勝負するしかない。

 姑息で卑怯な俺だけど・・・だからこそ、もしかしたら・・・。

 

 「フ、

  その通りだ。

  1番を1として、その他の番号の僕達はその倍数分の力を持っている。

  

  この局面で何か掴んだか?

 

 レイザーの口元がニヤリと歪む。

 

 この男は知っている。

 

 自分の能力に穴がないことを。

 知れば知るほど、、答えに近づくほど・・・

 相手は絶望する。

 それを知っているんだ。

 

 「一坪の海岸線のイベント、『レイザーと14人の悪魔』。

  死刑囚にゲームキャラを演じさせて勝負してたけど、

  本来はあんたとあんたが具現化した14体の悪魔で、ゲームをするイベントだったんじゃないの?

  

  だけど、G.Iでの生活があまりに暇で死刑囚達を雇用した。

  そして少しイベントを変更し、死刑囚達を組み込んだ。

 

  ま、そんなことはどうでもいいんだけど、

  重要なのは具現化した人数。

  ドッヂボールの時は0〜7番までいたけど、

  本当は0〜13番までの計14人の悪魔を具現化できる。」

 

 「さっき自分で認めてたからね、

  念能力名は『14人の悪魔』だって。

 

 

 

 「その通り!

  イベント変更のいきさつまですべて的中だ。

  

  で?」 

 

 

 余裕だな。

 レイザーにとっては俺たちはただの暇つぶし・・・か。

 

 「あんたはさっき、『1〜14番までの悪魔を具現化できる能力』って言ったけど、

  それは嘘だ。

  あんたはドッヂボールのとき0番を具現化していた。

  つまり具現化する悪魔は1〜14番じゃなく、

  0〜13番ってことだ。

 

  実はそれが問題なんだ。」

 

 「・・・、

  それのどこか問題なのよ?

 

 

 「さっきも言ったけど7番は1番の7倍の念で作られている。

  6番は3番の2倍だ。

 

  じゃぁ0番は?

  

  念がゼロ? そんなことはあり得ない。

  具現化してるんだから0じゃない。

  じゃぁなんで具現化できてるんだ?」

 

 レイザーは不気味な笑みを浮かべたまま俺の話を聞いている。

 

 「念は入っている・・・

  けど、ゼロに見せている。

  だから0番、か?

  

 「そう!

  多分、そのとおりだ。

  つまり0番とは、外見からすると戦闘力がゼロに見えるように、

  、もしくはの技術で念をコーティングした具現化人形なんだ!」

  

 「・・・?

  つまり、どういうことよ。

 

 「ドッヂボールの最終局面、

  レイザーは具現化した念人形を吸収し、本来の力をすべて発揮できる本気モードになった。

  ・・・ように見えた。

  

  でも、

  あのフィールドに審判として残っていたんだよね、0番は。」

 

 「つまり、本気じゃなかったってこと?

 

 

 「重要なのはその時、0番が持っていた念の総量だ。

  

  ・・・ここからは、すべて俺の想像なんだけど、

 

  レイザー、さん、

  いいかな?」

 

 レイザーは笑ったまま何も言わない。

 

 「念能力『14人の悪魔』とは・・・

  

  自分の念の総量を

  1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、

  の大きさに分割し、1〜13までの念は自動操作の兵隊に変える。

  念の大きさはその数字に比例する。

  そして、残った14の大きさの念、これはレイザー本体が引き受ける。

  

  そして重要なのは、この念能力が常時発動タイプということ。

  その理由は・・・まぁ、想像に難くない、それはあとから。

 

  具現化が必要ない兵隊はまとめて隠しておく。

  それが0番。

  具現化が必要になった場合は、預けていた念を0番から引き出して使用するイメージ。

  

 

  ということは、

  レイザー本来の念の総量は

  1+2+3+・・・+14だから・・・え〜っっと、、、102」

 

 「105だ。

 

 「・・・105。

  つまり通常のレイザーは14/105の力で戦っているということ。

  そしてレイザーの傍らには隠で見えなくした0番が存在する。その念の量は91/105。

  

  ドッヂボール対決の時は、

  隠を緩めて0番を見えるようにしただけのこと。もちろん念の大きさはわからないように隠している。

  そしてドッヂボールの最終局面、1〜7番の悪魔を吸収したレイザーは、

  え〜っと、1+2+3+4+5+6+7+14で」

 

 「28+14

 

 「・・・32」

 

 「42!

 

 「(;´Д`)

  ・・・42/105の力で戦ってたことになる。

 

  つまりあのフィールド上で最強だったのは、

  隠で内部の念総量を隠していた審判の0番だったということになる。

 

  もちろん、最初から8〜13番のいずれかをレイザーが吸収していなかったと仮定してだけどね。」

 

 

 ・・・どうなんだ?

 

  

 「

  

  ・・・その仮説は正解だ。

  

  あのときの俺は42/105の念で勝負していた。

 

 

 「・・・

  やっぱりね。」

 

 やっぱり・・・最悪だ。

 

 「あの時、あそこにいたプレイヤーでそれに気付いている者はいなかった。

  褒めてやるよ。

 

 「いや、

  ひとりだけいたよ。

 

  ヒソカは気付いてた。」

 

 

 「ヒソカ・・・

  あの長身の、最後まで猫をかぶってたやつか。

  

  なるほど・・・

 

 

 「ちなみに、今のあんたは?

 

 

 「今の俺?

 

  俺本体は・・・14/105のままだ。

 

 「14/105の力で、、、

  数百メートルの円・・・だと?

 

 

 「お前たちは、円の範囲の大きさ=念能力者としての実力、と考えているようだが、

  それは違う。

  円はコツさえ掴めば、広げることは簡単だ。

  いかに薄く、つながりを保ったまま延ばせるか・・・

  まぁその技術を体得するまでが難しいのだが。

  

 「そんな技術、聞いたこともないね。

 

 「心源流の師範代クラスでも知らない高等技術だ。

  お前らが知らなくて当然だ。

 

 

 ゲームマスター・・・ジンの仲間達・・・こいつら一体何者なんだ?

 

 

 「・・・あんたが今、14/105の念しか持ってないとなると、

  この近くに0番が存在するってことだよね。」

  

 

 「

  そうだな・・・

  せっかくだからお前達に見えるように、そして念を感じ取れるように、

  『隠』を外してやるよ。

 

 

 ?

 レイザーの真横の空間が歪む。

  

 

 「紹介しよう・・・

 

 歪んだ空間から!

 

 「!!」

 な!!

 ヒィ!!!!(;´Д`)

 ととととととと、とてつもない念!!!

 

 

 「審判者・・・

  

  ナンバーゼロだ。

 

 

 

 あの時の審判・・・0番の悪魔!!

 

 

 

 

 

  next  ストーキング66「14人の悪魔 2」の巻 絶対見ろよな!ъ( ゚ー^)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ストーキング66

 

 

 

 

 0番の悪魔は無言でこちらを見ている。

 

  

 ・・・なんてオーラだ。

  

 

 「俺を拘束しているのは1番と7番、ルージュのは5番と8番の悪魔・・・

  レイザー本体が14の念を持っているから・・・

 

  0番の念総量は・・・

  な、70!

  70/105の念!!」

 

 「空気の震えで肌が痛い・・・。

  これがレイザー本来の約7割の力・・・。

 

 

 「フフ、どうした?

  足が震えてるぞ?

  

  今すぐナンバーゼロにお前達を殺すように命令しようか?

 

 

 何言ってやがる・・・。

 

 「へ、

  嘘つけ。

  

  ナンバーゼロは戦闘力を持たない。

  あんたの念を預かっているだけだろ?」

 

 

 

 「ほう。

 

  完全につかんだか?

 

 

 「・・・まぁね。

  

  俺の体を掴んでるこの1番の悪魔・・・」

 

 「ギ?

 

 「こいつを単純に14倍してもあんたほどの戦闘力にはならない、はず。

  

  何故かと言うと、こいつ等は遠隔操作型(リモート型)ではなく自動型(オート型)。

  オート型の具現化には、そのプログラムにかなりの念を使用しなければならないと聞いたことがある。

  恐らく、その手抜きな外見を見る限り・・・

  具現化に1割、制御に7割ってとこか。

  

  戦闘力として使えるのは制御に使用しない残分の念、この場合残りの2割・・・それは外見上のオーラと一致する。

 

  ところが、そこにいるナンバーゼロを見る限り、

  あんたがドッヂボールの際に見せた42/105の状態よりオーラはでかい!

  

  つまり制御プログラムが複雑じゃないってことだ。

  ナンバーゼロは具現化兵をまとめてストックしておく入れ物。

  その他で担うのはせいぜいドッヂの審判くらいだろ?」

 

 

 「すばらしい!

  

  だが、

  肝心な部分が間違っている。」 

 

 「?」

 

 「ナンバーゼロは審判者だ。

  だが、ドッヂボールの審判はただのおまけにすぎない。

  

  ナンバーゼロが本来審判するのは・・・

 

  さて、何だと思う?

 

 

 「

  ・・・そうか、

 

  状況を・・・審判するってことか。

  

  

  ナンバーゼロに預けている悪魔を、引き出すに値する状況かどうか。」

 

 

 「フフフ、いかにも!

 

  ナンバーゼロに許可された場合のみ、悪魔を引き出すことができる。

  ドッヂボール程度のゲームで引き出せるのは、せいぜい8番までが限界だ。

  

  あとは敵が強いほど、俺がピンチに追いやられるほど、高い番号の引出しが許可される。

  すべてはナンバーゼロの判断次第。

  俺の意思とは切り離された存在。

  ゆえに、審判者。

 

 

 「ちょっと待ちなよ。

  自分の念を分割して、それを常時発動型の具現化兵にして、

  その具現化兵は制御に大半の念を使うから戦闘力は弱くなるし、

  しかも引出すのには審判者の許可が必要?

  

  何よ?『14人の悪魔』って制約ばかりで、メリットがないじゃない。

 

 

 「そう、そうなんだ。

  俺もそれは引っ掛かっていた。

  放出系、具現系、操作系すべての要素がバランスよく必要とされる『14人の悪魔』、

  そんなもの身につけずに、基礎能力で戦った方がレイザーは強い。」

 

 「なぜだ?

  あんたほどの念能力者が、自分の能力で選択ミスをしたのか?

 

 

 「フフフ、

  まさかここまで核心に迫るとはな。

 

  

  お前たちの言ったとおり、『14人の悪魔』とは念能力というよりは・・・制約だ。

  

  分割した念を外部にとどめるため、人の形に具現化し、俺本体から完全に切り離すために自動型(オート型)を選択した。

  そして悪魔達を俺本体以外の場所にまとめるために0番という「隠」の器を作った。

  しかも簡単に引出せないよう、0番に審判者という性格を持たせた。

 

  すべては俺本体から念を分離させるため。

  

 

 「なんで・・そんなこと・・・

 

 

 「今の0番を見ればわかるだろ。

  ここまでの念を持った能力者をお前達は見たことがあるか?

 

 「ないね。

  というか、今まで見た念能力者の中で0番の次に大きいのが、ドッヂボールのときのあんただから。」

 

 

 「この0番ですら7割弱の大きさだ。

 

  正直にいうとな、

  俺は自分の念をコントロールすることができない。

 

 !

 「はぁ!?

  

 

 「簡単に言うと・・・

  本来、肉体の限界と扱える念総量は比例する。

  念を鍛えるためには肉体を鍛えることが必要不可欠。

  肉体の限界が上がれば、念量の枠も広がる。枠いっぱいの念を扱いたければ、次は精神面の修行だ。

  そして念総量の上限にぶち当たれば、また肉体を鍛える。

  この繰返しが念能力者を強くする。

 

  だが、

  

  これ以外の方法で強力な念を手に入れてしまうケースが稀にある。

  

  俺もそのひとりだ。

  

  あることがきっかけで肉体限界よりはるかに大きな念を手に入れてしまった。

  いや、『手に入れた』という表現はふさわしくないな・・・『箍(たが)が外れた』というべきか。

  念を抑えなければ肉体が壊れる、だが念をセーブしようにもコントロールすることもできない。

  肉体を蝕むほどの念は、精神面にも影響を及ぼす・・・

  理性を保つことが困難になり、取り返しのつかない罪も犯した。

  

  念を分離させるしか、俺が俺として生き残る方法は無かった。

  

 

  これが『14人の悪魔』を身につけた理由だ。

 

 

  日々心身を鍛えてはいるが、

  今でも俺は、本来の7割以上の念を持つと理性が薄れる。

  9割以上で理性は崩壊するだろう・・・ただ本能で行動する野獣と化す。

  

 

 

 「・・・野獣(;´Д`)」

 

 「本来持ちえるはずのない強大な念・・・

 

 「た、箍が外れたきっかけって・・・いったい何さ?」

 

 

 

 「フ、

  

  フフフ、

  

  ハハハハハッ!

 

 ?

 

 

 

 「いかんな、喋りすぎだ。

  ルルーペといったか・・・

  お前は危険だ。

  気付けばいつの間にかお前のペースに引き込まれていた。

  そうやって今までも生き延びてきたのか?

 

  

 

  もうやめだ。

 

 

  殺す。

 

 

 ! くそ!!   

 タイムアップか!

 

 

 考えろ!

 

      グリードアイランド・・・実在する島・・・現実世界

                        転移装置・・・飛ばされてここへ来た

    呪文カード・・・今は移動系スペルはすべて消去された・・・レイザーに

           レイザー・・・ゲームマスターのひとり・・・エレナ・・・イータ・・・レイザー・・・城の2人

                   支配者オンリースペル・・・

   雇用された死刑囚・・・

         レイザー・・・放出系のシステムを担当、ルージュに聞いた・・・システムを担当?・・・

                         『14人の悪魔』・・・理性を保つために念を切り離した・・・自動型(オート型)の具現化兵

                   審判者ナンバーゼロ

  具現化はナンバーゼロの審判次第・・・

                       ジン・・・ゲームマスター達のリーダー・・・ゴンの父親・・・

      指定ポケットアイテム・・・特殊効果・・・オリジナルアイテム・・・

                          ゲームクリア

      俺の念能力・・・『消える男』(サイレントキラー)・・・『道化の切札』(ゴールデンパス) 

 

                          

                          もう少し。

  

                         もう少しで・・・

    

 

        

 まずはルルーペ! お前からだ!

 

 

 

 ひぃ(;´Д`)!!!

 

 

 

 

   next  ストーキング67「発動」の巻 絶対見ろよな!ъ( ゚ー^)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ストーキング67

 

 

 

 

 レイザーの手にオーラが集中!?

 そして手から念弾が! 飛び出した!

 ドッヂボールのときのスパイクか!?

 俺は・・・悪魔達に掴まれて動けない・・・・

 やるしかない!!

 ずっと奴の円の中にいたんだ・・・感じはつかんでる・・できる! 多分!  久しぶりだけど!!

 

 終わりだ!!

 ドギャ!!

 「発動!!

  道化の切札(ゴールデンパス)!!

 

 

 バシュ!! ウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 よし・・・

 

 吸収・・・成功・・・!!

 

 

 

 

 

 

 「・・・バカな・・

  

  なんだ、それは?

 

 

 「・・・ルルーペ・・?

 

 

 「・・・簡単に言うと、

  

  俺の念をあんたの念と同じ性質に変化させた。

  結果、あんたの念弾は俺に吸収された。」

 

 

 「・・・そんな変化系能力、聞いたことがない。

 

  が、

  目の前に起きている光景は真実。

  

  なるほど・・・

  空気に化ける能力の延長線上と考えれば・・・納得はできる。

 

 「・・・呆れるわ。そんな能力を隠してたなんて・・・

 

 

 「これであんたの念弾は俺には通用しなくなった。」

 

 「・・・放出系殺し・・・か。

  恐ろしい能力だ。

 

 「しかも!」

 

 「ギ?」  「ギギ!?

 

 「あんたの悪魔達は、これ以上俺と戦うことはできない!

 

  自分と同じ念の標的・・・そんなのはプログラムの範疇にあるはずがない。

  つまり、俺を敵として認識できない。

  

  自動型(オート型)が仇(あだ)になったな!」

 

 思ったとおり。

 俺を拘束していた悪魔達はオロオロと次の行動を起こせないでいる。

 

 

 

 

 ・・・すばらしい!

  俺の念能力が封じられた!

 

 

 

 

 ・・・なのに、その笑みはなんだ!?

 

 

 

 ・・・わかってる。

 俺が次の手を見つけられてないのを知ってるからだ。

 

 

 ヴェーゼもそれに気付いてる。

 

 く、

 くそ!!

 

 どうすれば!?

 

 

 

 「へ、

  へへ、

  これであんたは俺にダメージを与えられないぞ。」

 

 時間をかせげ!

 

 

 「その割には顔色が良くないぞ?

  

 

  さて!

  どうしたものか。

 

 

 次の手! 何か!

 

 

 「・・・

 

  

  よし。

  

  1番、7番、俺に戻れ!

 

 

 バシュゥ!

 ! さっきまで俺を拘束していた1番と7番がレイザーに吸収された!

 

 

 「そして・・・円を解除!

 

 

 「く! こいつらは残すのか!

 ヴェーゼを拘束している5番と8番はそのまま・・・

 ということは、

 今のレイザーは、14+1+7・・・

 

 「22/105・・・

  でも、いくら念を高めてもあんたと俺の念は同質だ。

  俺にダメージは与えられないぞ。」

 

 

 「ククク、

 

  それは、念弾の場合だろ?

 

 ダン!!

 

 な!

 レイザーが突っこんできた!!?

 

 く! ヤバイ!!

 ガ、ガードしないと!!

 

 

 

 オラァ!!

 

 ボキ!ベキ!!

 

 

 「ぐぁっぁぁああ!!」

 

 ル、ルルーペ!

 

 

 

 

 あ、

 

 あああああああ

 

 

 

 

 「腕でガードしたところで、

  その腕が折れるだけ。

  あばらも数本イったか? ん?

 

 

 「が、 がぁぁ・・」

 

  

 「念が同性質ということは念が無効化される、それは念でガードができないということ。

  つまり真の肉弾戦。

  お前のひ弱な体と、鋼のように鍛えた俺の肉体・・・差は歴然。

  衝突すれば当然、弱い方が壊れる。

 

 う腕が変な方向に曲がっ、

 しぃしっ、、

 ぃ痛い、痛い、いたい

 

 

 ルルーペ!!

  

  ・・・ちくしょう・・!  レイザー!! やめろ!

  そいつは私がそそのかした!

  やるなら私を殺れ!!

 

 

 「

  もちろんお前も殺す。

  だがこいつが先だ。お前はそこでこいつが死ぬのを見てろ。

 

 

 ぐ、

 ぐひぃぃ、

 や、ヤバイ・・、ヤバイ、

 

 

 

 

 、

 ば、万策尽きた・・・

 

 

 

 

 

 

 「いいか、小僧。

  今から俺は『硬』でお前を攻撃する。

  

  お前本来の、自分の性質の念で俺の攻撃をガードすれば・・・お前の肉体は弾け飛ぶ。

  即、死ぬことができる。

  だが、

  俺と同質の念のままでいる限り、俺の攻撃で死ぬことはできない。

  1回の攻撃で骨が数本折れる。

  お前はそれを数十回喰らい、全身の骨が砕け、折れた骨が肉を突き破り、臓器が破裂し、苦しんだ末・・・死に至る。

  

  言ってることがわかるな?

 

  お前に死に方を選ばせてやる。

 

 

 く!! 外道が!!!

 

 

 「何を言っている・・・

  俺の念能力を見破り、そして封じた

  ・・・敬意を表して死を選ばせてやってるんだぞ。

 

 ひ、

 ひ、

 ひ、イヤだ。

 な、

 な、何とか、何とか、しないと・・

 

 

 ぐ、ぐぁあああああぁあ!!!

 

 ギィ!?」 「ギギィ!!??

 

 

 

 「・・・ほう。

  ここにきてさらに強くなるか・・・

 

  5番と8番では押さえきれないな・・・

 

 

  ナンバーゼロ!!

  6番と9番を追加だ! その女を拘束する!

 

 

 ズズズズズズズゥゥゥゥ・・・

 

 

 6番と9番が・・・5番、8番と共にヴェーゼを押さえつける。

 

 

 「ククク・・・すばらしいぞ女! 9番の許可が下りた!

  久しぶりだ!

 

 

 ぐ!! 離せ!!

  離せぇ!!! ち、ちくしょう!!

 

 

 はぁはぁはぁ・・・

 ル、ルージュも・・ダメだ・・・

  

 つ、次の・・手を・・・

 

 

 「さて、

  ルルーペ、

 

  再びお前を攻撃する。

 

  楽な死をとるか・・・

  辛い死をとるか・・・

 

  お前次第だ。

 

 

  いくぞ!!」 

  

 

 い、

 イヤだ・・・これ以上痛いのはイヤだ。

  

 で、でも死ぬのはもっとイヤだ。

  

 し、 死にたくない。

 

 

 死ぬのが・・・恐い!!

  

 

 し、死にたくないよぅ・・ぅぅぅぅううううううううう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ギャァア ミシベキボキ・・・

 

 

  

 「ガ、がぁああああああああああ!!!

 

 

 

 

 

 

  

 「・・・バカが、

 

  いつまで生にすがる! 

  俺はルーラーだ! ルールを犯したお前達は絶対に殺す!!

  どうせお前は死ぬんだぞ!!!

 

 

 

 

 い

 いやだ・・・

 

 し、

 

 

 死にたくない・・

 

 

 

 

 死にたくないぃぃ・・

 

 

 

 

 

 

 うあぁああぁあああああああああああああああああaaa aa a

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だ、誰か・・・

 

 

 た、、助けて・・・

 

 

 

 

 

 

 誰でもいいから・・助けて・・

 

 

 

 

 

 死にたくない・・・

 

 

 

 

 

 誰か・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 助けてょ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・助けて  やろうか・・? ・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・助けて、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ?

 

 

 

 

 

 

 

 な、

 

 

  

 

 

 

 

 なん・・・だ?

 

 

 

 

 

 痛みが

 

 

 

 やわらいでいく・・・

  

 

 

 

 

 

 頭の中が・・

 

 

 すっきりと

 

 

 

 

 この感じ・・・

 

 以前にも・・・

 

 

 

 そうだ・・・爆弾魔の・・・『命の音』(カウントダウン)で死にそうになったとき・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まるで脳の使ってなかった部分に・・・

 

 

 

 

 今の状況がすべて流れ込んでいって・・・

 

 

 

 

 色んな可能性が・・・キーワードが・・・組み合わされて・・・

 

 

 

 それが使えるかどうか・・・すごいスピードで検証されている・・・

 

 

 

 

 

 

 

 これ・・・・・俺が考えてるのか・・?・・・

 

 

 

 

 

 

 脳が・・・・・シナプスが・・・・

 

 急速に・・・どんどん複雑に・・形成されていく・・・感じ・・・

 

 

 

 

 

 

 まるで・・・

 

 

 

 プチプチと・・・・・音が・・聞こえる・・・ように・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第11章 「14人の悪魔」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ルルーペに起こった変化は!!

 レイザーを攻略することはできるのか!!?

 そしてグリードアイランドを脱出することができるのか!?

 第12章「アナザーエンディング」 突入!!  次回急展開!!

  next  ストーキング68「切札」の巻 絶対見ろよな!ъ( ゚ー^)

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

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